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色彩の美学。フォーシーズンズホテル東京大手町、青木裕介シェフが奏でる眩暈がするほど美しいお菓子のルーツ。mikiのショコラティエ探訪記vol.13

色彩の美学。フォーシーズンズホテル東京大手町、青木裕介シェフが奏でる眩暈がするほど美しいお菓子のルーツとは? mikiのショコラティエ探訪記vol.13

今回のショコラティエ連載で取材をさせていただいたのは、2020年にOPENし話題のフォーシーズンズホテル東京大手町。そのフォーシーズンズホテル東京大手町でエグゼクティブペストリーシェフを務める青木裕介シェフ。眩暈(めまい)がするほど、美しいチョコレートにペストリーetc. 日本人だけではなく、世界の人を虜にし、Instagramのフォロワーは7.8万人を超える今もっとも人気のあるシェフです(@yusuke.1019)。

米国で唯一の国際的なペストリーの大会での上位入賞など、数々の世界大会で賞を勝ち取り、ニューヨークで開催されたヴァローナ チョコレートシェフ コンペティション(C3)では優勝も。そんな青木シェフのこれまでに歩みと、美しいペストリーが生まれた、ルーツを辿ります。

“ペストリーの魔術師”の秘密。多国籍なインスピレーションとの邂逅

Q.青木シェフの作り出すペストリーはあまりにも美しいことから“ペストリーの魔術師”とも呼ばれています。どのような経験と、キャリアがシェフに大きな影響を与えたのでしょうか?

A.「始まりは、滋賀県のフレンチペストリーショップでキャリアをスタートさせました。そして、東京やトロントで修業を重ねたのち、ペストリーやウェディングケーキ、プラリネショコラ、展示用の作品やシュガークラフトの技術を磨こうと思い、パリへ。その後、中東の地にあるリッツ・カールトンに移りました。

日本人パティシエとしてはフランスで修業という道が王道だと思いますが、そうではなくフランス菓子や繊細なケーキ、デザートがまだ一般的でない国では違った観点で学ぶことも多かったと思います。そこでは、世界の出身地が違うスタッフと働くことがあり、とても勉強になりましたし、日本やフランスの様にすべての材料が手に入るわけではないという環境の中で、いかにローカルなものを使っておいしいものを作るかという点でも勉強になりました。」

伝統に縛られすぎない自由な発想

「そんな異国の地で僕が作り出すものは、『日本人の人がつくるデザート』というよりも多国籍で、異国な、さまざまなインスピレーションから‟自分が食べたいもの”や“作り出したいもの”を自由な発想で、作っています。

Q.「チョコレートと燻製イチジク」は、シェフがヴァローナ社 主催のチョコレートシェフコンペティション(C3)で優勝されたメニューかと思いますが、燻製を掛け合わせるなど、青木シェフならではだと感じました。テイストだけではなく、表現でのこだわりを教えてください。

A.「コンクールはフォーシーズンズホテル、バリからの挑戦だったので、先ほど述べたとおり現地で手に入るものだけを使用し、限られた材料でいかに審査員を驚かせるか、印象に残すようなものができるかという点で、色々なことを考えました。そしてプレゼンテーションやチョコレートデザートでありながら甘くなり過ぎない、燻製や山椒を使い意外性を表現するというところを工夫しました。」

Q.なぜ主役の食材をイチジクにされたのでしょうか?

A.「イチジク=自分が好きなもの、食べたいものというのが大きな理由です。またイチジクにはチョコレートとの相性もありますが、食感もよく、ちょっとだけあるそのイチジクの酸味と甘みが、ダークチョコレートに合います。そしてスパイスだったり、お酒にも合う。」

そして燻製にしたのは、香りに変化をつけるため。一つ大切にしていることは、すごい変わった材料や食材を混ぜてしまうことをしないこと。そこまでの自己満はちょっと違うかなと思っています。」

「“見た目がいい”のは当たり前の時代。総合的なプレゼンテーションが大事」

Q.青木シェフが作られる世界観に、“赤”に何かヒントがあると感じました。赤を中心に、他にも黄色が多いと思いましたが、その理由は何かありますか?

A.「特に赤だけを気にしたことはありませんが、色からのインスピレーションから味を決めることはあります。ウェディングやバレンタインなどのイベントなどでのデザートやケーキは華やかさから発想を構築していくこともします。

“見た目がいいのは当たり前”だと思っています。時代的にも、味がおいしければいいという考え方もありますが、目でみて楽しんでもらえることも意識しなければいけません。総合的なプレゼンテーション力を大事にしています。

盛り付け一つ、お皿一つですごく印象が変わります。例えばこのボンボンショコラ。盛り付けていくのは工程も重なり手間にはなりますが、平たい皿にのせたものとの印象は大きく違いませんか?

「ホテルの空間もぜひ楽しんでほしい」

器、盛り付け、見た目もそうですが空間も大事だと思っています。フォーシーズンズホテル東京大手町は、ビジネスの街、大手町の39階というロケーションもあって、大人でエレガントな落ち着いた空間を楽しんでもらえたらと思っています。デザートやパフェもお酒をよく使用しており、近隣でのお仕事の後やデートにデザートを食べに、というふうに来て頂けたら嬉しいですね。

Instagramでは世界中の方が有難いことにも見てくれています。今はコロナ禍でこんな時期ですが、また日本に来てくださることも楽しみにしています。

Profile
青木裕介 Aoki Yusuke
フォーシーズンズホテル東京大手町
エグゼクティブペストリーシェフ

ザ・リッツ・カールトン・ドーハ、パティスリー&グルマンディーズ by M.O.F、パティシエ ステファン・グラシエ、ザ・リッツ・カールトン・トロントなどを経て、2017年よりフォーシーズンズ リゾート バリ アット ジンバラン ベイ。そして2020年、同フォーシーズンズホテル東京大手町のエグゼクティブパティシエに就任。
2015グローバル・ペストリー・ シェフ・チャレンジで優勝、ギリシャで開催された2016グローバル・ペストリー・ シェフ・チャレンジでは特別賞を受賞するなど、世界で名を馳せました。

About Shop
THE LOUNGE(ザ・ラウンジ) フォーシーズンズホテル東京大手町
東京都千代田区大手町1丁目2−1(MAP
営業時間:11:00~20:00(L.O.19:00)
定休日:なし

Photo/Masahiro Noguchi Writing/Cream Taro(坂井勇太朗)