今回は、趣味としてコーヒーを始めようと思っている人から、毎日のコーヒーをもっと美味しく楽しみたいという人まで。コーヒーを始めるときに絶対必要となる“基本のあれこれ”を、プロに教えてもらう企画。
コーヒー豆の選び方から、淹れ方、更には、美味しいアレンジまで。とってもわかりやすく、2記事に渡ってお伝えします。
担当してくれたのは「スターバックスコーヒージャパン」の中でも、たった5人しかいない “コーヒースペシャリスト”若林さん。コーヒーの専門知識を持ち、その魅力を発信しています。
1本目となる本記事ではまず、“コーヒー豆の購入時”に役立つ知識を分かりやすく解説します。
コーヒーの味を決める要素はいくつかあります。その中でも大きな柱となるのは《1,コーヒー豆の種類と生産地》、《2,焙煎度合》、《3,抽出方法》の3つ。この3つのポイントを抑えることで、自分の好みのコーヒーが分かったり、見つけやすくなります。
特に《1,コーヒー豆の種類と生産地》と《2,焙煎度合》はお店でのコーヒー豆選びに。《3,抽出方法》は自身のスキルアップとテイスティングの際に役立つ知識。
そこでまずは、《1,コーヒー豆の種類と生産地》と《2,焙煎度合》について紹介。コーヒーを購入する前の基礎知識としてチェックしてみてくださいね。
コーヒーに親しむ上で、決め手となる風味に大きく関わるのが焙煎度合です。さらに、コーヒーを始めたばかりの人にとって、味の違いが1番分かりやすいところ。そのため、最初はここから意識することが若林さんのおすすめなんだとか。
―コーヒー焙煎とは―
コーヒー豆は元々、コーヒーの木に生る赤い実“コーヒーチェリー”からとれる生豆です。しかしこの時点では、薄緑色。これを煎ることで、私たちがよく目にする焦げ茶色のコーヒー豆が出来上がります。
そして、よく耳にする、浅煎り・中煎り・深煎りとは、どこまで焙煎をするかを示した言葉。
若林さん「焙煎度合による味の違いは、玉ねぎをイメージすると分かりやすいですよ。生のままだと酸っぱいですが、焙煎することで甘みが増して、酸味が減っていきます。更に熱を加えると、コクと苦みがでてくるんです」
「スターバックス」では、特に中煎り~深煎りの間で、さらに焙煎度を変化させているんだとか。微々たる違いのようにも感じますが、実際に飲んでみると浅めと深めではかなり味が違いました。
「ブロンドロースト」(中深煎り・浅め)
コーヒー豆は栗色です。
さっぱりとした印象の飲み口で、フルーツのような酸味。コクは少なくほのかな甘さが後を引きます。
「ミディアムロースト」(中深煎り)
コーヒー豆は、深いこげ茶色で少し光沢があります。
甘みと酸味のバランスが良く、コクもあります。いつでも、どんなフードとも合わせやすい。自分の好みを探し中の人にとっては、これを基準に飲み比べてみるのが、良いそうです。
「ダークロースト」(深煎り)
コーヒー豆は、黒に近い茶色でギラギラとした光沢があります。
最初にはっきりとした苦みがあり、力強い印象。黒糖やカラメルのようなコクを感じられます。
次にコーヒー豆の個性について。豆の種類によっても変化しますが、栽培に適した地帯を世界地図に表した“コーヒーベルト”があるほど、コーヒーにとって産地は重要な要素です。
若林さん「生産地による味の違いは、結構はっきりとしています。先に説明した焙煎は、コーヒー豆本来の個性を活かすためでもあるんです。そのため、コーヒーに飲みなれたと感じたら、次は生産地について考えると面白さに厚みが増します。
今回は、ラテンアメリカ、アジア/太平洋、アフリカと、大きく3分割してコーヒー豆の特徴を捉えます」
ラテンアメリカ
国ではブラジルが有名。ナッツやチョコレートのような味わいです。バランスがとれていて、香ばしさもあるため最もコーヒーらしい印象。デイリーに飲みやすいのが魅力です。
アフリカ
国ではケニアやエチオピアが有名。フルーティーで、爽やかな酸味が特徴的です。個性がはっきりしている分、好きな人はどっぷりとハマってしまう魅惑的なコーヒーです。
アジア/太平洋
国ではインドネシアが有名。どっしりとしたコクが特徴です。酸味は少なく、後味にはバターやシナモンのようなコクを感じられます。
フードペアリングは、コーヒーの楽しみ方を倍増させます。そこで今回は、誰でもわかる基本的なフードペアリングのロジックを教えていただきました。
若林さん「まずは、コーヒー焙煎度と食べ物の重量感を合わせるのがベースの考えですね。焙煎が浅いものには、口当たりの軽い食べ物を。コクが深くなればなるほど、重めの食事を選ぶと良いです」
教えていただいたロジックを元にして考えられた「スターバックス」の商品を、実際にペアリングするとこんな感じ。
「ブロンドロースト」(中深煎り・浅め)
軽い飲み口に合わせて、素朴で軽い軽食のようなスイーツやパンをチョイス。
クロワッサンやトーストなど、朝食と楽しむのにぴったりのペアリングです。
おすすめの「スターバックス」商品:「バウムクーヘン」
「ミディアムロースト」(中深煎り)
中煎りの良いところはバランス力。どんなものにも合わせやすいコーヒーです。浅い焙煎よりも香ばしさがあるため、生地の重量を感じられるフードをチョイス。満足感の高いコンビネーションです。
おすすめの「スターバックス」商品:「チョコレートチャンクスコーン」、「アメリカンワッフル」
「ダークロースト」(深煎り)
どっしりと力強い味わいを楽しみたい深煎り。バターケーキやチョコレートをたっぷり使ったブラウニーもぴったりです。苦みがちょっぴりキツイと感じた時には、ミルクを加えることで、マイルドな味わいに。
おすすめの「スターバックス」商品:「シナモンロール」「チョコレートクリームドーナツ」
コーヒー豆を選ぶときに欠かせない《1,コーヒー豆の種類と産地》と《2,焙煎度》についてはいかがでしたか?
知識はついたけれど、まだまだコーヒー選びに自信がないという人は、もちろん店頭に行って相談するのもOK。コーヒーの専門用語を出されても、もう恐くなんてありません!
コーヒー豆を選んだら、次は抽出方法です。
抽出方法は、コーヒーを学んでいく上で一番楽しいところ。コーヒーを淹れる音や香りを楽しみつつ、自分のスキルが直接味に反映されるからです。
後編では、“コーヒースペシャリスト”の若林さんが、どんなコーヒー豆にも合う基本的な抽出方法を伝授。美味しいコーヒーの世界にどっぷりと漬かりましょう!
協力/スターバックスコーヒージャパン
一部画像の提供/スターバックスコーヒージャパン
園果わたげ
ウフ。編集スタッフ
ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。
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