
6月に入り、梅雨のジメジメや夏の気配を感じる季節。お呼ばれや季節のご挨拶に「涼しげで、センスが良くて、とびきり美味しい手土産」を探していませんか?そんな夏のギフト迷子におすすめしたいのが、南森町にある和菓子店「駿 surugaya」です。
百貨店には出店せず唯一無二の世界観を貫く同店は「大切な人に贈りたい」「センスが良いと褒められたい」と、SNSを中心に20代〜30代の働く女性たちの間で今、絶大な支持を集めています。
しかし、この現代の日常に寄り添う和菓子店の背景には、想像を遥かに超える歴史のドラマが隠されていました。


日本一長いことで知られる活気あふれる「天神橋筋商店街」。そこから1本、路地に入った道沿いに、そのお店は静かに佇んでいます。都心の真ん中でありながら、商店街のガヤガヤとした喧騒からふっと解放されるような、落ち着いた心地いい空気感です。

スタイリッシュでモダンな店構えに掲げられた、季節を先取りする暖簾(のれん)。ここが、今おしゃれに敏感な20代〜30代の働く女性たちの間で「大切な人に贈りたい」「センスが良いと褒められたい」と絶大な支持を集めている和菓子店「駿 surugaya」です。


一歩足を踏み入れると、目の前に広がるのは和菓子の概念を軽やかに覆す空間。すっきりとしたカウンターの上には、上品なくすみカラーを中心に彩られた、まるで洋菓子店かコスメブランドのようにお洒落なパッケージがずらりと美しく並んでいます。
「羊羹(ようかん)はお土産に喜ばれるけれど、一本丸ごともらうと切るのが少し手間に感じてしまうかも……」そんな現代のライフスタイルに寄り添い、スマートに配れる形として誕生したのが、同店の看板商品である小形羊羹「neri」です。

例えば、ニューヨーク発の有名コーヒーショップ「ブルックリン ロースティング カンパニー」の珈琲に波照間産の黒糖をマッチングさせた「黒糖珈琲」。京都の老舗「一保堂茶舗」の味わい深い抹茶に、シチリア産ピスタチオの香ばしいコクを掛け合わせた「抹茶ピスタチオ」。
ほかにも「アップルシナモン」「瀬戸田レモン」「焦がしキャラメル」など、これまでの和菓子の常識にとらわれない「伝統」と「POP」、「和」と「洋」が融合した魅惑のペアリングがずらりと並びます。

どれにしようか、贈る相手の顔を浮かべながら選ぶ時間そのものが、すでに贅沢な時間。一箱から自由に組み合わせられるので、自分へのご褒美にはもちろん、夏のスタイリッシュな手土産としてこれ以上ない選択肢になってくれます。
「駿 surugaya」の魅力はお洒落なパッケージのみならず。一級品の厳選された素材を使い、職人が気の遠くなるような手間暇をかけている「本物」であるにもかかわらず、日常のご褒美として手に取りやすい良心的な価格にあります。
特に、これからのジメジメとした暑い季節に一気に人気が跳ね上がるのが、涼やかな見た目にも心ときめく夏の和菓子たち。


なかでも、つるんとした極上ののどごしがたまらない「涼菓くず・瑞」は、夏柑(なつかん)や白桃といった、もぎたての夏の果実の風味をギュッと閉じ込めた贅沢な一品。フォークを入れる瞬間のぷるんとした弾力、そして口の中でみずみずしく解けていく瞬間は、夏の暑さを一瞬で忘れさせてくれる心地よさです。

洋菓子派の心をも掴む、大納言小豆を入れたバスクチーズケーキ「醍醐」や、縦に詰められてすっきりスタイリッシュなみたらし団子「蜜玉(みつたま)」、そして上品な木製のわっぱを開けた瞬間に香ばしい香りが広がるわらび餅「涼々(すず)」など。どれも「少し見せ方を変えた、個性的でとびきり可愛い和菓子」として、見事に現代の私たちの「食べたい」にチューニングされています。

これだけ上質な和洋の素材を掛け合わせ、贅沢な仕上がりにしているのにもかかわらず、日常のちょっとした手土産や普段使いにそっと寄り添ってくれる。その「本物なのに、気取らず手が届くお値打ち感」にこそ、作り手の深い誠実さと、たくさんの人に和菓子を届けたいという優しい眼差しを感じずにはいられません。
現代の私たちの日常に寄り添う「駿 surugaya」ですが、その美しさのベースにあるのは、脈々と受け継がれてきた「小豆炊き」の職人技と深い歴史です。

実は、時計の針をぐっと巻き戻した室町時代(1589年)、日本で初めて寒天を入れた「煉羊羹(ねりようかん)」を開発し、それまでの日持ちしない蒸し羊羹から現在のような日持ちのする羊羹へと劇的な革命を起こしたのが、まさにこの駿河屋なのだそう。
当時は羊羹に寒天が入っていなかったなんて、現代の私たちには想像もつきませんよね。

駿河屋で開発された煉羊羹は、なんと当時からこの鮮やかな朱色。あの豊臣秀吉が諸大名との交流のために千利休と開催していたお茶会で、「ハイカラでセンスの良い手土産」として重宝され、引き出物として配られていたという史実が残っています。派手好きで知られる秀吉御用達の、当時最先端のクリエイティブな和菓子だったのです。
こうしてお店の方からじっくりとお話を伺っていると、教科書の向こう側の存在だった「秀吉」という人物が、急にリアルに、血の通った一人の人間として実在していたんだな、と感じられて、なんだか胸が熱くなります。

以来、子孫のそのまた子孫へと、脈々と受け継がれてきた製法、味、そして技術。
12代目で分家となった「大阪駿河屋」から、さらに腕を認められたお弟子さんへ暖簾分けされたのが、あの歌人・与謝野晶子の生家である「堺駿河屋」です。
ただ「お洒落で美味しい」だけじゃない。私たちが何気なく手にする一箱の背景には、日本の歴史そのものが息づいているのです。
けれど、これほどまでに圧倒的な、560年以上もの歴史があったとしても、世界情勢の大きな波の前に、その歩みがいつ止まってしまうかはわからない。そんな残酷な現実を突きつけられたのが、世界中を巻き込んだあの「コロナ禍」でした。
未曾有の危機の中で、この先一体どうなってしまうのか、誰にも予測がつかない日々。そのなかで「何があっても職人たちの生活を守り続けなければならない」、そして「この駿河屋の名前と技術を、後世に残していかなければならない」という強い使命感があったそう。

「500年以上続いてきたからといって、この先も続く保証なんてどこにもない」
だからこそ、どんな過酷な時代も柔軟に乗り越えていける強さを身に付けたい。その強い覚悟と切実な想いが形になったものこそが、この「駿 surugaya」というブランドだったのです。
「駿河屋を次の100年へ」

そのテーマを掲げ、これまで和菓子に馴染みの薄かった20代〜30代の客層にも届くよう、店構えをスタイリッシュに、大切な人に贈りたくなるような上品なパッケージへと生まれ変わらせました。
歴史が長ければ長いほど、これまでの慣習や伝統を打ち破ることは、決して簡単ではありません。社内外から様々な意見を集め、葛藤を抱えながらも、少しずつチャレンジを積み重ねて今年で5年。洋菓子好きにも手に取ってもらえるような新感覚の和菓子を展開しながらも、その根底にあるのは、駿河屋に受け継がれてきた「小豆炊き」や「和菓子の製法・技術」という揺るぎない軸です。

伝統にあぐらをかくのではなく、守るべき芯があるからこそ変わり続ける。次の100年の壁を本気で乗り越えようとするその熱い企業姿勢に、深く胸を打たれました。
単に「流行り」を真似ただけの映えスイーツとは一線を画す、「駿 surugaya」のお菓子たち。ひとくち食べれば、長年培われてきた本物の技術の重みが、洗練された美味しさとなって口いっぱいに広がります。

伝統とは、過去の形をそのまま残すことではなく、今の時代を生きる私たちが美味しいと感動し、大切な人に贈りたくなる形へと、変わり続けていくことなのかもしれません。
この初夏、あなたの大切な人へ、そして頑張る自分へのご褒美に、約560年の歴史とこれからの未来を紡ぐ、最高にセンスの良い一箱を贈ってみませんか?
About Shop
駿 surugaya
大阪府大阪市北区紅梅町2-17 第8田渕ビル 1F
営業時間:10:00~18:00(土日祝は17時まで)
定休日:不定休
Instagram:@syun_1589

あかざしょうこ
ウフ。編集スタッフ
関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。
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