ufu(ウフ)スイーツがないと始まらない。
村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」

村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」

3回に渡る「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」のショコラティエ連載。最後となる3回目はチョコレートづくりと、「まちづくり」をテーマにした新しい切り口の取材をしてきました。

第1回目と、2回目の記事はコチラから。

東京は浜町、都営半蔵門線の「水天宮前駅」や都営新宿線の「人形町」が通い、都心部へのアクセスも絶好のロケーション。

浜町自体は下町風情あふれるこのエリアで、近年飲食店が増えています。モダンな雰囲気の店舗も増え、この「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」もその一つ。

シェフである村田さんを取材しているうちに、このお店の見る向こう側に「まちづくり」が大きなテーマとされていることがわかりました。

和モダンな店内。日本らしさと、奥ゆかしさを表現

村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」
村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」

Q.このお店に足を踏み入れて、感じる空気感とモダンな雰囲気がとても印象的でした。このコンセプトはどこから来ていますか?

A.まず、このお店の特徴として「HAMACHO HOTEL」内にあることがあげられます。江戸の風情と下町情緒を併せもつ東京日本橋浜町。

この「HAMACHO HOTEL」は「手しごと」と「緑」のみえる街という、浜町のまちづくりコンセプトを具現化することを目指しています。

”和風”という言い方ではなく、日本風をおしすぎない程度に、スタイリッシュでモダンな空気感を作り上げています。お店のところどころに実は、浜町のよさが演出されているんですよ。

村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」

たとえば、このカウンターにある化粧棚のようなデザイン。

この金具は、浜町の金具屋さんの職人の「手しごと」なんです。そもそもお店のコンセプトが「nel」=「練る」で、チョコレートを通じて日本の職人の「手しごと」を発信しているので、お店作りにも「手しごと」と「浜町」の良さを掛け合わせています。

村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」
村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」

このライトもそうです。実は、このカカオの形をしたライトは美濃和紙なのですが、この茶色い斑点部分はカカオを使っているんです。

そしてこの美濃和紙は、うちのタブレットチョコレートの包装紙にも使っているんです。

「美術品を見る感覚で、チョコレートを楽しんでほしい」

村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」

Q.ボンボンショコラがこんなにきれいに並んでいるのが、他のお店ではなくて新しいと思いました。

A.はい、このボンボンショコラの並べ方はうちならではですね。白木を使って、お皿にのせて、お店のテイストに合わせています。

そして、設計として上から見るようにしています。まるで美術館で、美術品を見る感じで。その感覚=非日常感が、とても面白いと思うんです。

お店に来ていただいて、チョコレートの美しさとか、魅力を体験してもらえたらすごく嬉しいですね。

「働く人が幸せじゃないと、おいしいお菓子を作れない」

村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」

Q.お店作りのコンセプトは今お伺いした通り、とても新しいと思いました。「まちづくり」という観点も、今新しいシェフの働き方だなと感じました。一方で、村田さんが働き方についてもすごく大事にされていると伺いました。

A.昔は、早朝に起きて仕込みして夜遅くまで毎日働くこともありました。

僕が働き方で、多くを学んだのが修行先でもあった京都の福知山市にある洋菓子マウンテンです。水野直己さんが、そういうタイプで職場の人とのコミュニケーションを大事にするし、プライベートや家族の時間を大切にしてくれる方でした。

村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」

「早く仕事が終わったら、みんなでご飯に行こう」そういう機会もあって、すごく楽しかったです。

水野さんの影響もあり、僕も今はお店には朝10時前に出勤とゆっくりめです。自分の生活があって、仕事という認識が僕の中で当たり前になっています。だって、「働く人が幸せじゃない」といいお菓子は作れないじゃないですか。

「まちづくりに貢献できる、それが今一番の楽しみでモチベーションです」

村田友希さんの「まちづくりに貢献する」チョコレート職人の新しい生き方「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」「mikiのショコラティエ探訪記vol.07」

Q.村田さんにとって、これからどんな挑戦を続けていきたいですか? もし挑戦したいチョコレートがあれば教えてください。

A.色々な商品を提供していくことも大事ですが、今は「浜町にはnelがある」というイメージを多くの人に持っていただき、この浜町に足を運んでいただくことです。

美味しいものを作るだけではなく「まちへの視点」がすごく大事だと考えています。

コロナ禍もあり、訪日外国人観光客も減り、浜町も少し寂しく感じる今。町を応援するべく、毎日最高のチョコレートを提供し続けるこのお店、ぜひ足を運んでみてください。

みなさんの応援で、お店も町も人も幸せになります。(by 編集長 クリーム太朗)

About Shop
nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO

東京都中央区日本橋浜町3丁目20−2 HAMACHO HOTEL内(MAP
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休
公式インスタグラムはこちら

Photo/Omori Tadaaki Writing/Cream Taro