SNSで火がつき、話題になった缶の中に入ったショートケーキ。小さな小さな缶の中に、ぎっしりと詰め込められた生クリームと生地、そして美しく盛り付けられたいちご、完成度もさることながら一つ一つが真心込めて作られたショートケーキ。なぜ、どうして生まれたのか。そして、どういう風に作られているのか、渋谷にお店を構える「Risotteria GAKU 」(渋谷)へ。そのとろける美味しさの秘密も、今回しっかり取材し、深堀しお届けしよう。
札幌市と渋谷区にリゾット専門店と夜パフェ専門店を構える「GAKU」が、2021年7月16日(金)より「ショートケーキ缶を新発売する」とTwitterにて告知。ネットで話題になり、一時期行列は凄いことに。
今回は渋谷にある「Risotteria GAKU 」へ取材。お店のコンセプトは、リゾットの定食屋さん。「一皿だけでも気兼ねなく注文できて、たっぷり、美味しく楽しめる。そんなカジュアルなイタリアンレストラン」をコンセプトにしているそうだ。
札幌の夜パフェ専門店のアイコンにもなっているバク。夜パフェにちなんで、夢を食べるといわれている動物=バクがお店の至るところに。
缶をプシュッと開けるかのように、開封するオリジナリティあふれるパッケージコンセプト。その秘密をマネージャーの小笠原さんに伺うと……。
「コンセプトとしては、コロナ禍ということもあり、テイクアウトしやすいものでということと『24時間パティスリーのケーキが買えたら』。そんな中でティラミスとか、色々な缶があったのですが、一番かわいらしかったいちごを選びました。いちごの断面がきれいだし、味をこの方がイメージしやすかったので。」
「もともと社長が生クリームが苦手で、そんな人でも食べられるように」という想いも込められ、北海道産のクリームは絶品。まるで飲み物のようになめらかで、ミルクのコクもしっかり。生クリームだけだとくどくなるので、牛乳を少し入れて口当たりをよくしているそうで、結構ボリューム感がありながらも、ペロリといけてしまう美味しさ。
札幌の夜パフェ専門店ということもあり、いちごの見せ方を含め美しさの秘密はパフェからもヒントを得たそう。
今回、特別にショートケーキ缶「ふわ缶」が仕上がるまでをのぞかせていただいた。手際よく仕上げていらっしゃるも工程が多く、1つ作るのも慣れないととても大変だなと感じるほど。今回作っていただけたのはパフェテリアベルの店長佐藤大介さん。
まずは缶の中で、いちごの断面を見せるためにスライスするところから。そしていちごは、全部国産でこだわりのいちごを使っているそう。ちょうど今の時期の品種は「すずあかね」。爽やかな酸味が特徴的だ。
ふわっふわのスポンジ生地をまず底に入れて、スライスしたいちごを手寧に。全部で5面、5つのスライスをバランスよくはっていく。
その後生クリームを絞り、驚きの工程がここに。入れた後の生クリームを、断面がきれいになるように、クリームをのばす作業に。
その後、周りに広げたクリームの真ん中部分に、じっくりコトコト煮込んだいちごのコンフィチュール(ジャム)がぜいたくに、たっぷり。
そしてここで食感のアクセントを。軽くキャラメリゼしたアーモンドフロランタンを投入。ここで食べるときに、香りと食感に変化を加えてくれる。素晴らしい設計。
そして、同じ工程を繰り返します。2段目のスポンジ生地を入れたあと、いちご、生クリーム、いちごのコンフィチュール、アーモンドフロランタン、生クリーム、そして仕上げにいちごを。これで完成! 同じ工程の繰り返しとはいえ、かなり手が込んでいる。
連日完売していて、以前は並ばなければ買えないほどではあったものの、現在は供給量も増やす体制も整い、土日も遅い時間でなければ購入できるそうだ。またUber Eatsや出前館、woltなどの宅配サービスも利用できる。
「ふわ缶」は、季節によって中身のフルーツが変わることもあるそうで、ぜひ公式InstagramやHPをチェックしてほしい。
About Shop
Risotteria GAKU 渋谷
東京都渋谷区道玄坂1丁目7−10 ソシアルビル3階 新大宗ビル(MAP)
営業時間:11:00~20:00
定休日:なし
クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
Photo&Writing/Cream Taro
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