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ありそうでなかったプリンパフェ!湘南カルチャーを次世代継ぐ老舗カフェ「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」(鎌倉)の何度も行きたくなる仕掛けとは

ありそうでなかったプリンパフェ!湘南カルチャーを次世代へ継ぐ老舗カフェ「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」(鎌倉)の何度も行きたくなる仕掛けとは

みなさんは鎌倉小町通りの少し外れた小道にあるお店「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」を知っていますか?
1994年に開業した老舗カフェ。そして、鎌倉のカフェブームの先駆けともいわれる伝説的なお店です。その認知度は全国レベル。このお店に来ることだけを目的に、はるばる大阪からくるお客さんもいるほどです。

ありそうでなかったプリンパフェ!湘南カルチャーを次世代継ぐ老舗カフェ「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」(鎌倉)の何度も行きたくなる仕掛けとは

そんな「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」の名物は、「プリンパフェ」、マスターが入れる珈琲、そしてマスターの堀内隆志さん自身です。今回は、移り変わりが早いといわれるカフェの激戦区となった鎌倉の地で、今も変わらない人気を誇る「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」について取材。長く愛される秘訣を探ります。

鎌倉のカフェを語るのならまずはここから!
スイーツ好きだけでなく、カフェの開業に興味がある人必読の記事です。

アート・音楽・本、多くの面で堀内さんが影響を受けた永井宏氏。その存在が「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」の根源を作った

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店名の『vivement dimanche』とは、1983年に公開したフランソワ・トリュフォー監督によるフランスのミステリー映画『日曜日が待ち遠しい!』の原題。そして、鎌倉の地に決めたのは、堀内さんが休みの日には決まって通っていたという、編集者で美術作家だった永井宏氏の『サンライトギャラリー』があったからだそうです。

一見、繋がりを感じない二つのこと柄。しかし堀内さんにとっては憧れが結びついてできた偶然の始まりでした。

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堀内さん「元々、飲食とは全く畑違いの仕事をしていた僕が、カフェを始めたいと思ったのは26歳のとき。そして唯一家族以外で賛成してくれたのが永井宏さんでした。当時、フランスの文化に憧れていた僕はフランス映画をたくさん観ていたのですが、中でも『vivement dimanche』にしたのは、宝物である『ガリバー』という雑誌の最後で永井宏さんがこの映画に触れていたから。永井宏さんは僕の知りたいことを全て知っていました。眩しい存在であり、同時に好きなものを仕事にする決断をさせてくれた恩人です」

ブラジル音楽からコーヒーへ。好きなものとユーモアが現在の「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」を作る

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永井宏氏の影響を受け、自分なりの表現ができる場所を探し、見つけたのが現在「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」が建つ鎌倉市小町2丁目。

店内には、堀内さんの感性をビビッとさせたブラジル絵画や本がずらりと並びます。音楽からハマったというブラジルの文化。初めて実際に訪れたときにはそのダイナミックな国が大好きになっていたそうです。

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陽気な印象が強いブラジルですが「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」の空間で絵画を見ると、エキゾチックな魅力が。コーヒー豆では、種類や季節によって焙煎を変え、ブラジル産のものが常に数種類ならびます。コーヒーの味わいといい、その奥深さには国土以上に大きく深いカルチャーを感じずにはいられません。

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そんな「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」ではブラジル産のみならず、さまざまな自家焙煎のコーヒーを楽しむことができます。

堀内さん「自家焙煎を始めたのは2010年のこと。それまで仕入れさせていただいた札幌のロースターさんが病気になってしまい、自分でも焙煎ができるようになろうと思ったのがきっかけです。それから試行錯誤して現在では、中煎り、中深煎り、深煎りの3つの焙煎度合いからコーヒー豆の特徴に合わせて、変えています。以前はよく海外へ買い付けに行っていました。来年あたりにはまた再開できるんじゃないかな」

お店にはコーヒー豆だけを買いに来るお客さんも続々と入店。スタッフの方と談笑をして帰る姿を見ていると“堀内さんのコーヒーは外れなし!”と考えるお客さんからの信頼と評判の高さが伝わってきます。

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さらに、店内でコーヒーを注文すると3つの焙煎度合いに合わせて抽出方法まで変えているんだとか。中煎りは一つ穴のドリッパー、中深煎りはコーノ式ドリッパー、深煎りはネルドリップ。ドリップの種類によって抽出にかける時間を調整することで、味に爽やかさや深みといった印象や、風味をコントロールします。

取材時には堀内さんの日焼け具合によって、焙煎度を深めていく「日焼けブレンド」なるコーヒー豆が販売されていました。それを笑顔で買っていくお客さんの姿を見ていると「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」に関わる人たちのユーモアを感じます。

“老舗カフェ”たる所以は食事に。まず食べたい、おっきいプリンと旗がトレードマークの「プリンパフェ」

ありそうでなかったプリンパフェ!湘南カルチャーを次世代継ぐ老舗カフェ「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」(鎌倉)の何度も行きたくなる仕掛けとは

喫茶店ではなく“カフェ”である所以のひとつは、やっぱり食事。“美味しくて楽しくなる”をコンセプトにした「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」のメニュー。中でも名物といえば、この旗のついたプリンです。

お子様ランチを思わせるかわいらしいビジュアル。2019年に販売をスタートして以来瞬く間に人気となりました。中でもプリンパフェは定番メニューで、プリンが丸々乗った姿が印象的です。

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苦みの少ないカラメルと濃厚固めのプリン。食べ進めると、バニラアイスと荒く崩したカラメルビスケットが見えてきます。さらに、しっとり甘いバナナのパウンドケーキでボリューム満点。

最後は、カラメルゼリーとクッキー、バニラアイスをまとめて掬ってフィニッシュ。甘めで味がしっかりしているため、コーヒーと合わせても味がぼやけず、とっても美味。トリッキーな材料は使わず、単純なパーツで収めたパフェは誰もが楽しめる味です。

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ペアリングする珈琲はその人の趣味嗜好に合わせて一緒に考えてくれるそう。ブラックコーヒーはもちろん、酸味が特徴的なエチオピアのコーヒー豆を使ったカフェラテなど、ちょっぴり珍しい組み合わせも楽しめます。

店名になったフランス映画『日曜日が待ち遠しい!』。そのクリエイティビティが居心地の良さを作り出す

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個人経営のカフェの魅力は“人”だと語る堀内さん。お客さんがお店を選んでいるのではなく、お店に立つ自分がこの空間を好きな人を選んでいるんだと。

堀内さん「何事でも“流行っているから”ではなく、“好きだから”という違いを感じて欲しいと思っています。もしも誰かにお店の気に入っている“ココ”はどこかと問われれば、お客様、一緒に働くスタッフ、そのすべてを含めた“店全体”と答えるでしょうね」

ありそうでなかったプリンパフェ!湘南カルチャーを次世代継ぐ老舗カフェ「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」(鎌倉)の何度も行きたくなる仕掛けとは

美味しい食事とコーヒーが楽しめる、鎌倉「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」。堀内さんの“好き”という感性から生まれた空間では、このお店でしかないようなコラボレーションが至る所で見られます。

週末に何をやろうかと考えるような、『日曜日が待ち遠しい!』という言葉にあるクリエイティビティを体現しているこのお店。一度訪れれば感じる居心地の良さに、何度でも足を運びたくなるはずです。

About Shop
cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)
神奈川県鎌倉市小町2丁目1−3 櫻井ビル 1階
営業時間:11:00~18:00
定休日:水、木

園果わたげさん

園果わたげ

ウフ。編集スタッフ

メンバーの記事一覧

ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。