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速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

株式会社 明治が、カカオの未活用部位であるカカオハスクに多く含まれる「カカオセラミド」の素材化に世界で初めて成功し、多くの話題を呼んだのは2024年の1月。つい3か月前のことである。パートナーとの協業を通じて「カカオセラミド」の価値を高め届けるプロジェクトを始動したばかりの今、また新たな「カカオ」を通じ世の中に大きなイノベーションを起こす取り組みが発表された。

本発表会にはufu.編集長である筆者が参加。会場は銀座にある「ホテルモントレ銀座」。その会場内には、明治の「カカオ」をテーマにした取り組みが展示されていた。

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

カカオハスク=カカオ豆の種皮のことで、捨てられてしまうことも多い部分。そのカカオハスクを近年お茶にするなど、アップサイクル=再利用できるものとして注目されている。そんな中でも明治は2023年6月からカカオハスクを使ったアップサイクル商品として、菓子ボックスやコースターなど、テーブルアイテム・インテリアとして「CACAO STYLE」の名前で商品化を始めた。写真がその一部である。

「ひらけ、カカオ。」のメッセージがもたらすもの

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

イベント会場では、カカオマーケティング部 CXSG長の木原純氏が登壇。今回の企画はカカオの食としての可能性を追求し、料理への活用の幅を広げる狙いであると話す。また明治が2022年に発表したスローガン「ひらけ、カカオ。」も2周年を迎え、それに通じるような新しい取り組みを発表された。

一般人の持っているカカオとはチョコレートであり「甘いもの」というイメージ。グローバルカカオ事業本部長の萩原秀和氏によれば日本における年間のカカオの消費量は1人あたり2.2kgで、これは世界18位と決して低くもすごく高くもない順位。しかしながら、カカオという一つの食材を、新しい食べ方の提唱をもって上げていきたいという狙いがあるという。カカオを“チョコレートに使う”という、その作り手側のイメージと、“甘いもの”という食べ手側のイメージ両方の殻を破っていこう、それが「ひらけ、カカオ。」だという。

実際に筆者が感じるカカオは、チョコレートの原材料ではなく「食材」。捨てられてしまう種皮のカカオハスクも、カカオ豆を内包しているまわりの白い果実(パルプ)も、食材になり得るからだ。カカオポッド(カカオの実)が、チョコレートの原材料であるカカオ豆以外の部位で様々な料理に食材として使える。カカオハスクは、まるで出汁のようになり得るし、カカオパルプは少し野性味があるスパイシーな香りがあり、白桃のようなクリーミーさを持ち合わせた余韻と、レモンのようなジューシーなフルーツ。レモンの代替品として十分使える。

そんなカカオをテーマにし、8人の一流シェフたちが立ち上がった。

8人のシェフがカカオの可能性に挑む

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

3月28日に開催された発表会には、日本を大乗する8人のシェフが登場。南麻布「BCNgroc」の山田チカラシェフがヘッドシェフとして、そして恵比寿「鮨屋小野」の小野淳平シェフ、TVやメディアでも引っ張りだこの恵比寿「賛否両論」の笠原将弘シェフ、銀座「ホテルモントレ銀座」の亀井真一郎シェフ、広尾「Melograno」の後藤祐司シェフ、代官山「ARMONICO」の佐々木泰広シェフ、南青山「慈華」の田村亮介シェフ、恵比寿「Bistro YEBISU」の平尾光司シェフがユニットを結成。それぞれがカカオをテーマにメニューを考え、それを4月28日に「ホテルモントレ銀座」で行われるスペシャルディナーイベントで体験できるという。

8人のシェフは淡い茶色で染められた衣装を来て登場。このコックコートは、先述のカカオの種皮であるカカオハスクで染めたという。

ヘッドシェフを務める山田チカラシェフは「カカオには食の可能性を開く力がある。スペインで働いているときにはカカオはチョコレートではなく食材として、使っていました。今回は様々なジャンル、バックグラウンドを持つ職人たちにカカオをテーマに、自由な発想で考えていいとオーダーをしました。」中でも恵比寿「鮨屋小野」の小野淳平シェフは「カカオですか?」と驚いたという。寿司屋人生、カカオに触れる時間も考える時間もなかったそうだ。

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

そんなシェフたちのカカオを使った料理の一部をプレス向けに、いち早くお披露目&試食をさせていただいた。この中から4つが会場に用意され、まずは先に紹介した「鮨屋小野」をいただいた。カカオは発酵食品なので醤油との相性がいいという。カカオパルプを使用した「平目の昆布締め~白正油マリネ~」や「中トロのカカオ正油漬け」、「焼穴子 スイートカカオソース」 などカカオを余すことなく使ったメニューに。

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

カカオの持つスパイシーな香りとエキゾチックなカカオパルプが、寿司の酢とうまく混じりあい、寿司でありながらも一皿の料理のような美味しさへと大きな役割を担っていた。

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

続いては広尾「Melograno」の後藤祐司シェフ。カカオがレモンにも近く、酸味だけではなく苦みも感じさせれくれるので、ウニと合わせたという。ウニのパスタの上に明治の「チョコレート効果」を削って仕上げている。

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

南青山「慈華」の田村亮介シェフは、中華との掛け合わせ。使用したのは「カカオニブ」。カカオ豆を粗く砕き、カカオハスク(種皮)や胚芽を取り除いた胚乳部をカカオニブという。このカカオニブが唐辛子の焦がしていく香りが似ているという。大きな海老を使った白いエビチリ。味噌がカカオニブの食べるラー油のようなもので、海老の上には卵白とパルプジュースを合わせ、この2つを食べると口の中でエビチリになるという。

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

最後は山田チカラシェフの一皿。パルプジュースで炊いた蛍イカのアロスネグロ。アロスネグロはイカ墨のパエリアのこと。カカオのエスプーマで仕上げ、食べるとカカオパルプのうま味と酸味がぎゅっと詰まった美味しさに。これら8人の一流シェフがカカオを素材として使用したメニューを30名限定のディナー会「CacaoismDiscoverers charity dinner by meiji」で楽しめる。4月28日にホテルモントレ銀座で開催され、料金は1人8万円だが、収益の一部はカカオ農家の支援に寄付される。

サプライズで速水もこみちさんが登場

速水もこみちさんが登場。明治が考える無限の可能性を秘めた食材「カカオ」への挑戦

最後の1人として、タレント・俳優の速水もこみちさんが登場。オリーブオイルをふんだんに使った朝の番組「MOCO’Sキッチン」ですっかり料理好きのイメージがついた速水さん。今回のプロジェクトにジョインしたきっかけは、なんとヘッドシェフの山田チカラさんからだという。

速水さん「もともとチカラシェフのお店に通っていました。まさかそのご縁でお話をいただけると思ってもいなかったので、驚きと同時にカカオというテーマで一緒にプロジェクトを盛り上げることができたらいいなと思いました。カカオをもっと身近に感じてもらえるように、その架け橋になれたらと思っています。実際にデザートを今回担当するのですが想像が膨らみ、レシピが次々と生まれるので、どういう風にするか今も悩んでいます。6品ぐらい考えています。ぜひ4月28日、特別な日にしたいですね。」

寿司、和食、フレンチ、イタリアン、中華、スペイン料理とジャンルの枠を飛び越え、各々の自由な発想で開発されたメニューが提供されるスペシャルなディナーはホテルモントレ銀座へ電話での予約のみ受付とのことだ。

明治ではなく、シェフたちがあくまで主役でカカオの魅力を伝えるプロジェクト。こういった取り組みを通じて見て触れて、感じて、味わってカカオの可能性を多くの人に知ってもらえたら、そんな素晴らしいプロジェクトだと感じた。

Writing/坂井勇太朗(編集長)