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2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?

日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」。

全国から集まったさまざまな洋菓子を、芸術性、技術力、オリジナリティ、味覚、など多岐にわたる視点から評価し受賞者を決めるこの大会。特に芸術面は食文化を超える作品性を有しています。年齢を問わず、様々なバックグラウンドをもったパティシエが練りに練ったアイディアと、膨大な時間を費やして作った作品がずらりと並ぶ光景は毎年、熱気に包まれ見るものを圧倒。
2020年はコロナの影響によって開催が断念されましたが、今年は開催が決定。
10月12日~14日までの3日間に渡って行われた大会に、お菓子業界もお菓子好きも、リオのカーニバル並みの盛り上がりを見せました。

そんな、「ジャパン・ケーキショー東京」にスイーツメディアを謳うufu.が行かずして誰が行くか!と意気込んで行ってきましたよ!
今回は1年ぶりの開催ということで改めて、実際「ジャパンケーキショー東京」って何?というところから、日本が誇る洋菓子文化の今をお伝えします。

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?

ジャパンケーキショーってなんだろう?

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?

公共社団法人 東京洋菓子協会と一般社団法人 日本洋菓子協会連合会が主催する「ジャパン・ケーキショー東京」は全国各地のパティシエ、パティシエールがグランプリの受賞を目指して競い合う持ち込み型のコンテストで、今現在、日本最大の規模を誇っています。

大きな柱として10つ。それぞれ、デコレーションケーキ部門、工芸菓子部門、グラン・ガトー部門(プチ・ガトー部門と交互に行われています)、コンフィズリー部門、ジュニア部門、エコール部門、味と技のピエスモンテ部門、ディスプレイ部門、ギフト部門、国内産米粉を使った焼き菓子(特別)部門となっています。さらに、各部門内に1類2類と別れている部門もあるため、膨大なスイーツの数々が並ぶわけです。

厳しい審査基準があり、特色と見どころが各部門によって大きく異なるので、すべてをお伝えしたら本が1冊できてしまうレベル。
そこで今回は、大会の中でも日本が誇る工芸菓子の部門と、今年のグランプリに輝いたデコレーションケーキ部門からバタークリームとマジパン仕上げをご紹介します。

日本が誇るハイクオリティな工芸菓子

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?
ピエス・アーティスティック(アメ)部門 連合会会長賞 株式会社元町ケーキ 藤井美和さん

まずは工芸菓子部門です。フランスではピエス・モンテと言われる観賞を目的としたお菓子。だから華やかさは、どの部門よりも秀逸しています。本大会では飴、チョコレート、砂糖菓子の3つの素材の中から1つの素材を選び、作品を作ります。

飴がもつ艶やかさが、水の反射と明光を連想させる作品。
こちらの作品は大きさが50cmほどの飴細工。もちろんすべて飴で出来ています。

このピエス・モンテ、大規模なものでは150㎝の作品も。
緻密な技巧による美しさはもちろん、使われる素材菓子を活かしたアイディアや表現の統一性がピタリと重なったとき、一視ひと目で観覧者を魅了する強力なパワーを放つのが工芸細工の滋味。

今年のグランプリ作品はデコレーションケーキ部門から

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?
バタークリーム仕上げデコレーションケーキ部門 準グランプリ・連合会会長賞 パティスリーノリエット 寺田美里さん

圧巻と迫力が連なるピエス・モンテのお次は、かわいらしく。
今年のグランプリ受賞を果たした作品のあるデコレーションケーキ部門についてお伝えします。

今年はグランプリ、準グランプリの双方をデコレーション部門が独占しました。
準グランプリ受賞作品はウェディングをイメージしたケーキ。
世田谷区赤堤パティスリーノリエットの寺田美里さんによる作品です。イエローカラーの背景に、細かな花々と幸せを運ぶ白いハトの姿。ケーキとしてのクオリティだけでなく、主題がもつ優しさと喜びが感じられるケーキは、町のケーキ屋さんらしい温かさに溢れています。

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マジパン仕上げデコレーションケーキ部門 グランプリ・連合会会長賞 パティスリーコリウール 須永真理子さん

そして今年のグランプリ受賞を果たしたのが下丸子にあるパティスリーコリウールの須永真理子さんのマジパン仕上げ。
マジパンはスペインやドイツの名物菓子。砂糖、アーモンド、卵白などを混ぜてちょっと硬めのペーストにしたもので、日本ではデコレーションケーキに使用されることが多い洋菓子。

コンテストの規約により表面を覆う材料にマジパン以外の使用は不可。厳しいルールの中で高い技巧と表現力によって、とっても生き生きと一瞬を描写したグランプリ作品は、みている私たちまでワクワクさせます。ケーキの上に描かれた物語の前後を勝手に想像してしまう。そんな魅力ある本作品がグランプリを受賞したことに、主催者側の「お菓子は人を楽しませるためだ。」という思いすら伝わってくる素敵な作品。

「お菓子職人の仕事を本当の意味で知ってほしいんです」

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?

「『ジャパン・ケーキショー東京』は全く違ったものを比べないといけない。基本的には、美しさ、造形、表現方法、仕事の丁寧さなど、比べていくわけだけど、最後にはもう粗探しになってゆく。それくらい、全体のクオリティとレベルが年々あがっているね。」
と語るのは本大会の副会長を務めるパティスリー・ノリエットの永井紀之氏。

自らパティシエとしてパティスリーを経営しながら、未来のお菓子職人とお菓子屋、そしてそれを食べる消費者について真剣に考える永井氏は、「ジャパン・ケーキショー東京」を単なる大会ではなく、職人と来場者の双方にとって意義深いイベントであってほしいと語ります。

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?

「日々の仕事で、ここにあるようなお菓子を作ることは、はっきり言ってないと思う。それは大会で優勝するお菓子が、お客さんが喜ぶお菓子とは限らないから。それでも大会を開催する理由は未来を担う彼らに挑戦を通して自分の技術に磨きをかけ、努力を通して自信を身に着けて欲しいから。お菓子職人と消費者が本当の意味で繋がるきっかけとなったら嬉しいよ。」

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?

真剣にお菓子と向き合う職人たちが作った作品とどう向き合うか。そんなことを考える時間は、映画を1作見た時のような飽和感と充実感に満ちています。

好きな映画から監督を追って他の作品を見るように、展示作品から自分の好みを見つけて、彼らが働くパティスリーに行く。もちろん、それが有名パティスリーか町のケーキ屋さんなのかは関係なく。
そんな楽しみ方のきっかけを作ってくれる「ジャパンケーキショー東京」に感謝!

だれでも気軽に作品を観に行ける1年に1度の大きな大会に、なにはともあれ行ってみないと始まらない。
熟練パティシエが作る焼き菓子が詰め合わせになったギフトボックスや、同ビルの喫茶で食べれるケーキなど、限定お菓子も用意されているので、来年はいつもとは違うお菓子の楽しみ方をしてみてはいかがでしょう?

2年ぶりに開催!日本最大の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ってどんなショー?
園果わたげさん

園果わたげ

ウフ。編集スタッフ

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ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。