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ufu.プレゼンツ~昆布智成×東京製菓学校。未来のパティシエへ、スペシャルトークvol.01

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「パティシエ」という職業を選び、夢を目指す若いパティシエのたまごたちと、有名シェフの奇跡のセッションをufu.がセッティング。今回、ご協力いただいたのは東京の製菓学校でも著名な「東京製菓学校」と、その卒業生でもある「UN GRAIN(アン グラン)」(青山)シェフ パティシエ昆布智成さん。

「就職先をどう選ぼう」「実際の現場は、どうなんだろう」など、様々な不安や疑問を持つ学生たちの言葉を受け、昆布シェフが考える「現代のパティシエとしての生き方」をインタビュー形式で紹介していきます。一見きらびやかに見えるパティシエの世界の現実はもちろん、これからの洋菓子界での「働き方」と「考え方」など、これからお菓子の世界に入る学生はもちろん、多くの人にとって人生のヒントになる内容となっています。ぜひ、最後まで一読ください。

「女性がメインで活躍しているお店がなくて、少し不安です。女性パティシエが活躍する道ってありますか?」

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村井さん:就職活動をする上で、今いろいろなお店をリサーチしています。実際にお店にも足を運んだりもしていて、技術的なことではないのですが、女性シェフをメインとしたお店が少ないなと感じました。

昆布シェフ:結婚・出産という、女性は大きな曲折があるけど、第一線で活躍している女性シェフも決して少なくないです。それこそ夫婦で頑張っているし、子育てしながらお店を構えている方もいます。今はパティスリーで働くだけじゃなくて、レストランで働いたり、お店を構えたり、色々な働き方や活躍の場があるので、「女性だから」ということは不安に思わなくて大丈夫。

村井さん:女性を雇用するうえで、メリットやデメリットはありますか?

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昆布シェフ:これについては、「男性だから、女性だから」とうことはないです。女性だって、力仕事が得意なスタッフもいるし、繊細な作業が苦手なスタッフもいる。逆に男性でも力仕事が苦手なスタッフと、繊細な作業が得意なスタッフもいます。男性だから力仕事みたいなイメージは、僕たちの中ではもうないかな。

一つ面白い違いがあるとしたら、成長のスピード。女性のほうが、表現が正しいかわからないけど、すごく頭がいいです(笑)。とても気が利くし、すぐ理解してくれます。成長のスピードがすごく早い感じがしますね。

一方で男性は、すご~くマイペースで、成長はゆるやか。でも伸びしろがあるから、何かをきっかけに化けることがあります。

「新しく製品を考える、ってすごく難しい」

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相馬さん:私が昆布シェフに聞きたいことは、製品づくりのことです。今学校では、さまざまな製品の基礎を学んでいます。実際にパティスリーで販売されている製品は、どれも独創的で新しい洋菓子だなと感じました。

いざ自分が「1から製品を考える」となったときに、あまりアイデアが思い浮かんでこなくて……。どうやったら、昆布シェフの「アン グラン」のように新しい洋菓子を生み出せるのでしょうか?

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昆布シェフ:今の段階で、「この素材でこうつくってください」を実現するのは難しい。それは就職して色々なことを積み上げていってからでも十分だと思います。

就職して、そのお店のやり方を何年か学んでいくと、だんだんと洋菓子のクリエイティブな部分はわかってきて、「次はこのやり方があるな」「これを応用したらこうなるな」そういうのをストックしていくと自分なりのものができてきます。様々な現場で経験を積み重ねて、「色々な引出し」をつくっていく方がいいと思います。

「今学ぶべきことは、基本をまずしっかり覚えること」
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今優先すべきことは、基本を学ぶことです。その時に、みんなが一番感じていると思うのは「この先生がこう言っていたのに、この先生は違う教えだった」「なんで教科書こう書いているのに」と思うこと。一体、どれが正解なんだろうと思うこともあるけれど、学生のときはどれも「正解」。一歩外へ出て、就職すれば学校で教わったこととまったく違う。その心準備としても、「どれも正解」と思うと、視野が広くなります。

「オーボンヴュータンでの働き方は、大変でしたか?」

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川口さん:すごく厳しいと耳にしましたが、老舗でもある「オーボンヴュータン」(尾山台)での働き方、そしてここで最初に働くと決めた理由も教えていただきたいです。

昆布シェフ:ここを選んだ理由は、簡単。「美味しい」と思ったから。そして「ここで技術を学びたい」と思ったからです。そして、現場はたしかに厳しいといえば厳しかったけれど、みんな仕事が終わるとめっちゃ優しかったんです。

「気に食わないことがあればすぐ言って」と、先輩後輩の縦関係もないし、すべてが実力主義でいい世界だったなと感じています。厳しいんだけど、仕事のことだけに厳しい。それにこのお店を経験したら、他の店で働いても全部楽になるなと思ったのもあるかな(笑)

村井さん:多くの店の現場は、今も厳しいのでしょうか?

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昆布シェフ:だいぶ働き方はよくなってきていると思います。今の30~40代ぐらいのシェフは、結構優しいですよ。

もしも、お店の雰囲気が知りたいときは、厨房見せてもらうといい。どういう雰囲気で、どういう環境でやっているか、すごくわかります。

「昆布さんは生まれ変わっても、パティシエになりたいですか?」

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濱田さん:昆布シェフは、生まれ変わってもパティシエになりたいですか?

昆布シェフ:えっ? どうして?

濱田さん:今の仕事をやっていても、楽しかったら生まれ変わってもやりたいのかなと思って。

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昆布シェフ:もちろん、やりたい! だって人の大切な記念日を、大切な人生の節目を祝える最高の仕事だよ。誕生日に選んでもらって、結婚式に選んでもらって、僕たちの役割って本当に大きいし、責任感もあるけれど、とっても達成感があるから、生まれ変わっても僕は「菓子職人」になりたいな。

話は変わり、今回参加した唯一の男子学生の濱田さん。シェフへの質問は思わぬ方向へ……

濱田さん:昆布シェフは奥さんと、この東京製菓学校で出会ったと聞きました。一緒の職場じゃなくて、寂しくなかったですか!?

昆布シェフ:はは(笑)それは、ないですよ(笑) なんでその質問??(笑)

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濱田さん:僕の彼女が先輩パティシエでして……。就職した時に、離れ離れになったら寂しいなと思って。

昆布シェフ:なるほど。パティシエは、洋菓子と向き合っている時間も大切。僕もそうでした。オーボンヴュータンの時代は、1日たりとも洋菓子の勉強をしなかったことがなくて、帰宅がどんなに遅くても5分でもいいから洋菓子の本を読んでいました。それを続けるうちに、どんどん日課になって。
僕たちは、洋菓子にのめりこむ時間も大事。彼女も、きっと洋菓子に向き合いたい時間があるはずなので、それを考えてあげるといいよ。それに濱田くんも洋菓子と真剣に、向き合ってみてね。

次回、昆布シェフから学生たちへ「逆質問」。これからの働き方とパティシエの生き方を語ります。

Special Thanks

昆布智成 Kombu Tomonari
profile
1981年 福井県で230年の歴史を持つ和菓子店「昆布屋孫兵衛」の長男として生まれる
2004年 日本大学商学部卒業
2006年 東京製菓学校卒業
同年 東京に拠点を置きオーボンヴュータンにてフランス菓子の基礎を習得
その後「ピエール・エルメ サロン・ド・テ」入社
2011年 メープルスイーツコンテスト入賞の経歴を持つ
2012年 渡仏し、南仏のパティスリー「リエデレ」でMOF(国 家最優秀職章)に師事し、ガトー・グラッセや地方菓子を学ぶその後、パリでは2つ星レストラン「ラトリエ ・ド・ジョエル・ロブション」でデセールを担当
2015年 アン グラン スーシェフ パティシエとして入社
2019年4月よりシェフ パティシエに就任

「東京製菓学校」
https://www.tokyoseika.ac.jp/

Photo/Yoko Nakata Writing/Cream Taro Direction/Kana Tsukumo