ufu(ウフ)スイーツがないと始まらない。

フクロウの世界観に圧巻。西荻窪の商店街に「mUni(ムニ)」が新オープン。ジェラートと焼き菓子の魅力に迫る

今年7月にオープンし、1か月程経過した今もなお人気が絶えないお店がある。その名もジェラートと焼き菓子店「mUni(ムニ)」。西荻窪駅北口から徒歩約5分程にあり、季節感溢れるジェラートや伝統を重んじた焼き菓子がずらりと広がる。SNS上でも“フクロウのモチーフが可愛すぎる”、“ココナッツジェラートが好みすぎる” など大きな反響を呼んでいる。今回はオーナーパティシエである染谷悠太さんを取材。お店の魅力やお菓子に対するこだわりを聞いてきた。

フクロウの世界観に圧巻。シェフの地元にオープンした「mUni(ムニ)」

お店があるのは染谷シェフの地元である西荻窪。カフェやパティスリー、青果店が軒を連ねる西荻一番街商店会に。フクロウをモチーフとし、木のディスプレイ、深緑のギフト箱など、フクロウの世界感を大切にした温かみがありつつも洗練された店内は思わず長居したくなるほど。テイクアウトはもちろん、イートインも併設されています。

なぜフクロウがモチーフなのかお聞きすると…

「モチーフになる動物がいればお客様の記憶に残ってもらえるのではないかと思ったのがきっかけです。そこで当て字で福が来る=福来郎など、幸福の象徴としての意味がある“フクロウ”にしました」と話すのは、オーナーパティシエ・染谷悠太さん。

壁にもフクロウが

店名もおしゃれなフランス語よりも、覚えてもらいやすい唯一無二の“ムニ”から取り、地域に根付いて欲しいという想いが込められています。

なぜ大学卒業後に製菓の道へ?染谷シェフの異色の経歴

オーナーパティシエ・染谷悠太さん

パティシエになるには高校卒業後に製菓の専門学校に行くのが一般的なルートだが、大学卒業後に一般企業に就職し、その後製菓の専門学校に入ったという染谷シェフ。

染谷シェフ
「大学までずっと野球をやっていたんです。かといって上のレベルでやる実力もなく一般の学生と同じように就職活動をしました。その中で自己分析などする中で、食にかかわる職種が向いていると思い、食品の卸会社に就職しました。何かのタイミングで大学卒業直前に友人から“アナザースカイの青木定治シェフの回を見てよ”と言われ、それがきっかけで製菓の道を考えるようになりました」

パウンドケーキやサブレなどが並ぶ

ゲストが人生のルーツや原点となった場所を訪れる様子に密着するドキュメンタリー番組「アナザースカイ」。青木定治シェフの日本人が外国であるフランスでお店を開く物語をきっかけに感銘を受け、“自分が手掛けた商品で直接、人を笑顔にしたい”という想いが強くなり、社会人を2年間経験後に製菓の道に飛び込んだのだとか。製菓の専門学校卒業後は、フランス菓子店「レタンプリュス」(千葉)、ジェラートと焼き菓子のお店「スギトラ」(京都)で修業し、独立。

「レタンプリュスで学んだ基本的なフランス菓子の製法をベースに、スギトラの杉田シェフの独創的なアプローチ、そしてただ美味しいお菓子を作って終わりではなく、パッケージの見せ方、SNSの発信の仕方でどうお客様に伝えるかなどを学びました」と染谷シェフが言います。そんなシェフが作るお菓子とは…。

組み合わせて食べる。滑らかな口どけを追求したジェラート

なんといってもお店の名物はジェラート。数々のジェラートマシンを試した中で口どけが圧倒的に良かったという、本場イタリア BRAVO社製のジェラートマシン“トリティコ”を使用。“お客様ご自身で組み合わせて楽しんでほしい”という想いから単一素材をメインにし、「スギトラ」(京都)で学んだレシピベースに新たに再構築した、シェフこだわりのジェラートが並びます。

トリプル ¥800(税込)

中でもおすすめは駅前の“清風園”さんのほうじ茶を使用した「西荻ほうじ茶」。沸騰させた牛乳に茶葉を一晩漬け込んで作っているというこちら。口に入れた瞬間に茶葉の香りとミルク感が広がり心地よい味わい。

他にも濃厚ながらも後味さっぱりのシンプルな「リッチミルク」、ベリーの甘酸っぱい酸味にアールグレイの香りが余韻に残る「3種のベリーとアールグレイ」など、シンプルながらも奥行きがあるジェラートの数々。トッピングで追加できるフクロウのクッキーをジェラートにディップして食べるのもおすすめ。

シンプルながらも突き抜けて美味しい。伝統を重んじた焼き菓子

焼き菓子にもこだわりが。奇をてらったお菓子ではなく、フィナンシェとかショートブレット、フロランタンなど誰もが知るシンプルなお菓子を材料や製法でより洗練させた染谷シェフの焼き菓子。お菓子に合わせてフランス産発酵バターと北海道産バターの配合比率を変え、素材を引き立たせる仕事ぶりはまさに職人技。ショートブレットに足跡を付けたりするなど遊び心も感じるお菓子たちは、どこか懐かしさも感じます。

みずみずしさがポイント。シャリシャリ感がクセになるレモンケーキ

幸せの黄色いたまご ¥360(税込)

そんな中でもおすすめは愛媛県・岩城島のレモンを使用したレモンケーキ「幸せの黄色いたまご」。中に入っている自家製マーマレードの甘さと薄くかけられたアイシングの甘酸っぱい酸味とのコントラストが絶妙。レモンをかじっているようなみずみずしい生地と、レモンの香りの余韻も感じる一品。

シンプルながらも一つ一つシェフの技術が詰まったmUni(ムニ)のジェラートと焼き菓子。フクロウの世界感に作り込まれた店内はどこか温かみがあり、“あのフクロウのお店”とまた行きたくなるほど。早くも西荻窪の新たな定番のお店になりそうです。

About Shop
mUni(ムニ)
東京都杉並区西荻北4丁目1−20 小林ビル 1階
営業時間:11:00~18:30
定休日:月・火+不定休
Instagram:@muni_tokyo2025

takuma

Takuma

ウフ。編集スタッフ

メンバーの記事一覧

すべてが“本物志向”のスイーツ好き編集者。都内のパティスリーやホテルのカフェを中心に巡り、話題のお店はいち早くチェック。スイーツが好きすぎて、気づけばスイーツメディアの編集部に!
Instagram(@k.takuma.happy)

Photo & Writing / Takuma