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“パン屋店主おすすめのパン”「デイジイ」(東京・埼玉)パン職人と経営者2つの顔を持つベーカリーチェーンの敏腕社長が愛するパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.08~

“パン屋店主おすすめのパン”「デイジイ」(東京・埼玉)パン職人と経営者2つの顔を持つベーカリーチェーンの敏腕社長が愛するパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.08~

“パン屋店主おすすめのパン”「デイジイ」(東京・埼玉)パン職人と経営者2つの顔を持つベーカリーチェーンの敏腕社長が愛するパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.08~

パンの魅力に取り憑かれた女子大生まつこが『一流パン職人が本気でおすすめするパン屋さん』をテーマに、インタビューを行いリレー形式で繋いでいく連載企画の第八弾。前回インタビューしたぱんや徳之助の店主渋谷さんおすすめのお店は、東京や埼玉に店舗を展開するデイジイ。今回はデイジイのシェフ倉田さんにインタビューを行い、ご自身の修行時代や新人への教育について伺いました。

関東を中心に展開する人気ベーカリーチェーン「デイジイ」

“パン屋店主おすすめのパン”「デイジイ」(東京・埼玉)パン職人と経営者2つの顔を持つベーカリーチェーンの敏腕社長が愛するパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.08~

東京・埼玉を中心に10店舗以上展開するベーカリーチェーンのデイジイ。オーナーシェフ倉田博和さんは、実家が経営する「デイジイ朝日堂」(現在のデイジイ川口店)を継いで人気店に押し上げた敏腕社長であり、国内外のコンクールで受賞歴を持つパン職人でもある、まさにパン業界のプロフェッショナル。

今回取材に伺ったデイジイ西新井店は、2022年10月にオープンした新店舗。自然光がたっぷりと入るガラス張りの店内には、パンだけでなくケーキや焼き菓子まで幅広いラインナップが並びます。開放的なイートインスペースもあり、ひっきりなしにお客さんが訪れる人気っぷり。

パン屋ではなく、ショートケーキが美味しい洋菓子店『ローヌ』で修行したワケ

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倉田さんは高校卒業後、日本菓子専門学校へ入学。焼き菓子の基礎を学んだ後、京都の洋菓子店「ローヌ」で5年間修行をしていたのだそう。ベーカリーではなく洋菓子店を修行先に選んだのは、高校時代のヨーロッパ旅行がきっかけだといいます。

「『ローヌ』で修行する前、学生時代に無期停学になっていた期間があって。(笑)時間があったので、その期間を利用してヨーロッパ各国を巡る旅をしたのですが、それが非常にいい経験になりました。ヨーロッパでは、パン屋さんにパンだけでなくケーキもあるのが当たり前。すごくいいなと思って、自分もパン屋さんをやるなら、ケーキにも力を入れたいと思うようになりました。」

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「京都の『ローヌ』を修行先に選んだのは、知人が誰もいない場所で、自分を追い込んで修行をしたいと思ったから。関西ではパンもケーキもたくさん食べ歩いたのですが、中でもショートケーキが一番美味しいと感じたお店『ローヌ』で修行をすることにしました。厨房で綺麗に仕事をするなら、ケーキが上手い店が一番いいと思ったから。修行はかなりキツかったけれど、この店での修行のおかげで、デイジイでケーキも置けるようになりましたね。」

不誠実なものはお客さんに見抜かれる。経営難の日々

“パン屋店主おすすめのパン”「デイジイ」(東京・埼玉)パン職人と経営者2つの顔を持つベーカリーチェーンの敏腕社長が愛するパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.08~

『ローヌ』での5年間の修行後を経て、さらに親戚のパン屋さんで1年間経営の勉強をした倉田さん。そんな経験を経て、25歳でご両親が創業された「デイジイ朝日堂」に入社、30歳で社長に。2号店として、晴れて自分のお店をオープンすることになった倉田さんですが、そこでは人生で一番過酷な時期が待ち受けていました。

「パンだけでなくケーキも作れるし、自分はなんでもできると思っていたんですよね。こういうパンなら売れる、こういうケーキならヒットする、そう信じて作り続けてた。でも、それが全然売れなくて。日に日に借金は膨らみ、自分もどんどん追い込まれていって。そうすると、形が多少不格好なパンでも、“店頭に並べちゃえ”という思考になっていました。でもそれがさらに悪循環を生んでいたんです。そういう邪な心って、あんぱん1つを通してでも、経営者の働く姿勢としてお客さんに伝わってしまう。」

「それに気づいて以降、『お客さんに喜んでもらうためにパンを作る』という原点にたち返りました。もともと、誰かに喜んでもらいたくてパンの道に進んだのに、それをいつの間にか忘れていた。そこから、お店に入ってきてパンを見たお客さんの反応を見るようにしたり、小さなことだけど、笑顔で仕事をするようにしたりして、少しずつ改善していきました。今では、技術があってもお客さんへの気遣いができないとだめだなと、心底実感しています。」

パン職人としてチャンスを掴むためには、日頃の自己投資が重要

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前回のインタビューでは、「ぱんや徳之助」の渋谷シェフが倉田さんに大変お世話になったとお話していたのが印象的でした。パン職人の教育について伺うと、倉田さんは”自己投資”の必要性を語ってくれました。

「本当にいいパン職人になりたいのなら、自分にどれだけ投資できるか。それがとても重要だと思っています。例えば、将来フランスで修行したければ、休みの日にフランス語の語学学校へ通うとか。足りないスキルがあればそれを磨くのに、休みの日を使っていくらでも勉強できる。そういうふうに、日々自分に投資している人は、チャンスがきたときにそのチャンスをちゃんと掴める。成功するかしないかは運も関わってくるけど、そのチャンスをものにできるかは自分次第だなと。」

“パン屋店主おすすめのパン”「デイジイ」(東京・埼玉)パン職人と経営者2つの顔を持つベーカリーチェーンの敏腕社長が愛するパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.08~

「スタッフの教育に関しては、基本的に本人の自由というスタンス。常に先を考えて自己投資できる人は、働く中でいろんなことを吸収して勝手にどんどん成長していく。私がやることといったら、一生懸命手を伸ばしている人の手をぐいっと引っ張る手伝いをするだけ。手を伸ばすか伸ばさないかは、完全に本人次第だね。」

これからのデイジイ。パンもケーキも美味しい、ベーカリーの完全体を追い求めて

“パン屋店主おすすめのパン”「デイジイ」(東京・埼玉)パン職人と経営者2つの顔を持つベーカリーチェーンの敏腕社長が愛するパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.08~

「これまでずっと、自分の理想のベーカリーを作ることを目標に走り続けていました。理想は、まず洋菓子もパンも美味しいということ。別にワールドクラスのケーキを目指しているわけではありません。そういう、着飾った華やかなものを作るのはパティスリーの仕事なので。ベーカリーの役割はそうではなく、素朴な”焼き”を極めることだと思っていて。最高のスポンジ、最高のロール。それに立ちたての生クリームと旬のフルーツを合わせる。そんなケーキを作っていきたいですね。」

「そして、決められた時間枠の中で最高に美味しいものを作ること。長時間働いて美味しいものを作るのは誰でもできる。美味しいものを限られた時間の中でたくさん作るということがプロだから。でもまだまだクオリティには満足してません。商品もそうだし、接客も福利厚生も。自分がまだ現役で働けるうちに、1つずつ店舗を回って改善していきたいですね。」

冷蔵なのにパサつかない衝撃生地の、クリームが溢れるあのパン

“パン屋店主おすすめのパン”「デイジイ」(東京・埼玉)パン職人と経営者2つの顔を持つベーカリーチェーンの敏腕社長が愛するパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.08~

「『一流パン職人が本気でおすすめするパン屋さん』としておすすめしたいのは、青葉台のボンヴィボンです。児玉シェフは自分の従兄弟なんですが、彼のことは尊敬しています。自分なりのこだわりがあるし、お客さんのことをちゃんと見ているし、何食べても美味しいですね。」

「その中でもおすすめなのが、生クリームあんぱんです。ふわっと軽い生クリームに、ほどよい甘さのあんこ。冷蔵系のパンなのにパサつかず、ふんわり食感で美味しいんですよね。もう一個食べたくなるサイズ感もちょうどよくて。」

“パン屋店主おすすめのパン”「デイジイ」(東京・埼玉)パン職人と経営者2つの顔を持つベーカリーチェーンの敏腕社長が愛するパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.08~

食べると溢れるほどのクリームが入った生クリームあんぱんは、植物性のホイップクリームではなく、ケーキ屋さんで使われる生クリームを使用しコクを引き出しているのだそう。冷蔵商品なのにパサつかない秘訣は、卵黄を多めに使用したり、バター等の油脂を入れるタイミングや粉の選び方を調整したりと工夫が凝らされているからなんだとか。

次回は、ボンヴィボンの児玉シェフにインタビュー

次回は、デイジイの倉田さんにおすすめしていただいた、ボンヴィボンのシェフ児玉さんに「パン職人が本当におすすめしたいパン屋さん」をお聞きしてきます。

連載の最終回となるボンヴィボンの児玉シェフのインタビュー、ぜひ最後までお楽しみに!

About Shop
デイジイ 西新井店
東京都足立区西新井栄町2丁目4−10
営業時間:8:00~20:00
定休日:火曜日

まつこさん

まつこ

新米ライター・パン好き爆食女子大生

メンバーの記事一覧

女子大生ながら、企業で取材記事を執筆するなど新米ライターとして活躍&日々勉強中。かなりの大食いで爆食女子と呼ばれ、たくさんのパンを食べるので本当に美味しいお店に精通。お店の前でパンを撮影する#まつこ撮りでパンインフルエンサーの間で話題にも