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本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

笹塚駅から、徒歩7分程度。静かな住宅街の中にある「シャララ舎」。「琥珀糖と喫茶の店」と書かれたお店は、一歩店内に入ればそこは別世界へ。前回の記事では、お店の名前の由来の話、そして「琥珀糖」を始めたきっかけと、そのエピソードを紹介しました。今回は、喫茶室へ一歩足を踏み入れて広がる、魅力あふれるシャララ舎さんの世界をお届けしていきます。

一つ一つ違う席と、空間。喫茶室に入るのは、注意事項を読んでから

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

喫茶室は、注意事項を読み、メニューを持って入室をします。空いている好きな席へ。店内は、席がひと席、ひと席、分かれていて、2名で来店する場合も、別々の席にての喫茶時間になります。

これもこのシャララ舎さんの、空間の楽しみの一つ。喫茶室では、すべての席が雰囲気も明るさも、置いてあるアンティークもまったく異なるのです。

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

ある席には小説や書籍が置いてあったり

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

ある席にはムーディーなライトスタンドがあったり。静かな空間を楽しむために、喫茶室内でのお話はNG。各席には、筆談帳も用意してあります。

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

注文する前に、はじめて利用する人向けの案内が渡されます。冊子を読むのも、このお店を楽しむうえで一つの要素となるかもしれません。

展示された作家の作品たちとともに

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

店内には、至るところに作家さんの作品が飾ってあります。写真は、鉱物アート作家の時計荘さん。店主とも交流があり、展示会も現在実施中です。

なぜ作品が店内に飾られているのか、店主の尾高さんに話を伺うと…。

「もともと前の本八幡時代から作品の展示はしていましたが、大きな理由としては店頭で販売している琥珀糖はプレゼント用に購入される方も多いので、ラッピングに時間がかかる時があります。その時間に楽しいものを見つけられる時間に出来たら素敵だなと、自分の好きな作家さんの商品を置いているので、お客様にも好きが広がったら嬉しいなと思いながら置いています。」

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

時計荘さんを始め、作家さんたちとは手づくり市などで、交流する機会がありました。時計荘さんは、石の世界では有名な方で、このお店のお客さんと琥珀糖と、マッチするなと思って。

好きな作品を色々眺めながらゆっくりお茶をしたい。そんな夢を叶えた喫茶室です。喫茶メニューももちろんですが、内装も作品も、ぜひゆっくりと各々の時間を楽しんでもらえたら嬉しいです。」

秘密の階段を降りると、そこは出入り自由の展示室

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

コーヒーカウンターの前には、地下室へと降りられる階段が。降りていくと、そこは展示室になっています。

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

出入りは自由で、真っ暗な世界に飾られた作品たち。腰をかけられる椅子も置いてあり、のんびり、何も考えず、壁に浮かび上がるような作品たちをじっと、ずっと見ていられます。

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

古書もたくさんあり、席に座って読書をしたり、地下室で作品を観たり、静かな空間で各々の時間を愉しむことができるこのシャララ舎さん。続いては、自家焙煎のこだわりのコーヒーをご紹介します。

「会話がそこになくても、コーヒーがあればいい」

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

自家焙煎で作られるコーヒーの美味しさも、人気の秘密。「美味しい」と思った豆を使用し、常に美味しい豆を探し求めているんだとか。師匠から日々学び続けながら、焼き方を日々研究しているそう。

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

「会話のない、静寂な喫茶室です。どこかでコミュニケーションをとりたいなと思ったときに、コーヒーを通してお話したいなと思いました。注文が入ったら、小さな声で“酸っぱいのがいいですか”などと好みを聞くときだけ話します。お客さんに好みを必ず聞いて、一つ一つ出すコーヒーに対して向き合っている。これが最後の一杯になるかもしれないと思って、毎回本気でコーヒーを出しています。帰ったあとのカップの中を見て、反応を見たりもしていて、全部飲んでくれたら美味しかったんだなって。会話をしなくても、コーヒーを通じてしっかりコミュニケーションができているんです。」

台湾のオーギョーチー(愛玉子)からヒントを得た、絶品のわらび餅

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

最後に、前回紹介した琥珀糖ソーダ以外のおすすめのメニューを紹介して終わりにします。「生わらび餅」は、すべて自家製。ベリー系のソースと、グレープフルーツのソース、そして珈琲のソースの3種類から選ぶことができます。今回はベリー系をオーダー。運ばれて驚くこの見た目。わらび餅の常識を覆す見た目は、台湾のオーギョーチー(愛玉子)からヒントを得たんだそう。

本を片手に時間を忘れて、閑かな喫茶室で。「シャララ舎」(笹塚)~琥珀糖ものがたり~(後編)

「透明でモチモチでシンプルな味はオーギョーチとわらび餅の共通点だと思っています。オーギョーチのように透明感があって甘酸っぱいソースで食べる、わらび餅があったらステキで美味しいのでは」と試作を始めたという尾高さん。

いかがでしたでしょうか? 深いお話がたくさん聞けた今回。前編と後編に分けてご紹介しました。喫茶店でも、カフェでもなく、「喫茶室」と呼ぶシャララ舎さん。静かな時間を本当に過ごしたい人にとっては、とても居心地がよく、また作品に囲まれて心も躍る最高のお店です。喫茶という文化において、本来の楽しみ方ができる、数少ないお店。

お店の営業時間や日程はInstagramの公式アカウントなどで、事前に確認しておくことをオススメします。

About Shop
シャララ舎
東京都渋谷区笹塚1丁目42−7 101(MAP)
営業時間:水木金14:00~20:00、土日12:00~19:00(祝日でも時間や休みの変更はありません)
定休日:月、火曜日
※その日の営業時間、営業日等はInstagram公式アカウント
ご確認ください

クリーム太郎

クリーム太朗

ウフ。編集長

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編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中

Photo&Writing/Cream Taro(坂井勇太朗)