
東京から足を延ばし、群馬県高崎市にある「L’atelier it。(ラトリエイット)」へ。シンプルながら洗練された美しいデザインのケーキは唯一無二。そんなデザインに魅了され、口コミを頼りに県外から足を運ぶお客様もいるんだとか。今回はオーナーシェフの伊藤さんに、「 L’atelier it。(ラトリエイット)」のケーキのこだわりを伺ってきました。

群馬県高崎市のJR高崎駅から徒歩5分。にぎやかな駅前から少し離れた路地裏を進むと、大きな窓が目を引く真っ白な建物が現れます。

キラリと光るゴールドの看板には「L’atelier it。(ラトリエイット)」の文字。ここは、2023年4月に夫婦でオープンした、美しく余韻のあるケーキや焼き菓子が人気のパティスリー「L’atelier it。(ラトリエイット)」。


ニューヨークの倉庫をイメージしたという店内には、伊藤シェフこだわりのフランスアンティークの什器が並びます。夫婦でアンティークが好きとのことで、フランス人の知人に依頼して現地で買い付けしてもらっているそうです。



「アンティークの什器は重厚感があったり歴史が感じられたりする点が好きで、店内にある什器はフランスから買い付けた本物のアンティークです。店内の空間は、ごちゃごちゃ物を置かず、シンプルにするようにこだわっています。シンプルにすることでお菓子も映えるしアンティークの良さも際立つと思います。」と伊藤シェフは語ります。

窓際のベンチは、フランスの教会で使われていた椅子なんだとか! サイズや質感が「L’atelier it。(ラトリエイット)」の空間にぴったりです。良いものに出会えたら什器を追加することもあるそうで、お店の空間が変化していくのも楽しみです。

伊藤シェフはもともと「it。(イット)」というブランド名で、お菓子を販売する活動をされていました。「it。(イット)」の由来は「糸」。伊藤シェフが作り出すお菓子が人から人へと渡り、糸のようにずっと繋がっていってほしいという思いが込められています。お店をオープンするにあたり、フランス語でアトリエを意味する「ラトリエ」を付けて、「L’atelier it。(ラトリエイット)」と名付けたとのこと。
「L’atelier it。(ラトリエイット)」の公式Instagramには、美しいケーキやお店の雰囲気が伝わる写真が並びます。Instagramの投稿に使用している写真について伊藤シェフに尋ねると..

「写真は妻が撮影しているんです。お店を始める時にカメラを買って、独学で色々試しながら撮っています。Instagramを見て、県外からもお客様が来てくださることもあるんですよ。」
新潟などから、なんと数時間もかけていらっしゃるお客様もいるそうです!情報も人から人へ糸のように繋がり、「L’atelier it。(ラトリエイット)」のお菓子が広まっているのを感じました。

そんな「L’atelier it。(ラトリエイット)」の、アートのような美しいケーキをご紹介します。

チョコレートが好きという伊藤シェフのスペシャリテ「シェリー」。このケーキのためだけに仕入れたチョコレート使っているというこだわり。濃厚なチョコレートと酸味のあるベリーのバランスが良く、後からアールグレイがふわっと香る上品な一品。独創的なデザインもすてきです。

お花のデザインがかわいい「ユノス」は、ひとくち食べると、ゆずの香りが口いっぱいに広がります。濃厚な甘さのチーズケーキと爽やかなゆずのバランスが良く、さっぱりといただけます。

シンプルで美しいデザインの「セレネ」は、芳醇なバニラの後にビターなキャラメルが香ばしく香ります。ベリーの酸味とフィアンティーヌのサクサク食感もアクセント。

和のハーブの代表とも言われるクロモジを使った「リンデラ」。グリオットの酸味にお酒が香る大人の味。ビターなチョコレートとスパイシーなクロモジの相性が良く、絶品です。

抹茶のグリーンが美しい「コクア」。スーパーフルーツのサジーの酸味と黒ゴマの香ばしさが絶妙なバランス。抹茶の苦みと香りが後から香り、くせになる味。

奥行きや余韻のある味わいで美しいデザインが特徴的な「L’atelier it。(ラトリエイット)」のケーキ。伊藤シェフにケーキのこだわりを伺うと..

伊藤シェフ「味わいが単調にならないようにしています。食感や香りと味の感じ方に立体感を持たせたり、酸味などを加えて複雑さを出したりしています。ひとつの素材を使う場合でも、その素材でいくつかのパーツを作り、単調にならないようにしつつも、味に一体感を持たせています。最後まで食べても飽きないようにように、食感も工夫することが多いです。」

ケーキを作る素材にもこだわっていて、色々なメーカーから素材を取り寄せて試作をしているそう。「ショートケーキは、思いつく限りの生クリームのメーカーから、生クリームを取り寄せて試しました。比較して自分が思っているような味わいになるものを使うようにしています。」と伊藤シェフ。
ショーケースの中でも目を引くデザインのショートケーキ。こちらのデザインは、伊藤シェフ自身も気に入っているそうで、どうしてこの形になったのか伺うと..

伊藤シェフ「ショートケーキってカットされているじゃないですか。ひとつをカットして分けるのではなく、“あなたのためにひとつ作り上げた”というようなケーキを作りたくて、小さいホールケーキのようなイメージで作りました。」
小さくカットして飾られたいちごにも意味があり、どこを食べても最後まで同じ味わいになるように設計されているんだとか。側面のクリームも手作業でひとつひとつ絞られていて、ひとりのお客様のために丁寧に作られているのがすてきです。

ケーキのデザインは、シンプルであることと、洗練されていることをテーマに考えられているそうで、シンプルがゆえにパーツがずれていると洗練さが失われてしまうので、ミリ単位で繊細に調整されているとのことで驚きです!

「L’atelier it。(ラトリエイット)」では、2026年の夏から「ヴィエノワズリー」というカテゴリーで菓子パンの販売をスタート。また、「ラトリエイット ベイクショップ」として、第1・第3木曜に、焼き菓子専門店として焼き菓子を販売されるなど、新しい試みも行われています。日常的にカジュアルに楽しめる、焼き菓子やパンを増やしていきたいと伊藤シェフは語ります。


伊藤シェフのおすすめの焼き菓子とパンは「ガレットブルトンヌ」と「クロワッサン」。「ガレットブルトンヌ」は、発酵バター使って香ばしく焼き上げた生地に、塩の塩味がアクセント。生地の水分量にこだわり、少し水分を持たせた、ザクっモロっとした感が特徴的で後引くおいしさ。チョコレートを使った「ガレットブルトンヌ カカオ」も人気で、こちらの生地には塩が練りこまれていて、チョコレートの甘さを引き立てます。品のあるディロンラムがふわっと香る大人な味。

「クロワッサン」は、フランスの特定の地域で伝統的な製法で作られる高品質なバター、モンテギュ社のAOP発酵バターをたっぷり織り込んだリッチな生地が特徴的。店舗で毎日種継ぎをしている天然酵母で熟成させて、リッチでありながら重くなりすぎないように設計されているそう。毎日でも食べたくなる味は、リピートされるお客様も多いのではと感じました。

東京から高崎までは新幹線で約50分。日々の騒がしさから離れてちょっと足を延ばして、フランスアンティークに囲まれた「L’atelier it。(ラトリエイット)」へ行ってみませんか。心が洗われるような、美しいケーキやこだわりの焼き菓子に出会えます。
About Shop
L’atelier it。
住所:群馬県高崎市栄町15−15 NOAマンション 1−C
営業時間:11:00- 18:00
定休日:水曜日・木曜日
Instagram:@latelier_it

ゆりえ
ウフ。編集スタッフ
菓子メーカーやスイーツ専門ECを経てウフ。編集部へ。スイーツのお取り寄せやカフェ巡りやカメラが趣味で、フードスタイリングも勉強中。パフェとチョコレートと焼き菓子が好き。
注目記事