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元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

今回のショートケーキ連載の舞台は、日本でもショートケーキの元祖とも呼ばれる老舗洋菓子メーカー「コロンバン」(東京都渋谷区)。

4月28日に、明治通り沿いに「コロンバン原宿」を再オープン。コロンバンは、1967年に「原宿本店サロン」を開業し、2020年まで約53年の間地元の人から旅行客まで愛され続けてきた。2020年は、このエリアの再開発の影響で閉店してしまうことに。その後、この新店舗は旧店舗からすぐ近くのテイクアウト専門店となり、復活。今回は出来立てでお店に並ぶ、その元祖ショートケーキを徹底取材してきた。

赤いテントはそのままに。コロンバンの旧店舗の装いを守りながら復活

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

新しく店舗がOPENしたのは、明治通り沿い。駅でいうと、千代田線・副都心線の「明治神宮前駅」が一番近く、JR原宿駅からは徒歩5分ほど。

賑やかで人通りの多いこの場所で、レトロなたたずまいの「コロンバン」の赤いテントが眩く存在感を発揮させている。あえて旧店舗を彷彿とさせる設計にしているとのこと。

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

外観の至るところに「コロンバン」の文字やロゴが配置され、ここだけタイムトリップさせてくれる。

中に入ると、ギフトの定番の焼き菓子アソートがズラリと並ぶ。この品揃えやバリエーションは、地元の人の手土産としてはもちろん、東京のお土産としてもぴったりだ。

季節のケーキから「原宿はちみつ」を使った商品も

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ショーケースの中には、人気のロールケーキから懐かしのマーブルケーキ、そしてバウムクーヘンが並ぶほか、ケース上部には季節のフルーツを使ったケーキもしっかりラインアップ。

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

その中でも特筆すべきは「原宿はちみつプリン」だ。価格も飛びぬけて高めの設定になっているが、原宿エリアで養蜂を営むコロンバンが作る正真正銘の原宿で生まれた希少なはちみつを使用。

このエリアは、明治神宮もあることから実は自然が豊か。そんな蜂たちが生み出すはちみつを楽しむことができる。写真のプリン以外にも、バウムクーヘンやマーブルケーキ、フィナンシェなどはこの原宿はちみつを使用している。

変わらないレシピ。舌を喜ばせる、コロンバンの元祖ショートケーキ

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

今回紹介するのは、イチゴのショートケーキと季節のショートケーキであるメロンのショートケーキ。季節のショートケーキはこの原宿の店舗のみの取り扱いとなっている。

コロンバンの創業者である門倉國輝が約100年前にフランスに渡り、フランス菓子を学びながら日本人の口に合うよう、開発したショートケーキは日本生まれのショートケーキと言われており、いわゆる元祖ショートケーキだ。

生クリームの甘さなどの配合は時代と共に変えているそうですが、基本のレシピはほとんど変えていないんだとか。

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

今回の取材で、ショートケーキをその場で作っていただいた。作る様子が見える、ライブ感ある店内。ケーキを仕上げてくださったのは、このコロンバンで約44年という、ベテランのシェフ。

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

今は技術指導をし、コロンバンの美味しさの伝統を継承している。この歴史を感じる美味しさ、特に注目したいのはジェノワーズと、生クリームに。

卵黄たっぷりの生地が、圧倒的なコクを生み出す

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

見るだけでも、惚れ惚れするようなスポンジ生地。カステラのように黄色く、全卵にさらに同量の卵黄を加えているんだとか。ふんわりした生地感というより、ややどっしり重めの生地ではありますが、口に運ぶと想像以上に軽やかで、あっという間に消えていく。

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また生クリームは、中沢乳業の45%のクリームを使用し、これは創業当初からまったく変えていないんだとか。

45%の脂肪分でありながら、丁寧に作られた生クリームは生地との一体感が抜群で、滑らかな舌触りと余韻にイチゴの美味しさがしっかりとのってくる。

パティシエが店頭で仕上げるメロンのショートケーキは、このみずみずしさに合うように設計されていて、乳脂肪分40%のクリームを使用しており、こちらもまるで飲み物のようにするするっと完食できてしまった。

美味しいのはショートケーキだけではない。定番のお菓子も紹介していく。

懐かしのシュークリームに、食べ歩きしたくなる原宿ビッシュ

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

シンプルな「原宿シュークリーム」は、ふんわりしたシュー生地に、2種類のクリームを。生クリームとディプロマットクリームの優しい甘さで、こちらも軽やかにいただける。

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「原宿ビッシュ」はワンハンドで楽しめるロングタイプのエクレア。ラングドシャ生地をのせて、パールシュガーを振りかけ焼成している。

中はチョコレート味のクリームとなっていながらもさっぱりといただける。

この地に、再び戻ってきたその理由

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

なぜまたこの地に戻ってきたのか、質問をすると、やはり多くの長年愛して通い続けてきたファンの存在。閉店を惜しむ声も多かったとのこと。

そんな愛着もあり、歴史もあるこの地で、少しでも当時の装いで、当時の場所と近く……。こうして2023年の4月に誕生へ。

元祖ショートケーキが、原宿の「コロンバン」が帰ってきた!連載:最高のショートケーキを求めて

新店舗のコンセプトは、「おいしさは夢のはじまり」。何度も通いたくなるような店を目指しているんだとか。

取材中もお店には若いお客から、長年通い続けてきたようなご年配の方も。老若男女問わず、長年愛され続けているからこその人気ぶり。これからも多くの世代に長く愛されるでしょう。

About Shop
コロンバン原宿
東京都渋谷区神宮前6丁目29−4 こみやビル 1f
営業時間:平日9:00~19:00、土日祝10:00~19:00
定休日:なし

クリーム太郎

クリーム太朗

ウフ。編集長

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編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中