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横浜『馬車道十番館』で半世紀前にタイムスリップ。レトロカフェの「サバラン」と「ビスカウト」を味わう

横浜『馬車道十番館』で半世紀前にタイムスリップ。レトロカフェの「サバラン」と「ビスカウト」を味わう

横浜『馬車道十番館』で半世紀前にタイムスリップ。レトロカフェの「サバラン」と「ビスカウト」を味わう

明治・大正のモダンな雰囲気を街中に残す横浜。特に馬車道通りは、様々な外国人文化を日本にもたらしました。

横浜の人にとって、馬車道になくてはならないのが『馬車道十番館』。明治100周年を記念し、その後1967年に建設された歴史ある建物です。カフェ、レストラン、バー、宴会場を併設する『馬車道十番館』は、外観も内装も、当時の様子を色濃く残しています。

今回は、行けば絶対に写真に残したくなる、『馬車道十番館』の見どころと創業当時から変わらず愛されるお菓子を紹介します。

重厚感溢れる西洋建築。明治・大正の雰囲気をそのまま残した『馬車道十番館』

横浜『馬車道十番館』で半世紀前にタイムスリップ。レトロカフェの「サバラン」と「ビスカウト」を味わう

文明開化の街として知られる横浜。街のいたる所で、明治に作られた歴史的建造物を見ることができます。特に馬車道は、ガス灯、アイスクリーム、近代街路樹、乗合馬車など、様々なモノを日本で最初に取り入れた場所。外国文化が行き交った、歴史的にも重要な通りなんです。

そんな馬車道通りにある『馬車道十番館』は、関内駅から徒歩5分。外観は重厚感がある大きな建物。1階から4階まで西洋風の内装で統一され、喫茶室やレストラン、バー、宴会場などがあります。さらにはゆっくりとくつろげる個室もあり、プロポーズの場所として使用する人も多いんだとか。

横浜『馬車道十番館』で半世紀前にタイムスリップ。レトロカフェの「サバラン」と「ビスカウト」を味わう
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創設者の本田氏は当時とても先駆的な人で、馬車道の景色に馴染んだ施設作りを考えこの『馬車道十番館』を作ったんだとか。1階がカフェスペースで、吹き抜けになった天井は広々として開放感があります。

西洋風のインテリアで統一された店内。ほぼすべて創業当時から使っているそうで、壊れたら直すを繰り返しているんだとか。そのためか、現代にはない趣とクラシックな雰囲気が漂っています。

店には建設当時に作られたオリジナルのモノも多数。ステンドグラスやデザインガラス、照明、商品パッケージなど。馬車道に由来するデザインが施されています。

苦手な人でも楽しめる優しいラム酒の香り。創業当時から変わらない味「サバラン」

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フランスの伝統菓子として知られる「サバラン」。18世紀に誕生した、シロップに浸したブリオッシュ生地と生クリームからなるお菓子です。

ブリオッシュ生地とは、バターと卵をふんだんに使用したフランスの菓子パンのこと。伝統的な「サバラン」では、ドーナツ型に焼いたブリオッシュ生地を使用しますが、『馬車道十番館』では楕円形。フランス産のラム酒の風味を効かせたシロップに、たっぷりと漬込んでいます。

横浜『馬車道十番館』で半世紀前にタイムスリップ。レトロカフェの「サバラン」と「ビスカウト」を味わう

間には店の看板商品、ショートケーキと同様の生クリームをたっぷりと搾り、素朴ながら上品な仕上がり。食べると、ブリオッシュ生地からシロップがじゅわりと溢れ出します。アルコールを完全に飛ばしたシロップは甘すぎず、優しいラム酒の香りが余韻に残ります。

軽い口当たりの生クリームとの相性もピッタリです。アルコールの入ったお菓子が苦手な人でも、その風味を楽しめるのでおススメ。

横浜土産に選ばれる。「ビスカウト」は懐かしの味

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1550年代、ポルトガルから伝来したとされるお菓子「ビスカウト」。ビスケットにクリームがサンドされた、横浜名物として知られるお菓子です。

その伝統を守りつつ、創業当初から変わらないレシピで作られています。卵と小麦をたっぷり使用し、あっさりと仕上げた厚めのビスケット生地にクリームをサンド。1つ184円とお手頃で、定番は「ピーナッツ」、「レモン」、「チョコレート」の3種があります。

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「ビスカウト プレト」はピュアココアを練り込んだビスケットに、ホワイトチョコレートのクリームが挟んであります。

フレーバーの風味がしっかりと感じられ、ホロホロとした食感はどこか懐かしさを感じる味わいです。

横浜『馬車道十番館』で半世紀前にタイムスリップ。レトロカフェの「サバラン」と「ビスカウト」を味わう

横浜・馬車道のシンボルをイラストでデザインしたレトロなクッキー缶は、手土産としても人気。中にはハーフサイズの「ビスカウト」が8個入っています。定番の「ピーナッツ」、「レモン」、「チョコレート」が楽しめて1,404円とこちらもかなりお手頃。

1階〜4階まで貴重なものばかり。カフェだけじゃない『馬車道十番館』の魅力

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1階から4階まである『馬車道十番館』。赤い絨毯が敷き詰められた階段はレトロな雰囲気で、写真スポットにもなっているんだとか。来店された中には、和服をモダンに着こなした女性たちの姿も多く見受けられました。

2階には西洋風のバーがあり、1階を見下ろしながらお酒を楽しめます。常連の方も多く、横浜のちょっとした隠れ家になっているそう。

3階はレストラン、4・5階は宴会場になっていて、広々とした部屋には横浜の風景を描いた浮世絵や、木目の美しさが際立つアップライトピアノ、オリジナルデザインの照明など。創業当時から大切に引き継がれ、今も現役です。

横浜『馬車道十番館』で半世紀前にタイムスリップ。レトロカフェの「サバラン」と「ビスカウト」を味わう

階段の踊り場には、様々なグラスやカメラが飾られ、当時の面影を感じることができます。食事だけではない見どころが詰まった『馬車道十番館』。当時の雰囲気を肌で感じられる数少ない場所です。

About Shop
馬車道十番館
 神奈川県横浜市中区常盤町5丁目67
営業時間:10:00~22:00
定休日:無し

園果わたげさん

園果わたげ

ウフ。編集スタッフ

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ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。