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幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

バスクチーズケーキのブームに始まり、お取り寄せできるチーズケーキも増え、“チーズケーキ乱世時代”とも呼べる今。さまざまなチーズケーキが登場する中でも、人気が絶えず、チーズケーキ本来の持つ美味しさすべてを兼ね備えたチーズケーキが幡ヶ谷の「Equal」に。真白で、二層の色合いがかわいく、またどこか懐かしいこのチーズケーキが、「今月のウフ。」の表紙に。その美味しさの秘密はもちろん、こだわりの空間とお店のこと、そしてシェフをつとめる後藤さんのこと、「Equal」が持つあふれんばかりの魅力をお届けしていきます。

下町情緒あふれる幡ヶ谷。街のみんなに愛されるお店へ

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

新宿駅から約10分ほど、ここ笹塚 幡ヶ谷は住みやすい街としても人気が高く、とりわけ幡ヶ谷の西原商店街は、昔ながらの喫茶店や飲食店がありながらも、洗練されたバルやワインショップ、セレクトショップなどのお店が並び、歩くだけでもウキウキと心が躍るような、とても楽しく賑やかな街です。

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

商店街を歩いて約3~4分ほどで今回の取材先「Equal」が。2019年にOPENし、瞬く間に有名店となり、地元のお客さんはもちろん、多くのスイーツ好きが足を運びました。

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

このお店を手掛けるのは、代々木八幡の人気レストラン「PATH(パス)」のオーナーパティシエでもある、後藤裕一さん。東京の有名レストランで働いたあとに、フランスの有名店『トロワグロ』本店でアジア人初のシェフ・パティシエを務めたのちに帰国。現在はレストランでの経験を活かし、このEqualでオーナーパティシエを務めながらも飲食店のコンサルティングにも力を入れています。

アンティークな空間、オリジナルのショーケース、異国情緒あふれる壁紙とタイルに心躍る

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

お店へ一歩入ると、目の前にはシュークリーム、チーズケーキ、焼き菓子、季節のお菓子が並びます。日本の職人に特別に作ってもらったという、ショーケースは中のお菓子たちがよりかわいらしく、お店の雰囲気を醸し出す大きな役割を果たしています。

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3つに並んだシュークリームは、手土産にも人気が高く、卵の甘みがたまらないカスタードと、バニラがふんわり香る絶品のシュークリームとなっています。3個入りは縦長の入り。1個単位でも販売しているので、食べ歩きにもぴったりです。

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

オリジナルの手作りのジャムは、どれも食材の産地にこだわったものばかり。飴色のミルクバタージャムは、見た目からも食欲をそそられます。

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視線を下にうつせば、床はブルーのタイル、横を向けば壁はグリーンを基調とした異国感あふれる雰囲気が。アンティークで、どこかほっとするような、洗練された空間が広がります。「気軽に立ち寄ってもらえる、街の大福屋さんのように」と後藤さん。お店のコンセプトの通り、ふらっと寄りたくなる、商店街を歩いて足を止めたくなる、そんな魅力あふれるお店です。お店の名前「Equal」には、平等で身近な存在という意味を込めているんだそう。

半生のような、トロッとした絶妙な食感の世界へ

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

今回の表紙となったのは、このチーズケーキ。火入れに大きな特徴がある、Equalのレアチーズケーキ。ゆっくりとじっくりと低温で火を入れながらなめらかな食感を実現しているそう。“チーズには火を入れず、卵に火を入れているイメージ”と後藤シェフ。

口に入れたときの絶妙なバランス感、とろけるチーズの食感は唯一無二。塩気と甘みのバランスも含め、これぞ本当にチーズを愉しむチーズケーキ。このチーズケーキはどのように生まれたのでしょうか? 後藤シェフに伺いました。

「PATH」で人気だったチーズケーキをテイクアウト用にアレンジ。家に持ちかえった後、いかに美味しく食べてもらえるかを計算

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

後藤シェフ「もともとPATHで出していたチーズケーキは丸いホールをカットしていました。イートインで召し上がっていただく場合は柔らかくて、滑らかな食感がとても好評でしたが、テイクアウトをするには持ち帰る際の振動などで崩れるおそれがある為、柔らかすぎるのではないかと思いました。しかし、この柔らかさと滑らかさが特徴のケーキだと思っているので、その状態をキープできるような形状になるよう試行錯誤しました。

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

結果、現状のクリームをホールドできるような形状にして、それに伴い味の面のレシピを調整しました。お皿にのせてすぐ召し上がっていただけるイートインと、お持ち帰りでいただくテイクアウトでは、レシピ設計が異なるので、そこが難しいところでした。」

後藤裕一さんの目指す“サスティナブルな未来と街おこし”

幡ヶ谷「Equal」の真白な、唯一無二のチーズケーキに魅せられて

日々のシェフとしての働き方だけではなく、日々コンサルティングをされている後藤シェフ。その理由と、今後の目標について伺いました。

後藤シェフ「自分も厨房で日々働く職人の立場で考えると、パティシエや料理人は決して楽な仕事ではないと理解しています。労働環境や収入の面でも、この職業の社会的な地位の向上を目指さなければならないと思う中で、Equalのような実店舗のみを運営するだけでは思い描いた理想をクリアすることが難しいですし、そこへ向かう発信力が弱いと思います。そこで、自らが職人であることを最大限に活かして、店舗に対して外の仕事であるコンサルティングに取り組めば収入の面でも経験の面でも店舗へ還元できるのではないかと考えました。また、さまざまな取り組みをすることで、パティシエという職業の懐の深さというか、職種の選択肢の多様さを示せると思いました。」

これからの目標は、街単位の大きなプロジェクトの実現

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「実は今、栃木の那須の方々と、就労支援やサスティナブルな取り組みができる施設をやろうというプロジェクトが動き始めています。今までは、商品やお店単位での仕事が主でしたが、これからは街単位のような大きなスケールの仕事への意欲もあります。“食”を通じて、多くのことを豊かにしていけたらと思っています。」

About Shop
Equal
東京都渋谷区西原2丁目26−16
営業時間:木、金、土、日曜日 10:00~17:00
定休日:月、火、水
※営業日は変更の可能性がございます。詳しくはInstagramで確認してください。

クリーム太郎

クリーム太朗

ウフ。編集長

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編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中

Photo/tsukao Writing/Cream Taro