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コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

フランス菓子、イギリス菓子、イタリア菓子、台湾菓子…今、海外のお菓子が流行中。大阪市福島区にも、美味しいドイツ菓子を出す珍しいコーヒー店があります。JR環状線の「野田」という駅を降りて、高架の線路沿いを5分くらい歩くと「バーンホーフ」と書かれた屋根が見えてきます。

コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

お店に並ぶスペシャルティコーヒーは約20種類。マシンには一切頼らず、SCAJ(※)公認のコーヒーマイスターの手によるハンドドリップで、一杯一杯丁寧にコーヒーを淹れています。(※SCAJ:日本スペシャルティコーヒー協会)

コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

この自慢のコーヒーをより美味しく楽しんでもらおうと、スイーツにも力を入れています。

今回は、超正統派のコーヒー専門店「バーンホーフ」が提供する、超本格派のドイツ・ウィーン菓子を紹介します。

大阪に数少ない伝統的なドイツ・ウィーン菓子

コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

大阪にはフランス菓子店やチョコレート店は数多くありますが、ドイツ・ウィーン菓子を食べられるお店は希少です。なぜ、コーヒー専門店でドイツ菓子を?そんな疑問に「監修に入ってくださっている江崎修さんの熱い想いで」と、マネージャーの安部龍さんが答えてくれました。

パティシエの江崎修さんは、本場ドイツで修行を積み、帰国後はドイツ菓子店のオーナーや辻調グループの主任教授を務めていた経歴を持ちます。現在は実家の九州に戻っているそうですが、月に1回は必ず大阪の工房を訪れ、自らが監修した商品の品質チェックやパティシエたちへの指導、新作の試作を行ってくれるのだとか。

江崎さんは2016年に惜しまれつつ閉店した玉造の「ヴィナー ローゼ」というドイツ菓子専門店のオーナーシェフだったこともあり、当時のファンが「あの味をもう一度」とバーンホーフを訪れることも少なくありません。

ショーケースを覗くと、ケーキはどれも大きめ。「江崎さんは、コーヒーを飲むためにケーキがある。と考えてくれていて、1個のケーキでコーヒーを2杯飲めるくらいの大きさにしてくれているんです」と安部さん。アレンジなどは加えず、伝統的なドイツ・ウィーン菓子を実直に再現しています。特に人気のケーキを2品、紹介します。

ドイツの定番菓子・クランツクーヘン

コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

王冠に見立てたドイツ伝統のお菓子。卵黄が多めのしっかりした生地に、赤すぐりのジャムをサンド。バタークリームでコーティングをし、周りにはクラッシュアーモンドを散りばめています。アーモンドは工房で香ばしくキャラメルをまとわせたものを使用しています。この作業をするかしないかで、香りがまったく違うのだそうです。

ウィーンの伝統菓子・カルディナール シュニッテン

コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

こちらは伝統的なウィーン菓子、黄色と白のストライプ柄が特徴の「カルディナール シュニッテン」。バチカン市国の旗をイメージしており、ウィーンの人々に愛されてきたケーキです。メレンゲで作った生地には塩が混ぜられていて、全体を邪魔しない程度に主張されています。

とても軽い食感で、口の中に入れるとしゅわしゅわと溶けていくようなお菓子。コーヒー味のクリームだからほろ苦く、生地の甘さと絶妙のバランスをとっています。

素材はシンプルなのに、奥深いドイツ・ウィーン菓子

コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

その他にも、ショーケースにはエアトベアトルテ(いちごのケーキ)やキルシュトルテ、ドボストルテといった、ドイツ・ウィーンでは定番で一般的なケーキもラインアップ。クリームに季節のフルーツを使うこともあるのだそう。パウンドケーキ、フィナンシェやマドレーヌ、メレンゲのクッキーなどの焼き菓子も販売されています。

ドイツ・ウィーン菓子は、洋菓子と何が違うのか?毎日工房でお菓子を作っているパティシエに聞いてみました。

「使う素材は本当にシンプル。卵、バター、砂糖、小麦粉、ナッツ類。だけど、配合や製法でこんなにも違うものができるなんて、思いもよりませんでした」

素材の組み合わせはごくありきたりで、洋菓子やフランス菓子と違いはないのだそう。だからこそパーツひとつひとつにこだわりをもって、全体的なクオリティを上げていくことが大事だと言います。

生地の仕込みもアーモンドのキャラメリゼも、すべて手作業です。手間がかかっていて、毎日作るのはすごく大変なのだとか。安部さん曰く、実はスペシャルティコーヒーよりも、ケーキを買いにくる人の方が多いそうです。

「手仕事の価値を知ってほしい」

コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

バーンホーフは創業20周年を迎えていて、今年で21年目。工房にはコーヒー豆の焙煎所があり、店内で豆の焙煎を行っています。焙煎したら手で仕分け。豆に傷があったり、焼けていなかったりすると風味が落ちてしまうので、マイスターの手と目で選定を行います。

こうして実際にコーヒーに使う豆は、約60%まで減るのだとか。こうして廃棄になった豆を含んだ価格設定がされているので、スペシャルティコーヒーの値段は高く感じるかもしれません。しかし、厳選された豆から淹れたコーヒーは雑味が一切なく、本当に美味しく感じられました。

コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

安部さんは、「手仕事の価値を知ってほしい」とも話します。バーンホーフのスイーツ・コーヒーには、パティシエやコーヒーマイスターのモノづくりへの誠実な想いが込められていました。

ケーキもコーヒーも、今は手が届きやすく、手軽に楽しめます。しかし、クオリティの高いものは、職人の皆さんの技術・知識・経験によって生み出されています。こうして手間暇をかけて美味しいものを届けてくれる「手仕事」の姿を、「ウフ。」はこれからもお伝えしていきます!

コーヒーとドイツ菓子の”美味しい”を職人の手仕事で守り続ける店「バーンホーフ」(大阪・福島区)

About Shop
BAHNHOF(バーンホーフ)
大阪府大阪市福島区吉野1丁目14ー8
営業時間:11:00〜18:30
定休日:不定休
備考:現在店内飲食はなし(テイクアウトのみとなります)

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