2008年に1号店を出店し、伝統的なフランス菓子を中心にきらびやかなケーキや焼き菓子で、オープン当初から数多くのファンを魅了し続けてきた「オクシタニアル」。運営していたのは、あのバウムクーヘンで有名な「クラブハリエ」。2025年に惜しくも閉店するも、その店名とブランドを引き継ぐ形で同じ日本橋浜町で再オープンする運びとなりました。
お店を引き継ぐのは、シェフを務めていた中山和大シェフ。2012年に滋賀県「クラブハリエ」に入社し、2014年東京都中央区にオープンした「オクシタニアル」のシェフパティシエに就任し、国内外のコンテスト受賞歴も多く、お菓子の世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」に日本代表として二度出場。
そんな装いも新たになったオクシタニアルへ取材で伺いました。
6月にグランドオープンし、早くも話題をさらう「オクシタニアル」。このオクシタニアルというお店の名前は、南フランスのオクシタニという地域に由来しています。もともとこのオクシタニアルを経営していたでクラブハリエが監修者として雇ったシェフがMOF(フランス国家最高職人)の称号をもつステファン・トレアン氏。彼の故郷がまさにこのオクシタニということもあり、そのリスクペクトも込めて「Occitanial(オクシタニアル)」と店名がつけられました。
中山シェフが引き継いだ「オクシタニアル」は、同じ日本橋浜町にオープンし、店名もそのまま。経営者となった中山シェフは、ご自身の名前を店名につけることもできたにも関わらず、リスペクトの想いを引き継がれました。
オクシタニアルのキーカラーである黄色のカラーリングも施され、店内はイートインが数席あり、ケーキを食べることができます。そして中山シェフの輝かしい賞の数々が展示されています。日本橋浜町と前の店舗から比較的近い事もあり、地元のお客様の喜びの声も多く、オープンからたくさんのお客であふれていました。
ショーケースには、同店で人気だったハリネズミのケーキ「エリソン」をはじめ、人気のケーキが復活! 中山シェフのケーキは、どれもフルーティーで口どけの良さと香りの立ち方、またその余韻がとても華やかな印象があります。今回中山シェフにおすすめのケーキを選んでいただけました。
定番であるオクシタニアルのショートケーキは、なんと4回目のレシピ調節を行ったという。軽く仕立てたスポンジ故に卵の香りが鼻から抜けて、軽やかで口どけのいいショートケーキに仕上がっています。
また隣のモンブランは、中山栗の和栗のモンブラン。こちらも人気商品で、優しい和栗と、中のシャンティが混じりあい、クリーミーでありながらも和栗の繊細の香りを引き立てる設計に。そのほかタヒチバニラのケーキやグアバと白ワインのケーキなど、さっぱりといただけるケーキも絶品です。
一番のオススメは写真左のプリンと、中山シェフは言います。
様々なプリンがある中で、このプリンは‟蒸し”プリン。じっくり蒸して作ったプリンで、製法や素材にこだわったプリンで一口食べると、卵の持つ甘みがぶわっと広がり、とろけるような食感にも舌鼓。ギフトセットにもぴったりな箱もあります。
新店舗では材料と鮮度にこだわっているそうで、一部の商品ではその場で挽いたアーモンドやナッツ類を使用して製造しています。その中でも香り高く感動したのがフィナンシェとリーフパイ。
シェフの出身地である、長野から取り寄せた信州産ヘーゼルナッツをふんだんに使用し、リーフパイはこの日本橋浜町を代表する手土産になりそうなほど。ザックザクで粗目なヘーゼルナッツが香ばしく、旨味もたっぷりです。
中山シェフが愛用する、日本におけるビーントゥバーチョコレートの先駆者ブランドである「Minimal: A Bean to Bar Chocolate Specialty Shop」のチョコレートを使ったカカオの水羊羹も。
瑞々しい羊羹が、チョコレートの香りをより引き立たせ、ビーントゥバーの持つカカオの産地の力強い香りをしっかり感じられる羊羹に。今まで味わったことのないフルーティーさとナッティさをあわせ持ち、老若男女問わず楽しめる美味しさに。こちらも手土産にぴったりですね。
新たなスタートを切った「オクシタニアル」中山シェフ。今後のお店の成長や展開がとっても楽しみです。
About Shop
Occitanial
東京都中央区日本橋浜町3丁目3−1
営業時間:11:00~18:00
定休日:水、木曜日
※時期は季節で変わる可能性があります。詳しくは公式インスタグラムをご確認ください。
Photo&Writing/坂井勇太朗
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