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“忙しい業界で働く女性の役に立てたら”二児の母であり、多忙なショコラティエという道を選んだ佐藤美歩(mills)の生き方。ショコラティエWEEK vol.01

“忙しい業界で働く女性の役に立てたら”二児の母であり、多忙なショコラティエという道を選んだ佐藤美歩(mills)の生き方。ショコラティエWEEK vol.01

“忙しい業界で働く女性の役に立てたら”二児の母であり、多忙なショコラティエという道を選んだ佐藤美歩(mills)の生き方。ショコラティエWEEK vol.01

バレンタイン特別企画、有名ショコラティエによるチョコレートの面白さ・奥深さを体感できる「ショコラティエWEEK」。いよいよ本日からスタート。トップバッターをつとめるのは、今回のショコラティエの中でも紅一点。佐藤美歩シェフ(@mihho9)を取材してきました。

クロスホテル札幌、アルノーラエール ジャポンを経て、現在は「LikeSweetsBOX」「Seiste」のスーシェフを務め、自身の初のブランド「mills」を立ち上げる。感性豊かな次世代の女性シェフとして注目の人。また8歳と6歳のお子さんを持つ母として、忙しい業界で常に挑戦を続けながらも子育てに奮闘するその姿を含め、お届けしていきます。

お菓子を作る日常から、自然な流れでパティシエの道へ

“忙しい業界で働く女性の役に立てたら”二児の母であり、多忙なショコラティエという道を選んだ佐藤美歩(mills)の生き方。ショコラティエWEEK vol.01

Q.佐藤シェフは、どうしてお菓子の道へと進んだのでしょうか?

佐藤シェフ「母親がお菓子を作る人で、最初は一緒に作っていましたが自然と私がお菓子を作る担当になっていって、当たり前のようにお菓子を作っていました。母も調理関係の仕事をしていたこともあり、一緒にご飯を作ることもあったので、それで自然とパティシエの道へ。実はカメラマンになりたいなと思う時期もあったんです(笑)」

Q.製菓学校を卒業後はパティスリーへ就職されたのでしょうか?

佐藤シェフ「それが、最初はチーズケーキ専門店へ。それが大量生産をするような現場で、毎日作るのが嫌になっちゃったんです。環境もすごく悪くて。その後はタルト専門店へ行って、それからクロスホテル札幌へ行きました。ホテル時代は、自分で考えたお菓子を作れるようになり、すごくやりがいがある時期でした。」

子どもがいるからこそ、欲しかったコンクールの受賞と挫折

“忙しい業界で働く女性の役に立てたら”二児の母であり、多忙なショコラティエという道を選んだ佐藤美歩(mills)の生き方。ショコラティエWEEK vol.01

Q.その後はアルノーラエール(広尾)に入られたかと思います。チョコレートの分野で欠かせないお店だと思いますが、そこで得た経験やプラスになったことなど、当時のエピソードを教えてください。

佐藤シェフ「チョコレートをやりたくて、アルノーラエールに入りました、フランス菓子にすごく興味があった中で、“チョコレート”という大切な分野が自分の中で足りないと感じました。

そこではボンボンショコラなど、経験したいことはあれど、本国フランスからの空輸が多くて。その時に、瀧島シェフがイタリアでの世界大会へ向けて、日々準備をしている姿を見ていました。コンクールに出る人たちはとてもレベルが高くて、私自身チョコレートのことを学ぶ時間もそこでは多くありました。コンクールでいうと、チョコレートピエスの部門を目指そうと日々勉強を積んで技術を磨いていました。

その後、『ジャパンケーキショー』という大きな大会があるのですが、そこでは挫折を経験しました。作品を運ぶ途中に、車の事故で倒れて作品がすべて全壊してしまったんです。なぜ賞が欲しかったかというと、子育てをしている今の自分のやっていること、そして積み上げていることへの成果が欲しくて……。その時はとてもショックでした。」

「このパティシエという特殊な世界で。これからママになる人、今子育てしている人、共通の環境にいる人同士で意見交換をしていきたい」

“忙しい業界で働く女性の役に立てたら”二児の母であり、多忙なショコラティエという道を選んだ佐藤美歩(mills)の生き方。ショコラティエWEEK vol.01

Q.お子さんもいらっしゃり、ママシェフとしても毎日奮闘していると思います。子育てしながら、日々お菓子を続けるそのモチベーションと原動力を教えてください。

佐藤シェフ「ママパティシエとか、妊婦さんや産休中のシェフとかお話する機会が多くて。またそういう方々が、私の働き方に興味を持ってくださって、“ママパティシエ”というところから共通の悩みや境遇を持ち合わせた人たちが一つのところに集まってくるのがすごくいいことだなと思っていて

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あとは若い女性シェフで“これから子どもを作りたいと思っているけれど”と子どもができたあとの働き方や色々なことを相談しに来てくれる方もいます。そういう声を聞きながら、私自身も色々なことを発信したり、少しでも道になれたらいいなぁと思っているんです。確かに業界としてはハードですが、子育てを両立しながら頑張っていきたいと思っています。」

ストレートでわかりやすい、でも“ちょっと他と違う”絶妙なバランス感の大切さ

“忙しい業界で働く女性の役に立てたら”二児の母であり、多忙なショコラティエという道を選んだ佐藤美歩(mills)の生き方。ショコラティエWEEK vol.01

Q.チョコレートの話題に戻ります。佐藤シェフは、どんなチョコレートが美味しいと思いますか?

佐藤シェフ「食べていて“わかりやすい味”です。何を食べているかがわからないものだと、美味しさって広がらないと思うんです。口の中で美味しさの余韻がしっかりと残るものが美味しいと思います。」

Q.現在様々なカカオがあると思いますが、どんな方向を目指して作られていますか?

佐藤シェフ「中に入っているガナッシュのカカオ感、コンフィを含めて、それぞれの良さをうまく引き出したいと思って作っています。

最近では、絶妙な塩梅の“おしゃれな味”を目指すことも意識しています。タイのビーントゥバーブランドの『KAD KOKOA(ガートココア)』のシングルオリジンチョコレートを使うことになったときに、すごく個性的なチョコレートだったので、どう引き出すかすごく難しかったです。

その強いクセを、どうおしゃれに持っていくか。チョコレート感を残しつつおしゃれな味を目指していく過程がすごく面白くて。

“食べやすいけれど、他とちょっと違う”なみたいな感覚を目指して作っていますね。」

今年自身初のブランド「mills」(ミルズ)を設立。その想いとは?

“忙しい業界で働く女性の役に立てたら”二児の母であり、多忙なショコラティエという道を選んだ佐藤美歩(mills)の生き方。ショコラティエWEEK vol.01

Q.「mills」について、このブランドを立ち上げようと思ったきっかけ、またこの名前にしたエピソードを教えてください。

佐藤シェフ「美歩の“M”をいれたくて、工場という意味。ファクトリーより小さくて、“自分の小さいお菓子工場”。とはいえ一人でお菓子はできないので、子供もいるし、みんなでやるという想いも込めています。

お客さんを含めてみんなで『mills』。自分のお菓子はずっと出したかったんです。自分のお菓子を手にとってもらって喜んでもらう顔を見てみたくて。」

子育てに奮闘しながらも、美味しさを追求し日々お菓子を作り続ける佐藤シェフ。そんな佐藤シェフの「mills」初のボンボンショコラ(写真)が2月10日~2月14日まで、渋谷にある東急渋谷フードショーの「This Week One」にて初POP UP販売予定です。

クリーム太郎

クリーム太朗

ウフ。編集長

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編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中

Photo&Writing/Cream Taro Hair&Make/Mutsuki