スイーツは、一人で楽しむだけでなく、みんなで楽しめるのも大きな魅力。
今回伺ったのは、高さ60cm、重さ3.5kgほどある『キングパフェ』を販売する「王様とストロベリー」。39年続く喫茶店の巨大パフェの魅力と、長年にわたって愛される秘密に迫ります。
お店があるのは、約250店のお店が軒を連ねる武蔵小山商店街「パルム」の一画。赤いひさしと、キングパフェが載った大きな立て看板が目印です。
もとは蔵だったというお店は、奥に長く広がる造りでワクワク感満載。55席もある店内には、優雅でどこかレトロな雰囲気が漂っています。
お店の名物は、なんといっても『キングパフェ』。4人前以上はありそうな巨大パフェは、そのインパクトからTVや雑誌でも多数取り上げられています。写真で事前に見ていても、実際に運ばれてくるとその大きさにやはりびっくり…!
ソースはいちご、チョコ、レモン、キウイ、ラズベリー、キャラメル、ブルーベリーの7種から選べて、さらに生クリームやいちごのトッピングもできるそう。使われている材料は、ソフトクリーム、ソース、コーンフレーク、プリッツと非常にシンプル。
ソフトクリームはさっぱり甘く、塩気のあるプリッツ、コーンフレークとあわせるとより絶品に。ソフトクリームとソースだけで味わったり、コーンフレークをたっぷりすくってサクッとした食感を堪能したり…。ひとつのパフェで、いろんな味と食感を楽しめます。
パフェのパーツのなかでも印象に残る山盛りのソフトクリームは、きれいな形に仕上げるために技術が必要なんだそう。話を伺ったスタッフの岩下修也さんは、「アイスなので、その日の気温によって状態がかなり変わるんです」と話します。
「重心をとるために真ん中を太くする、といった共通するテクニックはありますが、作るスタッフによって見た目に個性が出るのも特徴ですね。ただ、見た瞬間に思わず声が出るような迫力ある形は常に意識しています」
だいたい1日3個前後、土日は5,6個オーダーが入ることもあるというキングパフェ。一体、どんな思いから生まれたのでしょうか?
「キングパフェは、この店を開いた店長が『みんなでひとつのものを分け合って、楽しい時間があふれるように』と創業時に考案したものです。学生がお金を出し合って楽しめる品として考えたそうで、当時から形も価格もほとんど変わっていません。
実際にオーダーするお客さまは、4-5人くらいの若い方が多い印象ですね。Webで席を予約してくださる方の大半はキングパフェを目的にいらっしゃいますし、やはり人気の品だと思います」
お店のスイーツは、パフェ以外もすべて手作り。ショーケースには、美しくカットされた三角のショートケーキやチーズケーキ、TVでも取り上げられたというカップケーキが並んでいます。
「この店のメニューでは、飾らない美味しさを提供するように心がけています。“シンプルイズザベスト”が、この店の創業者が大切にしていることなんです。
ケーキは保存料を使わず、店で一から作ったものです。最近ではケーキにいろいろなトッピングやアレンジを加える店も多いですが、この店では創業時から変わらないレシピで、とてもシンプルな方法で作っています。
ただ、昔ながらの料理やスイーツを大切にしながら、新しいことにも取り組んでいますね。新たにクレープやシフォンケーキを発売したり、クッキーの試作をしたり…。ある意味で少し奇抜に、さまざまなことに挑戦する店でありたいと考えています」
創業者である店主からスタッフへと、お店に対する愛情が受け継がれている老舗喫茶。武蔵小山でお客さんへ楽しい時間を届け続けるお店には、どこか落ち着く雰囲気と、訪れた人の穏やかな笑顔がありました。
About Shop
王様とストロベリー
東京都品川区小山3-24-3
営業時間:
月~木・日祝・祝前日 11:00~22:00 (料理L.O. 21:30 ドリンクL.O. 21:30)、金・土 10:00~23:00 (料理L.O. 22:30 ドリンクL.O. 22:30)
定休日:なし
Instagram:@king_and_strawberry
三月
ウフ。編集スタッフ
カスタードとお固めのパンが特に好きな148cm。ライター出身、ワクワクしながらメディアを作ってます。毎日おいしいものに出会えて幸せです。
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