
大阪・高槻市の住宅街、整骨院のすぐ隣にある隠れ家的な入口。あやうく通り過ぎてしまいそうな小さなその場所に、2026年4月、すでに地元の食通たちが密かに足繁く通うベイクショップがオープンしました。
お店の名前は「淡香(あわか)」。
焼き上がった瞬間、口に含んだ瞬間、沸き立つ香り、そして鼻へと抜ける余韻――お菓子の中に漂う“ふわっと香る瞬間”を楽しんでほしいという想いから名付けられた、職人の美学が詰まった小さなお店を紹介します。

「淡香」を一人で切り盛りするのは、高槻市出身のオーナーシェフ・船寄ほのかさん(29歳)。

製菓専門学校を卒業後、地元の有名店「パティシエ コウタロウ」で生菓子2年・焼き菓子1年を経験。そこで焼き菓子の底知れぬ魅力にハマり、「もっと焼き菓子を極めて独立したい!」と一念発起して石川県の人気ベイクショップへ。焼き菓子作りに専念し、技術を磨き上げました。

その後、カフェの店長として店舗運営や数字管理を学びつつ、イベントやマルシェ出店で自身のブランドを展開。地元・高槻で理想の物件と巡り合い、念願だった自分だけのベイクショップを作り上げました。


営業日は「特定の人だけでなく、いろんな生活スタイルの人に来てほしい」と、あえて曜日を固定せず毎月バラバラに月12日ほど。営業日以外はひたすら仕込みに没頭する毎日ですが、「作ることが大好きで仕方ない!」と語る船寄さんの笑顔からは、職人としての純粋な熱量が溢れ出していました。
ショーケースには毎日7〜8種類の表情豊かな焼き菓子が並びます。

朝焼きたてのフィナンシェはもちろん、夏にぴったりの「パインココタルト」は、ザクザクと力強いタルト生地にココナッツアーモンドクリームを敷き込み、セミドライパインのギュッと凝縮された甘酸っぱさが弾ける夏らしい逸品です。

さらに注目の変わり種が「ざらめウーロンキャラメル」。しっとりとしたキャラメル生地に、烏龍茶の芳醇な香りを閉じ込め、トップには大粒のざらめをトッピング。ガリッとした大胆な食感のあとに、烏龍茶の香ばしい余韻が鼻を抜け、まさに「淡香」の店名を体現するような忘れられない香りの余韻を残します。

ショーケースの主役であり、船寄シェフの自信作がこの「キャロットケーキ」です。

実は、船寄シェフ自身が筋金入りの“にんじん嫌い”。だからこそ、「にんじん特有の青くささが苦手な人でも、心から美味しく食べられるバランス」を徹底的に探求したそうです。
にんじんは「すりおろし」と「千切り」の2種類をブレンド。生地のふんわり感の中に、シャキッとした心地よい食感のアクセントが生まれます。スパイスは2種類に厳選。強すぎるスパイスで誤魔化すのではなく、にんじんの嫌な臭みだけを消し、本来のやさしい甘みを引き出す絶妙な配合です。

巷のギュッと詰まった重めのキャロットケーキとは異なり、生地は驚くほどふわっと柔らか。滑らかなクリームチーズの甘みとコクが重なり、重たさを一切感じさせません。
この計算しつくされた味わいに、「にんじん嫌いなうちの子がパクパク食べた!」とママさん世代からも絶大な支持を集めているそうです。

店内には数席のイートインスペースもあり、不定期で「イートイン営業」も開催。その日には限定のバスクチーズケーキや生ケーキが登場することもあるため、事前のInstagramチェックは必須です。
「冬には初めてのクリスマスケーキも作りたいし、もっと焼き菓子の種類も増やしたい!」と目を輝かせる船寄シェフ。小さな城から広がる“淡い香り”のストーリーを味わいに、ぜひ足を運んでみてください。
About Shop
淡香
大阪府高槻市西真上1-26-1
営業時間:11:00〜商品がなくなり次第閉店
定休日:不定期(Instagramにて発信)
Instagram:@awaka_bake

あかざしょうこ
ウフ。編集スタッフ
関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。
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