
京都・四条の喧騒から一本入った裏路地。飲食店がひっそりと軒を連ねるその場所に、ひときわシックな赤が映える大人の隠れ家があります。
2024年に誕生した「Okaffe bar & dolce(オカフェ バール アンド ドルチェ)」。ここは、バリスタ界のエンターテイナーとして知られる岡田章宏氏が、自身の原点であるイタリアンバールの文化と、京都の粋なホスピタリティを融合させた特別な空間です。
本格的なエスプレッソはもちろん、パティシエが作り上げる繊細なドルチェや、夜を彩る洗練されたカクテル。今回は、食後の余韻に浸りながら訪れたい、至福の2軒目スポットを詳しくご紹介します。

四条烏丸の喧騒を離れ、隠れ家的な飲食店が立ち並ぶ細い路地を歩くと、パッと目に飛び込んでくるシックな赤の空間。ここが、京都を代表する珈琲専門店「Okaffe kyoto」の姉妹店として誕生した「Okaffe bar & dolce」です。

もともとはシュークリーム専門店として親しまれていた場所ですが、2024年、オーナーバリスタの岡田氏が若き日に憧れた「本場イタリアのバール」を再現すべく、新たな姿へと生まれ変わりました。

店内は、落ち着いたバーカウンターが主役。数席のハイチェアはありますが、基本はふらっと立ち寄れるスタンディングスタイル。仕事帰りや食事の後の「もう1杯」を求めて、自然と人が集まり、会話が生まれる。まさに岡田氏が掲げるコンセプト「街の動線と共存する」を体現した、京都の新しいコミュニティプレイスとなりつつあります。

このバールのカウンターに立つのは、ジャパンバリスタチャンピオンシップ優勝をはじめ、数々の実績を持つ岡田章宏氏。小川珈琲でのチーフバリスタ時代を経て独立した彼は、その卓越した技術はもちろん、軽快なトークと圧倒的なおもてなしの所作で“バリスタ界のエンターテイナー”として注目を集める人物です。
岡田氏がこの新業態で目指したのは、彼が若き日にイタリアで目撃した、バリスタと客が言葉を交わし、そこから街のコミュニティが生まれる「バール」という文化。その想いに、確かな技術で応えるのが、シェフパティシエの服部文香さんです。

実はこのお店、前身がシュークリーム専門店だったことから、立派な製菓設備が整っています。その強みを活かし、現在はここが「Okaffe」グループ全3店舗のスイーツを一手に担う製造拠点となっているのです。
姉妹店である純喫茶「Okaffe kyoto」で愛される濃厚なガトーショコラも、ロースタリー「Okaffe★ROASTING PARK」で人気のバターサンドやカヌレも、すべてはここから生まれています。そしてこのバールでは、服部さんが徹底的に研究した「お酒にもコーヒーにも寄り添うイタリアンスタイルのドルチェ」という、ここだけの特別な一皿に出会うことができるのです。
バールとしての夜の顔を持つこの店で、服部さんが最も頭を悩ませ、そして情熱を注いだのが「コーヒーにもお酒にも合うバランス」です。お酒に合わせるなら塩味やスパイスが欲しいけれど、コーヒーに合わせるなら甘みが欲しい……。
「甘さは砂糖だけで表現するものではない」と語る服部さん。きび糖など数種類の砂糖を使い分け、牛乳やフルーツが持つ天然の甘みを丁寧に生かすことで、甘さを抑えつつも満足感のある、極上のトータルバランスを作り上げています。

「プリン・ハードボイルド」はその名の通り、むっちりと力強い食感が特徴の固めプリン。トッピングにはカラメル味の生クリーム、そして苦みを効かせたカラメルが全体を引き締めます。

お酒との相性を高めるために忍ばせた「グランマルニエ(オレンジリキュール)」。一口ごとに華やかな香りが広がる、まさに大人のためのプリンです。

「ティラミス・ダンディズム」は、Okaffeの代名詞とも言える深煎りブレンド「ダンディブレンド」を贅沢に使用した一品。スモーキーな香りとコクのある苦みが、とろとろのクリームと見事に調和しています。

そのテクスチャーの柔らかさから、ファンからは「飲めるティラミス」と称されることも。隠し味のマルサラ酒は、主張しすぎず、それでいてお酒の余韻を心地よく繋いでくれます。

定番のイタリアンドルチェに加え、季節ごとに服部さんが自由な発想で生み出す限定メニューも楽しみのひとつ。今回撮影させていただいたのは、イギリスの伝統菓子をアレンジした「いちごのイートンメス」です。

サクサクの軽いメレンゲに、軽やかなクリームとフレッシュな苺。メレンゲは甘くなりがちですが、ここではジンの香り付けに使われるスパイス「ジュニパーベリー」を混ぜ込むことで、驚くほどさっぱりとした後味に。 去年大好評だったメニューをさらにブラッシュアップしたというこの一皿は、甘いものが苦手な方でも、キリッと冷えたカクテルと共にスルスルと食べられてしまう魔法のようなスイーツです。
スイーツの余韻をさらに深めてくれるのが、岡田氏が自らカウンターで腕を振るうオリジナルカクテルです。なかでも注目は、バリスタとしての技術とカクテルの知識が融合した「エスプレッソマティーニ」。

ダブルのエスプレッソにウォッカを合わせ、オレンジの香りをふわりと纏わせた一杯。仕上げにエスプレッソ粉をトッピングすることで、コーヒーの持つ力強い苦味とフレッシュな香りがダイレクトに突き抜けます。「コーヒーを自由に楽しんでほしい」と語る岡田氏の言葉通り、そこには既存の枠に囚われない、新しさと驚きが詰まっていました。


「バールだからとお酒を飲まなければいけない、なんてことはありません。お昼から開いているので、コーヒー1杯だけを飲みに来てくださるのも大歓迎です」
そんな開かれたマインドも、このお店が多くの人に愛される理由のひとつ。お酒を愛する人も、コーヒーを愛する人も、同じカウンターで等しく至福の時間を共有できる。それこそが、岡田氏が目指した「街の動線が交差する」バールの真髄なのです。
四条の隠れ家的な飲食店が立ち並ぶエリアで、夜が深まるほどに賑わいを見せる「Okaffe bar & dolce」。

美味しい食事を楽しんだ後、「もう少しだけ語らいたい」「最後に甘いものと美味しいコーヒーで締めたい」。そんな大人のわがままを、最高級のホスピタリティと技術で叶えてくれる場所です。
バリスタ界のエンターテイナーが作り出す活気ある空気感と、パティシエが静かに、丁寧に紡ぎ出す繊細な味のハーモニー。次の京都の夜は、路地の奥に光る赤いカウンターを目指して、特別な1杯と1皿に出会いに行ってみませんか?
About Shop
Okaffe bar & dolce
京都府京都市下京区上柳町315-11
営業時間:12:00~22:00
定休日:不定休(Instagramで事前告知)
Instagram:@okaffe.bar.dolce

あかざしょうこ
ウフ。編集スタッフ
関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。
注目記事