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大注目の今秋新作スイーツを大公開!巧みな素材使いで魅せるランス菓子『BASCULE(バスキュール)』(横浜・センター南)の全く異なる3つのケーキの味わいとは

巧みな素材使いで魅せるフランス菓子『BASCULE(バスキュール)』(横浜・センター南)の全く異なる3つのケーキの味わいとは

前編・後編でお届けしている横浜・センター南に『BASCULE(バスキュール)』。今回は、食感、味わい、後味全てにこだわり、選びぬかれた素材から生まれた大注目の秋の新作ガトーを紹介します。

大注目の今秋新作スイーツを大公開!巧みな素材使いで魅せるランス菓子『BASCULE(バスキュール)』(横浜・センター南)の全く異なる3つのケーキの味わいとは

バランスゲームのようにこれから起こる全てを楽しみたい。フランス語でシーソーを表すお店の名前

まずは佐藤シェフのキャリアを簡単に振り返ると、旧『シエ・シーマ』(市ヶ谷)から始まり、『パティシエ・シマ』(麹町)、フランス本国、そして『パリ・セヴェイユ』(自由が丘)での19年間。その年数はざっと30年に及びます。

世界中から一流が集まる東京で、目を見張るほどの美しいケーキを作り続けてきた佐藤シェフ。しかし、横浜の地を選んだのは若手パティシエ時代からの夢への挑戦だったといいます。

大注目の今秋新作スイーツを大公開!巧みな素材使いで魅せるランス菓子『BASCULE(バスキュール)』(横浜・センター南)の全く異なる3つのケーキの味わいとは

現在、たった3人で20種類以上のお菓子を製造しているという『BASCULE(バスキュール)』。初めて自分の店を持つことで、今まで気にも留めなかった様々なことが不安要素になったといいます。

しかし、そんな状況下でも、まずは自分たち自身が楽しめるように、と“子供の時に夢中になったシーソー遊びのように、バランスをとりつつ楽しみたい”思いから、フランス語でシーソーを示す“BASCULE”を店名に選んだそう。

パリブレストを思わせる『BASCULE(バスキュール)』の『エクレア』。素材を変え、秋色に染まった味は必食の逸品

店を開き試行錯誤をする中で、自分が本当に好きなスイーツはフランス菓子だと、再確認した佐藤シェフ。オープン当初からある『エクレア』はそんな思いでオープン時からあるプチガトー。今シーズンからはヘーゼルナッツが主役です。

大注目の今秋新作スイーツを大公開!巧みな素材使いで魅せるランス菓子『BASCULE(バスキュール)』(横浜・センター南)の全く異なる3つのケーキの味わいとは

佐藤シェフ「元々フランス菓子の定番、パリブレストをやりたいと考えていました。シュー生地に挟んだのはプラリネのムースリーヌ。それだけでは面白くないからカラメリゼしたヘーゼルナッツを1つずつ仕込んでいます。見た目以上に食感の楽しいガトーです」

ヘーゼルナッツだけでは単調になりすぎると、プラリネに入れた微量の塩が味の深みを演出。

洋栗の味を活かした風味が全て。どこまでも引き算な『モンブラン』

素材選びの中で佐藤シェフが大切にしていることのひとつが季節感。それは、味だけでなく見た目の面にも表れています。約20種類の生菓子が並べられた『BASCULE(バスキュール)』ショーケース。見ると鮮やかな色合いと落ち着いた色彩のトーンで、秋冬らしさを感じるラインナップです。

そんな秋冬の新作が並ぶ中、特に人気なのが『モンブラン』。聞くと、ボトムはメレンゲ。中には生クリームを使った軽めのシャンティを入れ、マロンクリームで覆った、見た目も構成も超シンプルな作りです。

大注目の今秋新作スイーツを大公開!巧みな素材使いで魅せるランス菓子『BASCULE(バスキュール)』(横浜・センター南)の全く異なる3つのケーキの味わいとは

佐藤シェフ「周りのパティスリーがどこも和栗を使っていたので、うちはあえて洋栗を使用しました。洋栗を煮込み、バニラのシロップに漬込んでいます。直接的な甘さは避けたかったのでお砂糖は控えて、マロンペーストの調合でバランスを整えました。後は、舌触りを整えるために水あめとバターが入っているくらい。いたってシンプルです」

しかし私たちの想像を超え、どれを食べても『BASCULE(バスキュール)』のケーキは喜びにあふれています。味がしっかりした洋栗はバニラの風味と調和。メレンゲの食感と共にフランス菓子らしい印象を受けます。

2つのケーキが見事に交わる。柚子とマロンを使った今季の新作『ミルフィーユ』

大注目の今秋新作スイーツを大公開!巧みな素材使いで魅せるランス菓子『BASCULE(バスキュール)』(横浜・センター南)の全く異なる3つのケーキの味わいとは

素材の活かし方を熟知しているからこそ、珍しい素材同士のマリアージュを楽しめるのが『BASCULE(バスキュール)』です。今回、秋の新作として初登場したのが『ミルフィーユ』。

見た目はとってもクラシックな形。しかし、バターの香るフィユタージュの間には、マロンをふんだんに使ったクリームと、柚子のクリーム。上下で全く異なる素材を使ったミルフィーユは、まるで2つの異なるケーキを重ねているよう。しかし、食べるとマロンの甘さと柚子の酸味が絶妙なマリアージュに。サクサクとした生地に絡むように現れるマロングラッセの食感が繊細で、最後まで夢中になる味わいに。

これまで食べたことのない『ミルフィーユ』に驚きながらも、見た目と味わいの一体感を感じる仕上がりに。

佐藤シェフ「お菓子って時代と共にどんどん進化していくじゃないですか。昔、考えたケーキを今見直したら古臭いなって思ったりして。そう思ったらやっぱりその時考えるのが一番いい。

今でも『パリ・セヴェイユ』という名前からくる期待をひしひしと感じます。そういうものに抗うのではなく、今自分ができる最大値を探していけたらいいですね」

“その時の肌感こそ全て”という思いから現在、スペシャリテを決めていない佐藤シェフ。

たった1つの支柱と大きな板で作られるシーソー。その単純な作りだからこそ楽しみ方は無限大です。変化する時代に合わせた発想力と柔軟性でこれからも、多くの人に愛され続けるであろう『BASCULE(バスキュール)』に、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

About Shop
BASCULE(バスキュール)
神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央22−15
営業時間:11:00~19:00
定休日:火、水 ※Instagramで要確認

園果わたげさん

園果わたげ

ウフ。編集スタッフ

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ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。