ufu(ウフ)スイーツがないと始まらない。
“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「パティスリィ アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

第3回目となる世田谷区等々力にある『PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリィ アサコイワヤナギ)』さんの記事。最後となる今回は、スイーツではなく内装について深く取材しました。


まるで灰色で染められたように色むらがある「グレーの世界」で統一された、スタイリッシュな内装と空間。

インスタグラムを見れば、グレー一色ですべてが構成されていて、その世界観に多くのファンが虜に。シェフパティシエール岩柳麻子さんの夫であり、一級建築士の宿澤巧さんにこのお店の内装について伺うことができました。

「大井町線を走る電車の中からも、お店自体がケーキのショーケースの様に見える店づくりを意識しています」

“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

「お店全体がショーケースになることを意識して作りました。お店に入るとわかる通り、作業している様子が見えますよね。厨房もガラス張りにしていて、それもショーケースの一部として考えています。」

“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

「その意図としては、お菓子も主役ですが“作る人も主役”ということを考えています。

全員が白い制服を着ていて、ライトが当たり輝く設計になっています。お店の中からは、スタッフたちがよく見えると思いますがお菓子だけではなく、作り手も大事にしたいと思っていて。」

“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

「電車からも見えるんですよ。お店が線路沿いにあるので、大井町線にのっているとお店の中が、ケーキが、作り手がしっかり見える。そんなお店づくりを目指しました。」

「グレーだけだと、つまらなくなりがちな色を、色々な素材で組みあわせて世界観を作っています」

“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

「グレーという色は、一色だけだとつまらなくなりがちな色です。スタイリッシュに思えるかもしれませんが、結構難しくて。そこで、壁も天井も場所によって質感をかなり変えています。

床や家具、建具はモールテックス、壁はモルタル、天井はセメント板、サッシはスチール、テーブルはテラゾー、厨房はステンレスバイブレーションなど。

また厨房にある冷凍庫は、白い色のものしかなかったものを左官で色を塗りなおしました。細部まで、しっかり世界観を作り上げることを大事にしています。」

“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

「色とりどりのケーキたちが主役なので、この空間だとより光り輝いて見えますよね。それもこのお店の特徴です。」

「ジェラート、チョコレート、和菓子それぞれのプロがいて、専門店のクオリティーを追求しています。」

“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

お店の内装の話を宿澤さんに聞いたところで、お店の特徴について一つ面白いことを教えていただけました。

お店の内装をご案内頂く時に見えたこのテンパリングマシン。チョコレート専門店でしかなかなかない大型の機器は、置いている店は少ないそう。

“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

「当店は、チョコレートもジェラートも、専門のスタッフがいます。チョコレート自体もかなりこだわっていて、オリジナルのクーベルチュール

『アサコイワヤナギブレンド』になっています。全3種類、フランス パリのカカオバリー社に依頼して作っています。」

“お店全体がショーケースに”等々力の人気店「アサコイワヤナギ」の計算された空間とは

「他にも、和菓子の世界から来たスタッフもいます。和素材をお菓子によく使うこともあるので、そのスタッフの経験や技術を生かして、よりよいお菓子を作っていっています。

ジェラートもそうで、専用の機器を置いています。チョコレートもジェラートも、和菓子も、全て専門店のクオリティーを追求しています。」

いかがでしょうか? お店一つを深堀していくと色々な知られざる思い、知られざる意図、知られざる努力が見られるものです。ぜひ等々力に来た際は、お店に行かれてみてはいかがでしょうか。

About Shop
PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI
(パティスリィ アサコイワヤナギ)
東京都世田谷区等々力4丁目4−5(MAP
営業時間:11:00~18:00
定休日:月、火曜日
※パフェは要予約。公式インスタグラムまたはHPをご確認ください。
公式インスタグラムはこちら

Photo/Tadaaki Omori Writing/Cream Taro