ufu(ウフ)スイーツがないと始まらない。

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

チョコレート好きならば誰もが心待ちにしている年に1回のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」。1995年にフランスのパリで初開催にされた時から始まり、今では日本を含む世界各国で開催されている、世界的なイベントです。

コロナ禍を経て、2023年の「サロン・デュ・ショコラ」は、2023年1月19日(木)~2月5日(日)までの開催。そんな権威ある「サロン・デュ・ショコラ」。21回目となる今年のテーマは“LOVEこそPEACEだ!”。盛り上がるチョコレートの祭典に、日本人として参加される若きショコラティエ二人をインタビュー。またこの貴重な場に、チョコ愛が止まらない夢月さんがインタビュアーとして参加。3者がチョコレートの魅力を語るスペシャルな対談となっています。

About 夢月
ナチュラルで繊細でちょっぴりドーリーなメイク「#夢月メイク」で、SNSを筆頭に数々のメディアにも引っ張りだこな人気ヘアメイクアップアーティスト夢月さん。実は、年間数十万円もチョコレートにつぎ込むほどの、チョコレートヲタクとしても有名。

真っ只中のサロン・デュ・ショコラ。コロナ禍を経て、出会った国産素材と新しい表現

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

今回の対談に参加してくださったのは、吉祥寺の人気チョコレート専門店「PRESQUILE chocolaterie(プレスキルショコラトリー)」小抜シェフ(写真左)、「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」(ネル クラフトチョコレート トーキョー)村田シェフ(写真右)。

夢月さん「2022年が終わり、2023年が始まり。お二人にとって、昨年はどんな1年でしたか?」

村田シェフ「行動制限も緩和されて、だいぶ動きやすくなった一年でした。行きたかった八丈島にも行きましたし、何よりも良かったことは生産者に会う機会や時間を作ることができたことです。それが、今年のサロン・デュ・ショコラにもつながっています。今回出すボンボンショコラは八丈島がテーマに。」

小抜シェフ「コロナ禍や世界情勢の影響で、海外の食材の供給が安定しない一年でした。だからこそ、国産素材に目を向けて、積極的に使っています。国産素材の良さって、鮮度だったり、独特のテロワール(その土地ならではの良さ)から生まれる美味しさだったりとか、日本の食材と良く向き合える時間でした。」

村田シェフ「そうそう、サロン・デュ・ショコラといえば、今回出すコレクションを今日持ってきましたよ。」

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

小抜シェフ「僕も持ってきました。これは『ケツァール』。古代アステカにてカカオをもたらしたとされ農耕の神であるケツァルコアトル。その使いとされていた幻の鳥ケツァールをイメージしたボックスです。昨年度、同イベントで出店されていたカカオテールさんのドリンク「ケツァール」から着想を得ました。

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

フレンチオークでカカオパルプ(カカオの実)を混ぜ込みながら発酵させてつくるメキシコのカカオを使用し、カカオパルプのフルーティーな味わいと芳醇なアロマのカカオを自社焙煎しています。」

サロン・デュ・ショコラで販売するチョコレート。構想はいつから練る?

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

夢月さん「パッケージも凄く素敵です。以前、小抜シェフとコラボさせていただいたときも、小抜シェフの自由な世界観が表現されていて、今回は特にその表現が存分に発揮されているように感じます。」

小抜シェフ「カカオパルプのフルーティーさがしっかり残り、満足いくものができました。カカオパルプをより残しながら発酵させる、そんなイメージで作りました。通常はカカオパルプ’を落としながら作るんですが、あえて残して。手間はかかるけれど、面白いチョコレートが作れたと思っています。」

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

夢月さん「こういうコンセプトとか、サロン・デュ・ショコラで次に何を出そうかとか、それはどのタイミングで考えるのでしょうか?」

小抜シェフ「実は出店したサロン・デュ・ショコラで見たもの、感じたものからインスピレーションを得ています。他の出店されているこれをこうしたら面白いな、とか。特に料理から感銘を受けることが多いです。パティシエが作る、考えるものとは違う新しい表現なので、勉強になりますね。」

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

村田シェフ「このバレンタインのチョコレートって1年の総決算だと思っているんです。年末ではないんですよ、バレンタインが終わってようやく一年が終わります。この集大成のようなバレンタインで、次にやりたいことが見えてくるんです。

新しいジャンドゥーヤのカタチ

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

今回は3回目のサロン・デュ・ショコラです。1年目の自分自身の中でのテーマはビーントゥバーチョコレート。2年目はホワイトチョコ。そして今回はナッツをベースにしたジャンドゥーヤをやりたい!と思って考えました。

それがあって、ある日業者さんが紹介してくれたのが日本のくるみです。国産でくるみが希少であると聞いてはいたけれど、実際に自分で食べてみて感じて、すごく生産者さんもこだわっていたのでこの商品を作ってみました。くるみのジャンドゥーヤなんて、今までなかったと思います。

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

くるみって油分が凄く多くて、まず形にならず凄く難しかったです。国産のくるみは外国産よりも油分が多く、酸化も早かった。どうやって表現しようか、試行錯誤しできたのがこれです。このジャンドゥーヤは、やわらかいから型で抜けないのでオリジナルの型を作りました。これは修行時代に蚤の市で見つけたくるみの型にチョコレートを入れて、そのチョコレートで抜いた形を型のもとにしているんです。

クラフトチョコレートという表現はあったけれど、新しいジャンドゥーヤの形として提案したいと思っています。食べていただければ、その意図がわかるはずです。」

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

夢月さん「村田さんの今回出される、カカオの廃材を使ったものなどサスティナブルの流れを感じるのですが、何かテーマや意図はあったのでしょうか?」

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

村田シェフ「天然素材100%のカカオポッドを洗って、乾燥させて、コーティングさせて、器を作りました。自分にしかできないカカオの表現、ということを考えたときにショコラにとどまらず雑貨やデイリーで使うものでも表現できたらいいなと思っています。全国のお菓子屋さんだったり、チョコレート好きの方とかにも使ってもらえたら嬉しいですね。」

「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」(ネル クラフトチョコレート トウキョウ)村田シェフが表現する”日本らしさ”

夢月さん「nelさんのパッケージやクリエイティブって、和と洋のバランス感が絶妙で、お菓子もそうですがどうやってそのバランスをとっているのか知りたいなと思っています。」

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

村田シェフ「これがとても悩ましくて、和に振りすぎると和風になってしまうんです。何も頭で考えずに感覚で感じる日本らしさのエッセンスを、自分の中で落とし込んで、大事にしています。日本風ではなく、日本らしさ。それがnel CRAFT CHOCOLATE TOKYO(ネル クラフトチョコレート  トーキョー)の表現するチョコレートですね。和の押し切りではなく、カカオとちゃんと共存している考え方が、自分の在り方。」

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

写真のおこしは、その1755年創業の老舗和菓子店【俵屋吉富】とのコラボレーションにより実現した和菓子「カカオ落雁 砂燦加(さざんか)」。世界共通の嗜好品で子どもから大人まで幅広く人気のカカオを、和菓子と組み合わせることでより多くの方に和菓子の魅力に触れていただきたい、との想いから生まれたそう。ほろっと崩れる食感、おだやかな甘みは、お茶にも。

ショコラティエ二人が考える「カカオの未来」と伝えたいメッセージとは?

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

夢月さん「お二人が、この先カカオを通じて伝えたいことやカカオとの向き合い方で大切にしていることがあれば教えてください。」

村田シェフ「僕たちの仕事って、ただチョコレートを作るだけではないと思っていて、お客さんたちの声を生産者さんにも届ける。そこまでがショコラティエの仕事だと思っています。だからこそ、今回はカカオの廃材を使った雑貨も作りましたが、このnel CRAFT CHOCOLATE TOKYO(ネル クラフトチョコレート  トーキョー)のお店がある‟浜町″だけで完結しないような、農園まで届けて終わる手仕事をしたいと考えています。

小抜シェフ「昨年はタイのカカオ農園に行きました。それは、単に興味があるからが主な理由ですが、僕たちの仕事ってつなげることができる仕事だと思っています。村田シェフのおっしゃることと同じですが生産者との対話で生まれる発想もあって、それを皆様に届けることができる。

サロン・デュ・ショコラ直前。若きショコラティエが考えるカカオの未来とクリエイション「連載:夢月のショコラに恋して」

そしてこれも一つの面白いエピソードなのですが、その農園のカカオを使って作ってもっていたチョコレートを、現地のカカオを作って、発酵させているところだったので、彼らにダメだしされたことがあるんです。カカオバターの添加量が多いねとか、現地の人だからこそわかる指摘もあって、そこで気づかされることも多くありました。現地に行くと、新たな発見がいっぱいありますね。」

編集長より
いかがでしょうか。カカオ豆からチョコレートへ、自社農園。様々な取り組みを発信するチョコレートの世界でも、二人のショコラティエが、この一大イベントにかける想いのたけは計り知れないほど。一つ一つのチョコレートには意味があり、カカオの持つ最大限の魅力を、あらゆる表現を持って伝えていく彼らの姿は、日本のチョコレートの世界でも大きな未来ともいえます。

みなさんの応援で、お店も町も人も幸せになります。(by 編集長 クリーム太朗)

小抜 知博 Onuki Tomohiro
1988年福島県生まれ
「マ・プリエール」「ザ・リッツカールトン東京」を経て、2016年に「プレスキルショコラトリー 」をオープン。
カカオ豆から手がけるビーントゥバーショコラをはじめ、日本で古い歴史をもつワイナリー「まるき葡萄酒」などを有し、様々な素材とショコラのマリアージュを提供。
ジャパン・ベルコラーデアワード2012・2014年入賞
日経新聞全国フォンダンショコラランキング3位
ICAアジアパシフィック大会銀賞受賞

About shop
「プレスキルショコラトリー」

吉祥寺店
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-15-18 (MAP)
営業時間:11:00 – 19:00
定休日:火曜日・水曜日

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nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO

東京都中央区日本橋浜町3丁目20−2 HAMACHO HOTEL内(MAP
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休
公式インスタグラムはこちら

サロン・デュ・ショコラ 東京
会場:伊勢丹新宿店 本館6階 催物場(東京都新宿区新宿3-14-1)
営業時間:10:00~20:00 ※各回最終日は18時終了
日程:〈PART1〉2023年1月19日(木)~25日(水) 7日間(一般会期)
〈PART2〉2023年1月29日(日)~2月5日(日) (一般会期)