平野晟也さんが運営する⽇本酒ブランド「TAKANOME」。既成概念に囚われない「うまさ」のみを追求する、そのスタイルは製法だけではなく、考え方や文化の在り方も提唱し、日本酒界のみならず飲食界に旋風を巻き起こしています。
そんな「TAKANOME」と、ufu.の連載でも何度か登場いただいたチョコレートブランド「Seiste(セイスト)」のシェフショコラティエ 瀧島誠士とコラボレーション。4月に行われたフランス展では、そのコラボレーションチョコレートを求める人も多く、オンライン販売ではあっという間に完売。そんな両者がなぜコラボレーションを始めたのか? また「TAKANOME」の美味しさの秘密と今では買えないコラボレーションショコラについても紹介していきます。
「Seiste」ブランドを立ち上げた瀧島誠士シェフは、イタリアで開催された製菓の世界大会「The World Trophy of Pastry Ice Cream And Chocolate FIPGC 2019」にチームキャプテン ショコラ担当として出場し、世界一の座を獲得した実力の持ち主。近年は期間限定でカレーを使ったメニューを1日限りで出したり、都内で人気を博す「Shogun Burger(ショウグンバーガー)」とのコラボレーションするなど、異端とも呼べるその活動は多くのファンを獲得してきました。
今回のコラボレーションは、日本の四季を表現した4種類のボンボンショコラとなっています。味わいは、桜、プレーン、金木犀、ゆずの4種類。季節の花や果物の味わいで、「TAKANOME」とのペアリングが楽しめる設計に。チョコレートの見た目と箱の重厚感含め、高級感あふれる仕様で、洗練されたこだわりを感じます。チョコレートの一粒一粒がもたらす香りの力は、驚くほどの旨味を感じさせてくれるほど。
なぜこのような異業種同士のコラボレーションが実現したのでしょうか? お話を伺いました。
「Seisteとは、製菓の世界大会で1位となったシェフショコラティエ 瀧島誠士が率いる、喜びと感動をチョコレートを通して伝え続けるブランドです。今回のコラボレーションは、日本に生まれてよかったと思えるようなスイーツを作りたいという想いで発足。お互いのこだわりをぶつけ合った自信作が完成しました。」と平野さん。
「TAKANOME」というブランドが、大切にしているのは美味しさだけではなく、空間や料理とのペアリング、人とのつながり、口に運ぶその一瞬までを考え抜いている部分にあります。今回のボンボンショコラも、美味しさだけではなく瀧島シェフとのつながりがテーマ軸にあり、そしてチョコレートと日本酒の美味しさの発展と、新しい価値創造を実現しています。
一貫性のあるアプローチ、徹底したこだわりは「美味しさ」を求める人々のレベルをまるで引き上げてくれるような、素晴らしい体験ができます。そんな「TAKANOME」について、少しでも多くの人に興味を持っていただきたく、紹介していきます。
近年の日本酒界も、昔ながらのものだけではなく純米スパークリングのものが増え続けており、宝酒造の2022年の調査では「フルーティー」なものを好む20代・30代が増え続けており、日本酒も新たなる広がりと時代を迎えています。
そんな中で2019年に「うまさのみを追求する」という信念を掲げて立ち上げたのが「TAKANOME」。毎週水曜日21時より販売するという、D2Cスタイルでの販売方法とその美味しさは、SNSを中心に口コミが広がったことにより5分程で完売することも。
2021年のリニューアルでは、「TAKANOME」として販売する酒質の基準、ラベル、パッケージ、ホームページデザイン、価格を刷新しより洗練。極小タンクで1年中日本酒を醸造し続ける「四季醸造製法」を採用し、完成したフレッシュなものは販売している。また販売するかどうかの基準も高めに設定しているほか、お酒を0から作るため、同品質なものを大量生産できないことから価格も高めに設定されています。
美味しい日本酒の味わい体験を広げようと、飲食店やホテル等と体験イベント等も企画中なんだとか。これからがとても楽しみです。
About Shop
TAKANOME
公式Instagram
クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
Photo&Writing/Cream Taro
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