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オザワ洋菓子店ショートケーキ

本郷三丁目、オザワ洋菓子店の愛すべき下町物語 連載:最高のショートケーキを求めてvol.03

クリーム太郎

クリーム太朗

ウフ。編集長

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編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中


通い、買うこと10年。いつまで経っても変わらないそのフォルム。
気取らないその見た目と素材。愛すべきこのショートケーキは、本郷三丁目にある「オザワ洋菓子店」。
「イチゴシャンデ」が有名で、各メディアではそちらが取り上げられるが、筆者が好きなのはこのショートケーキ。

お店に入った瞬間、ケーキの味も期待感も膨らむ

オザワ洋菓子店

東京メトロ、本郷三丁目駅。丸ノ内線や都営大江戸線が走り、新宿からも15分程度とアクセスもよい。駅から歩くこと5~7分、創業54年を迎える「オザワ洋菓子店」がある。

オザワ洋菓子店

ショーケースに並ぶケーキはまるで、宝石のよう。手書きで書かれたその風情も味の一つである。

オザワ洋菓子店のシュークリーム

ショートケーキと同じく、筆者が好きなダブルシュークリームもオススメ。敷き詰められたカスタードクリームの上に、これでもかと生クリームがのる。

舌の上で溶けていく生クリーム。その美味しさは文章にできない

オザワ洋菓子店ショートケーキ

本題のショートケーキ。表面層、中間層、下層の3層になっている。

オザワ洋菓子店ショートケーキ

特筆すべきは、3点ある。
まず1点目が、このクリームのツノ。クリームの味の立体感を出す役割があり、おいしいショートケーキにおいて大事な要素。
ふわっとやわらかく、口の中で溶けていく。

オザワ洋菓子店ショートケーキ

2つ目は、下層にある赤い線。これはイチゴジャムになっている。
最近のショートケーキでは、なかなか見なくなった。これを加えて理由を店主に伺うと「イチゴと生地と、クリームだけだと味のインパクトがやや弱い。
そこで下にジャムを入れることによって強弱をつけた」。
この計算、見事である。イチゴジャムがきいていて、後味のしっかりイチゴの風味が残る。

オザワ洋菓子店ショートケーキ

3つ目は、ナパージュされたイチゴ。そのままイチゴをのせるお店も多い中、ナパージュされることにより、全体の甘みにアクセントを出している。
ゼリー状の食感も、全体にいい影響を与えている。この理由も伺ったが……。

「俺は素人に毛が生えたもんだよ、とくにこだわってないよ!」

オザワ洋菓子店ショートケーキ

そう話すのは店主の小澤さん。
しつこく質問する筆者に、返ってきた言葉はこれだった。
それでも、なぜおいしいのか、なぜまた食べたくなるのか、その理由は言葉にできないもの。真心こめて、毎日作る小澤さんのその“愛”に味のヒントがあるのかもしれない。

About Shop
「オザワ洋菓子店」
〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目22-9
営業時間:月〜金10:00〜19:00、土曜日10:00〜18:00
定休日:日・祝日
本郷三丁目駅から徒歩5分

Photo&Writing/Cream taro