今年で5回目の開催となる「Tokyo Chocolate Salon」(東京チョコレートサロン)は、日本国内外の様々なチョコレートを発見・体験できるイベントで、カカオやチョコレート好きだけでなく、スイーツ好きも楽しめるイベントとして年々話題に。回を重ねるごとにパワーアップしている同イベントの魅力を今回掘り下げていきます。
イベントの主催は、立花商店。現在約25ケ国からカカオ豆を仕入れており、日本国内におけるフェアトレード認証カカオの推進、買付人が買いに来ないような奥地にあるカカオ産地のサポート、ビーントゥーバー市場を通じたカカオ産地への品質のフィードバック、希少品種保全活動のサポートなどを行っています。現地のカカオに携わる人たちが幸せに働けるような、そんな働きかけと日本への発信を熱心にされており、本イベントに向けた想いも取材させていただきました。
本イベントの始まりは2013年。「Tokyo Chocolate Salon ~Bean to Bar Experience~」として赤レンガ倉庫で開催されたのが始まりで、コロナ禍を経て2024年からは渋谷ヒカリエで「Tokyo Chocolate Salon」として開催されています。
「カカオの深さ・広さを知れるイベントにしよう。」「生産者、作り手、消費者のつながりをつくりたい。」
そう話すのは立花商店で本イベントを運営する生田さんと、鶴田さん。
生田さん「カカオの価格が高騰する中で、カカオを扱いお菓子を作るパティシエ・ショコラティエはもちろんのこと、製造業者もカカオをふんだんに使うことが難しくなってきています。その大きな影響を受けているのは、日本のチョコレートです。チョコレートの定義が広くなり、チョコレートと言われているものの中にカカオの含有量が少なく、チョコレートと呼べないものも増えている現状があります。
カカオの価格の高騰の問題もあり、事情として仕方ない部分はありますが、一方で各カカオの生産地で採れている美味しいものとその価値をしっかり知ってもらいたいです。
美味しいものを作っている、その人たちや国の努力を無駄にしたくない。その意味でカカオの深さを伝えたいと思いこのイベントを毎年運営しています。」
会場にはイベントならではのたくさんのブランドが。日本で注目の若手ショコラティエの特製スイーツやチョコレートブランド・企業が全39ブランドも大集結します。出店者との距離が近く、商品の詳しい説明やウラ話なども聞ける楽しいイベントに。レアなアイテムや、バレンタインに向けた新商品なども無料で試食できるなど、楽しみの多いイベントです。
会場限定でお楽しみのひとつとして、その場で食べられるスイーツを一つご紹介。イタリアでの世界大会にも出場した若き女性ショコラティエ松田みどりさん(amazoonia)。
ワニが獲物にかぶりつく瞬間を、アイスサンドで表現。クロコダイルをモチーフにオリジナルで型を作り、ワニの頭をかたどったチョコレートの器に、チョコレートソースとガナッシュシャンティを忍ばせ、香ばしいサブレでフタを。さらに、北海道ミルクのアイスにチョコレートを混ぜ込み、パリパリとした食感をプラス。
カカオニブ入りのサブレでサンドし、見た目のインパクトとともに、ショコラの味わいを楽しめる一品に仕上げました。ワニの生息地にちなみ、チョコレートはベネズエラ産、マダガスカル産を使用しているそう。
毎年恒例で、人気のコンテンツがセミナー。TV番組等でも人気のアマゾンの料理人・太田哲雄氏のトークショーや日本唯一のチョコレートジャーナリスト・市川歩美さんとカカオ商社・立花商店のカカオトレーダー生田さんとの対談など、楽しいコンテンツも盛りだくさん。一部コンテンツはすでに満席になるなど、大人気に。
また昨年度の話題沸騰だった百貨店バレンタイン催事の仕掛け人であるバイヤーたちのトークショーにも注目。各社の百貨店バレンタインの舞台裏や来年度のバレンタインのトレンドをより深く話します。登壇するのは高見 さゆり氏(阪急うめだ本店)小泉 翔氏(松屋銀座店)松宮 香織氏(高島屋)の3名のバイヤー。
もう一つの見どころは、ベネズエラのチュアオ村から、チュアオ村の良さを伝えるために子どもたちが来日! 人口約500人の村で、住民の半分がカカオ農家、半分は漁師という場所なんだとか。
取材時にチュアオ村のカカオから作られたチョコレートをいただきましたが、フルーティーで癖のない、キレのよい後味でした。
生田さんが現地に行ったときに、彼らの音楽を聴いて凄く感動した体験から、その良さを伝えたいと思い大掛かりな来日を仕掛けたという。
今回子どもたちの演奏を背景に、歌を披露する女性は、村の中でオーディションを行って厳選されたという。飛行機さえ初めてのチュアオ村の皆様を熱くお迎えしましょう!
その他、会場ではカカオの森を再現するなどエンタメ要素も盛りだくさん。特に目玉企画はカカオ豆の物々交換。文明が発展するその昔、カカオ豆を使って人々は物々交換していたという。
その原始的な生活を体験できるよう、入場時にカカオ豆をプレゼントされ、実際に当時の物々交換の文化を楽しんでもらえるような仕掛けも。例えば物販で買うと1粒、セミナー参加で1粒もらえるなど、最終的には景品と交換できるイベントを企画しているんだとか。
そんなエンタメ要素たっぷりの「Tokyo Chocolate Salon(東京チョコレートサロン)」の開催まであと1カ月に迫りました。概要は下記の通り。チケットはオンラインにて販売中です。
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Tokyo Chocolate Salon(東京チョコレートサロン)
開催日時 2025年9月27日(土)・9月28日(日)両日/11:00~19:00
会場 渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホール ホールB(渋谷駅直結)
東京都渋谷区渋谷2-21-1JR線・京王井の頭線「渋谷駅」2階連絡通路直結東京メトロ銀座線「渋谷駅」1階直結東急東横線・田園都市線・東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」B5出口直結
入場料(税込)前売券:1,650円 当日券:1,980円小学生以下無料
チケット販売先 販売サイト
主催 株式会社立花商店
一度足を運べば沼る。そんな素晴らしい会場へ、一度足を運んでみませんか?
Writing/坂井勇太朗(編集長)
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