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“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

パンの魅力に取り憑かれた女子大生まつこが『一流パン職人が本気でおすすめするパン屋さん』をテーマに、インタビューを行いリレー形式で繋いでいく連載企画の第六弾。前回インタビューしたクロワッサンの店主橋爪謙典さんおすすめのお店は、千葉のトモニパン。今回はトモニパンのシェフ浅井さんにインタビューを行い、パンづくりの楽しさに目覚めるまでのお話や世界大会優勝の裏側について伺いました。

パンの世界大会ibaカップ優勝の実力派ベーカリー

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

千葉県成田市に2018年8月にオープンした「トモニパン」。シェフの浅井さんは、パンの3大世界大会の一つであるドイツの「ibaカップ」で2015年に優勝した実力派のパン職人です。

トモニパンの名前には、「私たちの作るパンたちが、暮らしのおトモニ(共に)になって欲しい。そして、みなさんと”食”でつながって、トモニ(友に)なりたい。」という思いが込められているのだそう。

「辞めたい」と思っていた毎日から、パンに本気で向き合うまで

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

大手チェーンのベーカリー、岐阜の「グルマン ヴィタル」、東京の「ラ タヴォラ ディ オーヴェルニュ」と様々なパン屋で経験を積まれた浅井さん。その道のりは苦労の連続だったといいます。

鬱寸前まで追い込まれた環境があったからこそ、今がある

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

「一番辛かったのは、専門学校の卒業後に入社した大手のパン屋さんでの経験でした。正直、初めて出勤したその日から辞める2年後まで毎日辞めたいと思っていましたね(笑)。もちろん肉体的にもキツかったのですが、それよりも人間関係が大変で。超体育会系の気質だったり、先輩同士の派閥があったり。自分はメンタルが強い方だと自負しているんですが、それでも鬱寸前くらいの精神状態でした。」

「でも振り返ってみると、この経験にはとても感謝しています。今になって、多少のことでも全然キツくないなと思えるのは、あの頃の辛い経験があったからだと思います。」

答えを「見る」のではなく「想像」して焼く楽しさ

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

「次に勤めたのは、岐阜のベーカリーでした。そこでは、石窯でパンを焼いていて、今までのオーブンを使って焼く自分のやり方が通用せず、苦戦しました。オーブンならレシピ通り焼くだけですが、そう簡単にはいかない。薪を燃やして火の強さを調整して、その余熱だけで焼くのですが、それが本当に難しくて…。」

「でもこの時ようやく目覚めたんです。パンを作ることが心から楽しいと思えた。パンの気持ちになりながら、出来上がりをイメージしながら、自分の感覚を研ぎ澄まして焼いていく。『答えを見て焼く』パン作りではなく、『答えを想像して焼く』パン作りになったんですよね。」

パンの世界大会ibaカップ優勝後待ち受けていた、厳しい現実

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

浅井さんはパンの世界大会「ibaカップ」に2015年に出場し、相方の渋谷シェフとともに見事優勝を果たしました。しかし華々しい優勝の裏で待ち受けていたのは、意外にも現実の厳しさだったといいます。

「『スターになって人生を変えてやるんだ』そう期待して出場したんです。ただ結論を先に言ってしまうと、世界大会で優勝しても何か劇的な変化があったわけじゃなかったんですよね。」

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

「テレビに呼ばれたりメディアの取材を受けたりして、おかげさまでお店は忙しくなりましたし自分自身も恩恵を受けてきました。でも、ものすごく大きな変化があったかといえばそうではなくて。思い描いていたような、誰もが知る大スターにはなれなかったんです。『人生って甘くないな』と実感する経験になりましたね。」

生産者さんと”トモニ”歩んでいくパン作りへの挑戦

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

2018年に自分のお店をオープンした浅井さんですが、今もなお挑戦を続けているのだそう。最近では、1年かけてドイツから取り寄せた自家製粉機を導入し、お店の営業と並行して試作に励んでいるといいます。

「たくさんあるやりたいことのうち、まだほんの一部しかできてないんですよね。そのやりたいことの一つが、自家製粉のパン作り。今までは小麦粉を購入していたのですが、これからは自家製粉にトライして、小麦の生産者さんと繋がって共に作っていきたいなと。」

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

「毎日が実験の繰り返しです。自家製粉だとこれまでのパン作りの概念が覆されるので、そう簡単には上手くいかなくて。でも、だからこそやりがいがある。飽き性の私もパンに関してはずっと飽きずに挑戦し続けられています。」

世界大会で優勝した相方のお店の、あのパン

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

「『一流パン職人が本気でおすすめするパン屋さん』としておすすめしたいのは、新潟の『ぱんや 徳之助』さん。ibaカップで優勝したときの相方であり、今も仲が良い渋谷シェフのお店です。そこの『クリームパン』が大好きなんですよね!もっちもちの生地で、たっぷりのクリームもたまりません。」

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

一日に800個ほど売れることもあるという大人気パン。

トングで掴んだだけで、「お?」と違いに気づくほどのもっちりずっしり感。

まず一口目から、明らかに一般的なクリームパンとは違う生地に衝撃。もちもちで潤いがたっぷりな生地から溢れ出す、甘さ控えめでもったりなカスタード。老若男女問わずファンが多いのも納得です。

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

生地には「徳之助食パン」の生地が使われており、これが美味しさの秘訣なんだとか。国産小麦と外国産小麦をブレンドし、湯種特有のもちもち感を引き出したという食パン。ソフトでしっとり、それなのにもふっとした弾力感もあり毎日食べたくなる美味しさです。

“パン屋店主おすすめのパン”「トモニパン」(千葉)パンの世界覇者が愛したパンとは?~新米ライターまつこが取材~vol.06~

次回は、「ぱんや 徳之助」の渋谷シェフにインタビュー

次回は、トモニパンの浅井シェフにおすすめしていただいた、新潟県「ぱんや 徳之助」の渋谷シェフに「パン職人が本当におすすめしたいパン屋さん」をお聞きしてきます。

お二人は世界大会優勝後も、千葉と新潟をお互いに行き来する仲なんだとか。そんな渋谷さんへのインタビューもお楽しみに!

About Shop
トモニパン
千葉県成田市赤坂2丁目1−15
営業時間:9:00~18:00  
定休日:火曜、水曜、木曜

まつこさん

まつこ

新米ライター・パン好き爆食女子大生

メンバーの記事一覧

女子大生ながら、企業で取材記事を執筆するなど新米ライターとして活躍&日々勉強中。かなりの大食いで爆食女子と呼ばれ、たくさんのパンを食べるので本当に美味しいお店に精通。お店の前でパンを撮影する#まつこ撮りでパンインフルエンサーの間で話題にも