2022年にオープン間もなく、スタイリッシュな空間にこだわりいっぱいのお菓子で、地元の人にすでに愛されるお店となった「UZUKI sweets shop」。徳島を超えて、四国随一のお店になりそうなこのお店。ご縁があり、今回はメディアの取材が初めてという「UZUKI sweets shop」を取材させていただきました。
お店があるのは、四国・徳島。徳島駅から電車で40分ほどの阿南市。お店への駅からのアクセスとしてはバス、またはタクシーとなります。
シェフの地元で、実家でお父様のお店であったラーメン屋を全面改装し、2022年の11月にお店ができました。お店の真向かいは、新しく移転したお父様のラーメン屋さんも。
淡いグリーンカラーと、木のぬくもりを感じる外観と内観。モルタル調のシックな店内は、東京のお店にもなかなかないトレンドに左右されないその空間は、シェフのこだわりがつまっています。
「TIRPSE(ティルプス)」は2013年9月18日にオープンしたフランス料理店。僅か2ヶ月でミシュラン1つ星を獲得して、当時注目された名レストラン。そんな「TIRPSE(ティルプス)」で腕をふるったパティシエ高橋初姫さんがシェフをつとめます。
ケーキも焼き菓子も、見た目の美しさやデザイン性は、ここはいい意味で本当に徳島?と驚くほど。美しくカットされたフルーツ、香ばしく焼き上げられたクロッカンシュー、すべてのお菓子が洗練されています。庭で育てたという食べられるお花・エディブルフラワーが盛り付けられたケーキも。そんなお菓子の数々には、シェフの地元への愛が隠されていました。
お店のカウンターには下には生菓子のショーケース。上には焼き菓子があり、曜日によって「生菓子の日」「焼き菓子の日」と分かれています。
生菓子は、ショートケーキやプリン、チーズケーキ、季節のタルトにシュークリームと、老若男女問わずにみんなが喜ぶようなラインアップに。
初姫シェフ「生菓子は、極力地元のフルーツを使っています。卵も、ここから3kmぐらいの養鶏場のものを使っています。苺も、朝採れた新鮮なものを持ってきてくださるんです。」
また並んでいる焼き菓子には、「ラベンダー」を使った珍しいものも。それもそのはず、レストラン出身のシェフが生み出すお菓子は、香りを大事にし、レストラン時代の経験が定番であるお菓子に表現されています。
ショーケースをよく見てみると、バースデーケーキが。オーダーケーキもやっているという、珍しい取り組み。わざわざ手間と時間がかかる、オーダーケーキを始めた理由を聞きました、
初姫シェフ「レストラン時代に、お客様にバースデーケーキを作ったことがきっかけでした。凄く喜んでいただけたということと、フルーツがたくさん盛られたケーキは、Instagramでも反響があり、そこからオーダーケーキを続けようと思ったことがきっかけでした。
そこからお店のInstagramアカウントとは別に、オーダーケーキのInstagramアカウントを作りました。そのアカウントでは、旬のフルーツを使うときに農家さんの発信を積極的にしています。今度使おうと思っているのは、マンゴー農家さんです。阿南市でマンゴー農家さんがいるということを、地元の人ですら知らないんです。生産者さんと皆さんを少しでもつなげられたらと思い、日々投稿していますね。」
最後に本題のケーキたちを。おすすめを聞いていると、買い物に来たお客さんから「プリンは日本一です」とおすすめをいただいたのでまずはプリンから。
生クリームが盛られたプリンは、とろけるタイプのプリン生地で地元の卵の旨味を感じる美味しさ。そして底にはややほろ苦いキャラメルソースがあふれます。バニラたっぷりのプリンは、口の中で一瞬でとけて鼻を突き抜ける香りです。
続いてショートケーキ専門家として外せない、ショートケーキ。阿南市の甘夏を使い、生地はなんとアールグレイ。生クリームのボリュームは控えめで、甘夏のみずみずしさと、アールグレイの香りのマリアージュを楽しむような、さすがレストランシェフが作る香りの組み合わせでした。
続いては、一番感動したクロッカンシュー。カリッとした生地の中にあふれ出るのは、トンカ豆のクリーム。バニラや卵感が強いカスタードクリームを想像していたので、いい意味で裏切られました。
口の中であふれ出るトンカの香り。クセがなく、ここまでミルキーでクリームとバランスよく合わさったトンカのスイーツは初めてでした。また生地がクリームの水分を吸って、食感を失わないように厚みのある生地感も凄く丁寧に作られていると感じました。
最後に紹介するのは、イチゴのタルト。イチゴは「さちのか」を使用。四国は実はイチゴの生産地としても有名で、愛媛や高知のイチゴを使う都内のお店も多いほど。
このタルトは、口どけの良いクリームと苺の甘み、程よい酸味と一緒に少し昔懐かしい苺ミルクな風味を感じさせてくれます。
その他のケーキもぜひ食べてみたかったほど。季節でメニューも続々と変わる「UZUKI sweets shop」。徳島へ来たら、わざわざ時間をかけて一度は行ってみたいお店です。
About Shop
UZUKI sweets shop
徳島県阿南市中大野町北傍示453−5
営業時間:11:00~17:30
定休日:日、月曜日
Photo&Writing/Cream Taro
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