渋谷区・代官山に新しくオープンしたパフェとパスタのお店「AZOTO DAIKANYAMA」(アゾート 代官山)。以前は千代田区のオフィス街に構えていたが、規模を拡大して今年5月に移転オープン。イタリアンシェフが作る独創的なパフェを求めて来るお客さんが後を絶たない。
今回は一年の中でも最も人気があるというアメリカンチェリーのパフェ、そして7月から定番メニューとしてスタートする抹茶のパフェを先行取材してきた。
2019年に千代田区・神田小川町から始まったイタリアンバル「アゾート」。イタリアンのお店でありながらもシェフが一番得意とするアシェットデセール(皿盛りデザート)のテクニックをワイングラスに封じ込めたパフェは、ビジネス街にも関わらずパフェ好きがこぞって訪れるほど口コミで話題に。
そして2025年5月に規模を拡大して代官山に移転オープン。カウンタースタイルのこじんまりとした店内からテーブル席も兼ね備え、今までのパフェとハーフパスタのセットや単品メニューをいつでも楽しめるように。内観も白を基調とし、代官山の上品さもある落ち着く空間もたまらない。
同店の特長は、なんといってもシェフが得意とするアシェットデセールの技術から生まれるパフェの数々。
「22歳から30歳まで自由が丘でイタリアンのお店をやってました。祖母が農家で、その野菜を使ったコース料理は2週間予約が埋まるほど人気でした。そんな中、コースの最後に出すアシェットデセール(皿盛りデザート)にも力を入れようとしている時に、同じ材料なのに工夫次第で進化するスイーツの魅力にどっぷりハマって」
と話すのは、このお店で舵を取る渡邊貴夫シェフ。
アメリカンチェリーやホワイトアスパラ、いちごと春キャベツを組み合わせたアシェットデセールの技術を使い、旬の野菜×旬のフルーツを活かしたパフェは同店の最大の魅力。今では絶大な人気を誇るパフェは、オープン当初はなかったとのこと。
渡邊シェフ
「最初は“イタリアンに合うワインのペアリングを楽しんでもらいたい”という想いでお店をオープンしました。しかしコロナ禍に直面し、お酒の提供もできない事態になり…。そこでソムリエ2次試験対策を教えていた時に使用していたテイスティンググラスを使ってパフェにしたら面白いと思いスタートしました。」
ソムリエ資格を持っているという渡邊貴夫シェフ。2021年の「ブラインドテイスティングコンテスト2021」では決勝に進出された実力派。コロナ渦で苦しい時のシェフの決断がここまで人気になるほどに。
季節毎に変わるパフェの中でも断トツで人気だという「チェリー・シェリー」。アメリカンチェリーを主軸に、グリオットチェリーやブラックチェリーを合わせたのがこちら。ワイングラスのリム部分(口が触れるところ)にパウンドケーキを挟み、口を閉じているフォルム。トップの部分で一つアシェットデセールを完成させるイメージで作っているというパフェは、ここでしか味わえない。
見逃せないのがジェラート。グレープフルーツジュースを煮込み、キャラメリゼ。そこにアメリカンチェリーを入れ、ロイヤルミルクティーのジェラートに混ぜる。これでもかというぐらい手間暇かかったアメリカンチェリーのジェラートは、チェリーの甘さ、酸味、苦み、キャラメルの香ばしさ、そしてグレープフルーツの苦味までもが音色のようにハーモニーを奏でる。
さらに前述した渡邊シェフはソムリエ資格保持者。ペアリングドリンクを楽しめるのもポイント。
渡邊シェフ
「味のバランスはもちろん、“香り”を大事にして、基本的には辛口ワインとペアリングできるように仕上げています」
今回はチェリーの香りがするぶどう「グルナッシュ」の赤ワインとのペアリング。ワイン好きはぜひ相性の良さを堪能してほしい。
すべて地元の食材を使用していた自由が丘のお店時代から、現在も渡邊シェフがパスタやパフェに使う野菜や果物は基本故郷のもの。今があるのは愛知県の食材のおかげだという。7月から定番商品として誕生するパフェは、まさにその代名詞。愛知県・西尾産抹茶をほぼ全てのパーツに使い、抹茶の苦味の緩急で勝負した逸品。
和食材である西尾抹茶をカタラーナ、ティラミス、クレープといった洋素材にアレンジ。抹茶の苦味やそれぞれのパーツの食感の変化を楽しめる大人の味わいの仕立てに。ペアリングドリンクには、抹茶にはない酸が強いぶどう「リースリング」の白ワイン。苦味と酸のコントラストが絶妙。
アシェットデセールをベースにしたメインの素材の良さを引き出したパフェと、ソムリエでもある渡邊シェフの最高のペアリング。小さいグラスに各パーツを詰め込むアゾートならではのスタイルは、単体で食べるのはもちろん、混ぜながら食べるのもおすすめ。
About Shop
AZOTO DAIKANYAMA(アゾート 代官山)
東京都渋谷区代官山町16−2 代官山八幡ビル 2F
営業時間:ランチ11:30~15:00、ディナー18:00~21:00
定休日:火・水
公式Instagram:@azoto_italian_restaurant
Takuma
ウフ。編集スタッフ
すべてが“本物志向”のスイーツ好き編集者。都内のパティスリーやホテルのカフェを中心に巡り、話題のお店はいち早くチェック。スイーツが好きすぎて、気づけばスイーツメディアの編集部に!
Instagram(@k.takuma.happy)
Photo & Writing / Takuma
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