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SNSで話題のフリーの和菓子職人の連載がスタート。「三納寛之の“ときめきの和菓子”」vol.01

SNSで話題!フリーの和菓子職人の連載がスタート。「三納寛之の“ときめきの和菓子”」vol.01

Instagram 4万人超えのフォロワーを持つ、和菓子職人・三納寛之。日本の歴史や季節を表す伝統文化である和菓子と、現代のトレンドを融合し、女性がときめいてしまう和菓子をつくる。それはまさに、味、美しさ、センスにあふれた芸術そのもの。そんな三納氏の連載がスタート。

Vol.1:インタビュー“職人への道”
和菓子の道を決めたのは、中学生

SNSで話題のフリーの和菓子職人の連載がスタート。「三納寛之の“ときめきの和菓子”」vol.01

だれもが「美しい」と称賛する、鮮やかな色彩を放つ上生菓子をつくる和菓子職人・三納寛之。そのルーツを探るべく小さい頃の話から聞いてみた。

「実家が和菓子屋を営んでいたのが、大きかったと思います。長男でしたから」

中学での進路を決めるころには“和菓子屋になる”と決めていたそう。高校卒業後は、愛知県の名門和菓子店へ修行に。午前6時には起きて、店内の掃除、下準備、店番などの下積みから始め、和菓子つくりの基礎を6年、住み込みで徹底的に学んだ。

修行後は一旦実家に戻ったが、父親は現役で職人は足りていた。やりたいことの方向性が違うこと、もう少し外の世界を見てみたかったこともあり、多店舗展開の和菓子店へ就職した。

和菓子づくりの楽しさと葛藤

SNSで話題のフリーの和菓子職人の連載がスタート。「三納寛之の“ときめきの和菓子”」vol.01

新しい会社では10年あまり働いた。オリジナルの和菓子も多くつくるようになり、数々の賞を受賞した。また、オリジナルの和菓子を販売したらとても人気が出たという。

「会社の看板商品にもなりました」

しかし会社が求める和菓子は大量生産ができて、コストがかからないものだったりする。ときには会社から投げかけられる要求と、給料が見合わないことも。時間とともに会社と自分の方向性にギャップが生じてきたそうだ。

「やりたいことが見えてきたこともあり、雇われていることに疑問を持ち始め独立を選びました。申し訳ないというか、お世話になった会社ですから、辞めるといってから1年間は勤めました」義理堅い性格が垣間見られる。

やりがいのあるフリーの和菓子職人

SNSで話題のフリーの和菓子職人の連載がスタート。「三納寛之の“ときめきの和菓子”」vol.01

写真は、職人にとって大切な道具類の一部

 “和菓子は奥が深いし、魅力的ですよね”と「ウフ。」編集長。そもそも三納氏の美しい和菓子の魅力にとりつかれ、連載を決めた。

「和菓子の魅力をひとりでも多くの人に知ってもらうのが、僕の仕事だと思っています」と三納氏もいう。

しかし和菓子業界はのれんを守ることが大切。長い歴史をもつ和菓子の世界には、しきたりやしばりなどもある。三納氏が選んだのは、独立し、自分らしい和菓子を表現すること。自由に制作し、幅広く活動することができるからだ。

「和菓子は、やり方次第で可能性がある仕事。やりがいしかないです」

そんな三納氏の現在は、上生菓子づくりや販売以外にもインスタグラムやツイッターを精力的に発信している。コロナ禍で、ままならない部分もあるようだが、セミナーなどを世界で開いて活動の場を広げている。

季節をあらわす和菓子の魅力

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写真は、春を感じさせる「梅」と「うぐいす」

「和菓子はよく季節を表します。季節を表す文化は日本独自のもの。僕が知っている限り、お菓子で季節を表す文化は世界にないように思います」

日本人の繊細な心を表現できる和菓子は、種類が多く、餡だけでも、こし餡、小倉餡、白餡、うぐいす餡、ずんだ餡、いも餡、黄身餡、栗餡、ごま餡、柚子餡、みそ餡などざっと挙げただけでも十数種。

これから迎える夏にぴったりな「あじさい」という伝統的な和菓子がある。呼び名だけでもたくさんあるらしく、たとえば「てまり草」「よひらの花」「うわき花」「七変化」「八仙花」「ししゅう花」などきりがない。

「和菓子一つを表現するだけでも無限大。花鳥風月などを題材にしたものなどたくさんあります」

美しい自然の風景や、それをたしなむ風流など、和菓子にはそれらを伝える力がある。

――次回は、三納寛之さんが得意とする「上生菓子」について語っていただきます。

三納寛之 Sannou Hiroyuki
愛知県瀬戸市生まれ。愛知県の名店で基礎を学び、2019年フリーの和菓子職人として独立。名和会新年菓技術コンテスト最優秀賞、全国菓子研究団体連合会技術コンテスト総合1位、グランプリ受賞、全菓研連合技術コンテスト優秀技能賞など多数受賞。フランス、ドイツ、上海など世界各国でセミナーを開催。
「和の菓さんのう」https://wanoka-sanno.com/

Photo/Ahlum Kim Writing/Mayumi Yamagishi