ufu(ウフ)スイーツがないと始まらない。
なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人とモノ、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人と言葉、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

前回の記事で紹介した、オープン後1カ月もたたずにプリン好きの間でも話題になった、「CYCLO」(シクロ)。スパイスが効いたプリンが話題になりました。このお店の大きな特徴が、「IID 世田谷ものづくり学校」内にあること。この「IID 世田谷ものづくり学校」とはどんなところなのか? そしてなぜ校舎内にカフェスペースを開いたのか、カフェを運営する空間プロデュース会社「ANCR」の奈良輪さんに話を伺いました。

廃校になった校舎を「交流の場」として、再スタート

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人とモノ、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

IID 世田谷ものづくり学校は、2004年10月に廃校となった旧池尻中学校舎を再生した複合施設。三軒茶屋または池尻大橋駅から、徒歩7~8分ほどのところにあります。
「学校本来の機能・雰囲気を活かすこと」をコンセプトに置いているため、廊下の雰囲気はそのままに、学校の教室のクラスの番号のところにお店の看板はありました。
入居している事業者の方に、オフィス提供・創業支援・ものづくり体験と交流の場の提供・スペースレンタル・地域コミュニティとの連携などをしているそうです。

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人と言葉、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

カフェスペースとして、お店ができたのは7月5日。オープンしてまだ1カ月もたたずに、入居者だけではなく数多くの人たちがこのお店を訪れています。

「人と、言葉と、食を循環させる空間にしたい」

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人とモノ、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

Q.なぜこの「ものづくり学校」で、空間プロデュース会社でもあるアンクルさんがカフェを開こうと思ったのでしょうか?

奈良輪さん:「もともとこのものづくり学校には、仕事としてよく訪れていました。会社の目標である『ホテルをデザインする』の一要素である飲食を始めてみたいと思っていたタイミングで、この施設で飲食店が1件空いたというのを聞いて、お誘いいただいたこともあり、思い切って入居を決めました。」

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人とモノ、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

「“CYCLO”=循環。お店のコンセプトとして人と、言葉と、食を循環させる偶発性をテーマにしています。その中で、学校という空間の中にあることから、お店の中にはたくさんの本があります。どれでも手にとって好きに読んで大丈夫です。そしてこの本は、本と本またはお店にある植物と交換することができます。“次来るときに、自分の本持ってこよう”そんな思いでまた来てもらえたら嬉しいですし、本を通じて人との交流や出会いも生まれたらと思っています。」

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人とモノ、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

「またイラストレーターであったり、有名なミュージシャンのおすすめの本の棚も設置していて、さまざまの人の想いや考えが至るところにちりばめられています。そんな新しい発見と出会いが、このCYCLOにはつまっています。」

本をたくさん寄贈してくれた人が、メニューの名付け親に

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人とモノ、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

Q.本を寄贈した人が、カフェメニューの名前を付けることができるって本当でしょうか? またなぜそのような取り組みをされているのでしょうか?

奈良輪さん:「はい、本を3冊以上持っていき、その本を寄贈あるいはお店の古本と交換すれば、カフェのメニューに名前をつけることができます。これも出会いの循環が一つのテーマになっていて、その人が来た証がここにしっかり残ります。面白い、と思って色々な人に来てもらえたら嬉しいです。本には筆者の想いがつまっていて、買った人が口コミとして広げていきますよね。食も同じだと思っていて、食べた人が広げていく、そして本を残して名前を残していく、これがCYCLOのミッションだと思っています。」

「ジャンルに縛られない、ある意味でオリエンタルなメニューを選びました」

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人とモノ、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

Q.カフェのメニューは、どのようにして決められたのでしょうか?

奈良輪さん:「メニュー全体で○○料理と決めてしまうと、メニューの中身がこりかたまってしまうので、そこでフレキシブルになるようにオリエンタルなメニューを選びました。オリエンタルといっても所謂オリエンタル料理ではなくて、もっと広義の、“枠にとらわれない”ということを大事にしています。

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人とモノ、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

固定概念を覆す、という意味でメニューはあえてみなさんが知っているようなプリンやティラミスなどを置いています。誰も知らないようなメニューより、みんなが知っているメニューだからこそ、食べてみて一味違うなと思ってもらえたら。人気のプリンもスパイスにバニラビーンズではなく、カルダモンを使用しているのも、それが理由です。」

「食を通じた、イベントを今後は展開していきたい」

なぜ「ものづくり学校」でカフェを開いたのか? 人とモノ、食を循環させる「CYCLO(シクロ)」(世田谷)固定概念を覆す取り組みとは?

奈良輪さん:「来月、身体にハンデにある方が料理をふるまうイベントをやろうと企画をしています。食を通じて、いろいろなイベントをやっていけたらいいなと思っていて、カフェの概念を超えて出会いを循環できたら。実はバーもやってみたいと思っているんです(笑)。ぜひプリンを食べに来てほしいですし、本を持ってきて、交換しに来てもいいし、すごくのんびりできる空間なので、多くの人に訪れてもらえたら嬉しいです。」

About Shop
CYCLO
東京都世田谷区池尻2丁目4−5 IID世田谷ものづくり学校107(MAP)
営業時間:11:00~19:00
定休日:不定休

Photo&Writing/Cream Taro