

2026年2月、埼玉・ふじみ野にオープンした「pâtissier Abe à bébé(パティシエ アベ アベベ)」。素材の魅力を大切にした、こだわりのスイーツが並ぶパティスリーです。地域に新たに誕生したこのお店には、どのような魅力が詰まっているのでしょうか。そのこだわりや、シェフが大切にしている想いに迫ります。

「pâtissier Abe à bébé」があるのは、埼玉県・ふじみ野駅から徒歩約8分の場所。都心へのアクセスのよさと、落ち着いた住環境が共存する街です。そんな街を歩いていると目に留まるのが、白を基調とした、やわらかな印象のテントが目を引く愛らしい店構え。

扉を開けると、目の前には大きなショーケースが。目移りしてしまうほどたくさんのケーキや焼き菓子が並び、一つひとつ眺めるだけでもワクワクする空間が広がります。




さらに店内へ目を向けると、お店のやわらかな雰囲気にぴったりな、愛らしいアルパカがお出迎えしてくれます♡

この「pâtissier Abe à bébé」を立ち上げたのは、シェフパティシエの阿部友洋さん。ご夫婦で力を合わせてお店をつくり上げ、訪れる人を温かく迎えています。
阿部さんは自身のお店をオープンするまで、神奈川の名店「SWEETS garden YUJI AJIKI(スイーツガーデン ユウジアジキ)」で、オープン当初から約15年間にわたり、スーシェフを務めてきた実力派パティシエです。

「pâtissier Abe à bébé」という店名は、阿部さんご自身の苗字をアレンジしたもの。呼びやすく、たくさんの人に親しんでもらえる名前がいいのではないか、という想いが込められているのだそう。さらに、親しみやすい「アベベ」という響きの「à bébé」は、フランス語で「赤ちゃんへ」という意味にもなるのだとか。

お店の外観を彩る、可愛らしいスカラップデザインも、そんな“赤ちゃん”にちなんで、よだれかけをイメージしたものなのだそう。
この埼玉・ふじみ野に出店された背景を伺うと、居抜き物件に絞って探していたそうです。当初は千葉も候補にしていたものの、なかなか条件に合う物件が見つからなかったといいます。そんな中、出会ったのが現在の場所。実は、以前この場所にあったお店のデザインを手がけたのは、「SWEETS garden YUJI AJIKI」と同じデザイナーさん。シェフからの紹介をきっかけに出店が決まり、さまざまなご縁がつながって「pâtissier Abe à bébé」が誕生しました。
そして、出店場所よりも先に決まったというお店のロゴ。字体や文字間といった細かな部分にまでこだわりが詰まっています。実は、店名とロゴを考案したのは、阿部さんの師匠である安食雄二シェフなのだとか! 師弟の間にある深い絆と、心温まる愛情を感じられます。

もともと独立を目指して修業を重ねてきた阿部さん。「コンクールに参加して賞をいただいても、自分のお菓子がお店に並ぶわけではなく、実際にお客様にどのように評価していただけるのか」を知りたいという想いもあったそうです。
そんな中、向き合うことになったのが、娘さんのアレルギー。「娘が食べられるお菓子を作りたい」という想いから、独立前からアレルギーに対応したお菓子の開発に取り組ませてもらうことになったのだそう。

最初に手がけたのはクッキー。試行錯誤を重ね、商品化までたどり着いたのが、現在「pâtissier Abe à bébé」で提供している「まるコロ」です。「せっかく作るなら、乳製品やナッツなども使わず、それでもおいしいお菓子を届けたい」。そんな想いから生まれたお菓子は、アレルギーを持つお子さんの親御さんからも喜ばれたと阿部さんは話します。そして、自分のお菓子が身内ではない方々にも喜んでもらえる。その嬉しさを初めて実感した経験も、独立への想いを後押しするきっかけに。
――「お客様に求めてもらえるものを、最高品質でお届けしたい。」
阿部さんのお菓子作りのベースとなる技術や味覚には、「SWEETS garden YUJI AJIKI」で約15年にわたり培ってきた経験が生かされています。師匠のもとで学んだ技術はもちろん、お菓子作りに向き合う姿勢や考え方も大切にしているといいます。
常に向上心を持ち、素材のおいしさをより引き出すためのひと手間を惜しまない阿部さん。そんなこだわりが、一つひとつのスイーツからも感じることができます。

「pâtissier Abe à bébé」で提供しているスイーツに使用している素材にも、阿部さんの強いこだわりぶりを感じます。
阿部さん:卵は「SWEETS garden YUJI AJIKI」時代からお世話になっている、日光の卵を使っています。砂糖も、卵本来の味わいを引き立たせるためにグラニュー糖を選んでいます。スポンジ作りでは、卵の量を基準に砂糖の分量を決めるのがスイーツ作りの基本。「パン屋さんが小麦にこだわるように、ケーキ屋も卵にこだわりたい」。そんな想いから、質の良い素材を選ぶことを大切にしています。
もちろんフルーツも、こだわっている素材の一つです。夏の時期に「イチゴのショートケーキはありませんか?」という声をいただいたことがあるのですが、その時季に最もおいしいフルーツを使ったケーキを届けたいという想いから、旬の味わいを生かしたお菓子作りを大切にしています。

――阿部さんがスーシェフを務めていたお店のスペシャリテでもある「ロールケーキ」。「pâtissier Abe à bébé」で提供するロールケーキには、どのようなこだわりが詰まっているのでしょうか?
阿部さん:正直、このお店でロールケーキを提供するかどうかは迷っていたんです。でも、提供すると決めたからには、こだわりを持って作りたいと思っています。スポンジは毎朝焼き上げて、サンドするクリームも、他のケーキとは乳脂肪分の割合を変えているんです。スポンジを焼く直前にクリームを炊き上げることも、ポイントの一つですね。
阿部さんのこだわりが詰まったスイーツが並ぶ「pâtissier Abe à bébé」。その中から、厳選いただいたおすすめ3品をご紹介します!

毎朝焼き上げるスポンジで丁寧に仕上げた、できたてのショートケーキ。阿部さんがこだわって厳選した、日光の卵が生み出す濃厚な味わいと、卵のおいしさを引き立てるクリームが魅力。生地の食感や豊かな香りなど、シンプルだからこそ際立つ素材の良さを存分に堪能できる逸品です。厚みのあるスポンジとクリームが重なり、卵そのものを思わせる愛らしいデザインにも目を引かれます♡

チョコレートの魅力を伝えたいという阿部さんの想いから生まれた、オリジナルのチョコケーキ。エクアドル産のショコラを使用し、プラリネを組み合わせることで、濃厚なチョコレートの味わいとサクサクとした食感を楽しめます。さらに、飾りにはカリッと香ばしい飴がけのナッツが添えられているなど、細部にまでこだわりが光ります。異なる食感と風味が重なり合う、チョコレート好きにはたまらない逸品です!

洋梨を煮詰めた奥行きのある味わいに、ほろ苦いキャラメルソースを合わせた、大人な味わいのヴェリーヌ。ゴロゴロと入った洋梨のキャラメリゼがアクセントになり、軽やかな食感のビスキュイやムースとの組み合わせも楽しめます。阿部さんの遊び心が感じられる、季節ならではの逸品です。

ころんと丸いフォルムが愛らしい「レモンパイ」。上に乗せているクリームは、レモンの形をイメージしているのだそう。この日は開店直前に伺いましたが、取材中にはあっという間に完売。神出鬼没とのことで出会えたらラッキーです♡ 毎日Instagramでその日のラインナップが紹介されているので、ぜひチェックしてみてください!

阿部さん:「à bébé」には、“赤ちゃんへ”という意味が込められています。縁もゆかりもなかったふじみ野の地で、生まれたばかりの赤ちゃんのようなお店を、地域のお客様に可愛がっていただきながら、一緒に成長していきたい。そんな想いを胸に、お店に足を運んでくださる一人ひとりのお客様を大切にしています。
また、阿部さんが大切にしている取り組みの一つが、アレルギーに配慮したお菓子作り。
阿部さん:全国にはアレルギーがあって、食べたいお菓子を食べられない子どもたちがたくさんいる。そんな子どもたちにもお菓子を届けたいです。
と、アレルギーのある子どもたちへの想いも語ってくれました。地域に根差し、一人ひとりのお客様に寄り添いながら、届けられるお菓子の可能性を広げていく。「pâtissier Abe à bébé」のこれからに注目です!
About Shop
pâtissier Abe à bébé
埼玉県ふじみ野市ふじみ野4-9-23
営業時間:11:00〜18:00 ※数量限定・売り切れ次第閉店
定休日:日・月・火
公式Instagram:@abebe.fujimino

もか
ウフ。編集スタッフ
製菓学校卒業後、美味しいお店と商品を広めたいと思い、洋菓子販売と飲食店専門の広告代理店を経てウフ。編集部へ。チョコレート、ピスタチオスイーツが好き。
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