

多くの人を魅了するスイーツの代表格となった「パフェ」。たっぷりのフルーツが盛られたものからパティシエの技が光るもの、常識を覆すお食事系ものなど多様化し、様々な見方や考察が出る中で、今回ufu.(ウフ。)は一つのグラスの上で“職人が彩るパフェ”というものに一度立ち返り、食べ手側の考察ではなく、作り手の「頭の中」を紐解く、そんなパフェ連載を今回考えました。美しいパフェをグラスから、スプーンから、一つ一つ紐解いていきます。
美しいパフェを毎月ナビゲートしてくれるのは、AKB48で活躍する小栗有以さん。3度に渡りセンターを務めるなど、AKB48のエースとして活躍中。最近は女優、モデル、バラエティでも幅広い活動をしており、週3サウナ•アサイーに温泉•美容•腸活で美容と健康を「#美ユイティフル」で発信。
人気アイドル×パフェ。そんな斬新な切り口で、パフェの面白さを一緒に掘り下げていきます。
第七回目となる本連載。舞台は古き良き日本を感じられる街・神楽坂にある「VERT」。カウンターデザートのお店で“日本茶”をテーマに、茶葉が持つ魅力を引き出すデザートコースをメインにしています。現在は同じ神楽坂で「VERTはなれ」という名前で、パフェも提供しています。

このお店でオーナーシェフをつとめるのは、新宿のカウンターデザートのお店「ジャニス・ウォン」、六本木のモダンフレンチのお店「ジャン・ジョルジュ トウキョウ」、そして前職として上野毛にあるグラスデザートの名店「ラトリエ・ア・マ・ファソン」で腕をふるった田中俊大シェフ。
ミシュランガイド東京2026にて 「セレクテッドレストラン」として掲載され名だたる名店と並び、「VERT」は田中シェフが紡ぐお茶と、日本の果実が持つ“ありとあらゆる可能性”の表現が世界で認められることとなりました。昨今は「発酵」をテーマに、新しい可能性を探っています。
今回のパフェも「発酵」をテーマにしたパフェ。漆黒のパフェグラスは中が見えず、唯一無二の存在感。なぜこのようなグラスにしたのでしょうか? 秘密を探っていきます。

田中シェフ「中が見えないようにした理由は、情報を遮ることで味覚に集中できると思ったから。僕の中ではパフェの分野においてトップは前職勤めていた『ラトリエ・ア・マファソン』」。美しくカットされ盛り付けられたあの芸術的なパフェと同じフィールドで戦っても仕方ないと思い、より味わいに集中できるパフェを考えました。
通常パフェグラスは透明なので“このあたりにジュレがあるな” “このあたりに苺が入っているな”とわかってしまい、このように外側から情報があると、ある程度食べる前に味わいの想像がついてしまいます。
パフェは急にカリッとした食感が来たり、お酒の味がしたり、そんなサプライズが面白いものだと思っています。だから中身が見えない真っ黒なグラスにしました。心理学的にも白と黒だと、黒のほうが味わいに集中できると聞きました。
グラスのサイズ感は少し小さ目。グラスの中に入る容量は少ないですが“あと3口、4口ぐらい食べたい”ぐらいで終わる方が、美味しさの余韻に浸れると考えています。」

真っ黒なグラスの中で起こる味の科学。香りと香りがつながり、美味しさの化学変化が起こるVERTのパフェ。中をどう構成しているのか、その美学を伺うと……。
田中シェフ「フルーツはそのまま使うことはありません。ほとんどがカットしたもので、1cm角ぐらいの小さなサイズにカットすることが多いです。“フルーツをそのままフルーツとして食べさせる”ことは一切考えていません。
中は、フルーツだけではなくハーブや発酵させた果汁をピューレにしてわらび餅やゼリーにすることもあります。最近では、金柑を2年間発酵させて、それをピューレにしわらび餅にして中に入れました。食感のテクスチャーが違って食べていく中で変化があって面白いことが、パフェの醍醐味だと思っています。中が見えないグラスで、想像しながら考えながら食べ進める楽しさがあるものだと思っています。
パフェは手数やパーツが増えるのがだいご味ですが、増えすぎてしまうと味がブレて方向性がわからなくなると思っています。例えばパフェの上にタイムがのっていたり、味わいに関係ないパーツがのっかっていることも。“伝えたいことをシンプルかつわかりやすく”食べさせたい意図をはっきりさせて構成することを心掛けています。
ちなみにですが、トップの部分には必ずチョコレートのディスクを入れていて割って食べるようにしています。割って楽しむという、背徳感ある行為もワクワクするしパフェの楽しみの一つだと思っています。中が見えないからこそ、その楽しみもより一層膨らむと思っています。」

サイズ直径18.5cm
田中シェフ「こちらのスプーンは、藤田永子さんにお願いしました。特注サイズのスプーンです。一つ一つ表情が異なっていて、そこが趣です。VERT専用でオリジナルで作っていただきました。
このスプーンの良さは、機能面にもあって、口に入るときの量のバランス感が凄くいいんです。また持ち手がしっかり長いので、パフェを掘って食べていくような動作を促すところもいいですね。」

田中シェフ「パフェの上にはフルーツを盛り付けることはありますが、上の部分とパフェグラスの中の部分が香りでつながるよう設計しています。食べ進めていく中で、香りが途切れないようにすることを大事にしています。
パフェにおいて“香気成分”がキーワードだと思っています。苺だったら“より苺らしくなるため”に。“素材より素材らしく”を軸にすると、自ずと引算になって要素がシンプルになっていきますね。今回は発酵させたバラと苺のパフェ。中はバラのソルベ。お茶のブランマンジェで合わせています。お茶は苦味要素として、外すことのできない大事な要素です。撮影時は、サンルージュというお茶の品種を使ったブランマンジェを使いました。バラが主人公のパフェでトップにもバラが盛り付けられていますが、苺はバラを食べさせるための“ボディをつくるための苺”という構成で、その全体をお茶がいい役割でまとめあげています。
先に述べた通り、視覚的な情報をさえぎっているので、より味に集中してもらえるようなパフェです。それは視覚や味覚だけではなく、嗅覚にも大きな影響を与えるもの。この真っ黒なグラスによって視覚情報が遮られた状態で、食材の香りがしっかりと嗅覚を刺激したとき、脳が驚き、気持ちが高揚する。これがVERTのパフェです。」

小栗有以さん試食後コメント
「バラの美味しさに衝撃を受けました! お店にも行ってみたいです。 高級感のある黒いグラスは中身が見えないからこそ、食べ進めると色んな発見がある。第一印象から変わっていくのが楽しかったです。」
Profile
小栗有以
2014年にAKB48 Team 8の東京都代表として加入。2018年「Teacher Teacher」で初のセンターに抜擢され、2025年8月発売のAKB4820周年記念66thシングル「Oh my pumpkin!」でセンターを務めるなど、AKB48のエースとして活躍中。最近は女優、モデル、バラエティでも幅広く活動中。10月からufu.(ウフ。)で新連載「YUIとパフェ。」もスタート
Photo/魵澤和之(まきうらオフィス) スタイリスト/大友洸介 ヘアメイク/夢月(スリーピース)
衣装協力/rienda(リエンダ)
About Shop
VERT はなれ
東京都新宿区津久戸町3−19 eLCCS神楽坂津久戸町2階A区画
営業時間:12:00~18:00(月、金)、11:00~20:00(土、日)
定休日:火・水・木
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