

東京のカフェ巡りに慣れた人でも、ふと心をつかまれる一軒に出会う瞬間があります。駅前のにぎやかな商店街を抜け、住宅街の静かな通りを歩いた先にあるのが、ベイクショップ&カフェ「EMU Bakehouse(エムベイクハウス)」です。
扉を開けた瞬間から広がるやわらかな空気感と、丁寧に焼き上げられたスイーツの香りが、訪れる人をやさしく迎えてくれます。今回は、そんな特別な時間が流れる「EMU Bakehouse」の手作りスイーツを、シェフが届けたい想いと共に紹介していきます!

阿佐ヶ谷駅から徒歩7分の場所にある「EMU Bakehouse」。白い建物にかけられた垂れ幕にあるロゴが目印です。
「EMU Bakehouse」という店名は、シェフのイニシャルである《M》の読みから取った【EMU(エム)】と、“アットホームな場所を作りたい”という想いを込めた【Bakehouse(ベイクハウス)】を組み合わせて名付けたのだそう。
ロゴについては、シェフの大学時代の友人が手掛けたもので、素材を大事にするという想いから、《E》の部分の丸は“果物”、《M》の先端は“小麦の稲”をイメージし、視覚でもインパクトを残せるように、シェフのイニシャルが由来となった《M》を大きめにするデザインで仕上げてくれたのだとか。シェフの想いを汲み取ったことで生まれた、記憶にも残りやすい可愛らしいデザインです。
地元の方に来てほしいという想いから、アクセスも程よい住宅街の阿佐ヶ谷に出店したそうです。阿佐ヶ谷散策がてら、ふらっと立ち寄ることもできますね。

この建物の階段を登った2Fにあるお店は、まるで“できれば秘密にしておきたいけれど、おすすめしたい” そんな隠れ家のようなスイーツ店。ひっそりと佇む、おしゃれさが特徴です。

店内に入ると、その場で焼き上げたスコーンや、キャロットケーキなどの焼き菓子がずらりと並んでいます。お店のコンセプトでもあるように、海外のカフェを彷彿とさせるようなラインナップ。季節によってガラッと変わるのも楽しみポイントの1つ!


そして奥には、できたてスイーツをその場で楽しめるカフェスペースも。様々な形の席があるので、自分のお気に入りを見つけてみるのもおすすめです♪

さらに店内には、海外から取り寄せたたくさんの料理やお菓子にまつわる本が。ここからも海外カフェ気分を味わえちゃいますね!

そんなたくさんの焼き菓子を楽しめる「EMU Bakehouse」を立ち上げたのは、シェフの内田萌さん。ご主人とお二人でお店を運営されています。
内田さんは学生時代、海外への関心が高まったことから、アメリカやベルギーへ渡航していたことがあるそうです。その中で、お菓子に携わろうと思ったきっかけを伺いました。
「もともとお菓子作りは好きでしたが、私にとって一番大きなきっかけとなったのは、海外での経験です。学生時代に留学していたアメリカ・ロサンゼルスでは、カフェ文化が根付いていました。学校へ行く前にコーヒーショップへ行ったり、時間ができたらカフェに行ったり。向こうにはベイクショップも多かったのですが、できたての焼き菓子がずらりと並ぶ温かい空間と、温かいお菓子が身近にあったことで、よくカフェに行っていたんです。そのときはまだ『お菓子に携わろう』とは考えていませんでしたが、『ものづくりに関わりたい』という想いはずっと心にありました。
帰国後はメーカーで勤務をしていたものの、『誰かに喜んでもらえる身近なものはなんだろう』と考えたときに浮かんだのがお菓子。そこから独学で学び始めました。『留学時に感じた“温かい空間”を自分でもつくりたい』という想いが、次第に形になっていきました。製菓学校に通っていないからこそ、“正解に近づける”ではなく、自分ならではのお菓子が生み出せることも、自分に合っていると感じました」

海外経験を経て、独学でお菓子を学んだ内田シェフにとっての“スイーツ”とは?
内田さん「私にとってのスイーツとは、“個性を表現できるもの”。同じお菓子でも、シェフによって味わいが全然違って、それぞれの個性が表れていることが、スイーツの面白みの1つだと思います。それだけでなく、“世界共通で喜ばせられる”ということも、スイーツの魅力だと感じています。
バックパッカーとして各国を巡り、現地のスイーツを通してその土地の文化に触れてきました。甘いものは国境を越えて人々の日常に彩りを添え、どこへ行っても人を幸せにしてくれる存在だと感じています。」
そんな内田さんの好きなスイーツは、悩んだ末に答えていただいた「キャロットケーキ」。スパイスの加減や食感に個性が出ることが魅力的に感じているそうで、この「EMU Bakehouse」を始めようと思ったきっかけも、バックパッカーでイギリスへ行ったときに食べたキャロットケーキの美味しさに衝撃を受けたことなんだとか! 日本に帰ってきてからも、そのようなキャロットケーキになかなか出会えず、自身の店舗でレイヤーのキャロットケーキを生み出すくらい、想い入れのあるスイーツとお話してくれました。

取材に伺った際は、季節ならではの「苺のレイヤーケーキ」に出会えましたが、「EMU Bakehouse」の看板商品でもあるレイヤーケーキは、季節によってフレーバーが異なるそうなので、内田さんの想い入れが詰まったレイヤーキャロットケーキに出会えた際は、ぜひ食べてみてください!♡

そんな「EMU Bakehouse」で提供しているスイーツへのこだわりを伺うと、厳選した良い素材を使うこと、そのときの季節を感じることができる素材を使うこと、そして「EMU Bakehouse」ならではの味わい、ここでしか出会えないものを作り出すこと、この3つを大切にしているのだそう。
「せっかく『EMU Bakehouse』に来てくれたからには、“この組み合わせ美味しいんだ!”と、新しい経験や発見を楽しんでいただきたいなと思っています」
そんなシェフのこだわりが詰まった、おすすめ商品をご紹介します!

「EMU Bakehouse」の人気ドリンクである「ロンドンフォグラテ」。ラベンダーは身近ではないものの、華やかな味わいで、癒し効果もあるのだそう。内田さん自身も、ここでしか飲めないような味わいがお気に入りなんだとか! それは、海外の味に店舗ならではのアレンジとして加える、メープルシロップの存在。ほんのりとした甘味とコクをメープルシロップが出しており、甘すぎない飲みやすさがクセになります。いろんなお菓子と相性も◎ ホットかアイス、そのときの気分で選べます。

「EMU Bakehouse」のお菓子の生地には、きび砂糖を使い、甘味にもこだわっっているのだとか。海外のお菓子=甘いというイメージとは異なり、ホッとするようなお菓子を作りたかったため、生地の甘みにはきび砂糖、ドリンクにはメープルシロップという使い分けをされている発見がありました。
お店で提供している「キャロットケーキ」も、きび砂糖のコクを感じ、深みのある味わいに仕上がっています。
さらに先程ご紹介した「レイヤーケーキ」は、「食べるたびにクリームをしっかり感じられるのが魅力の1つ。サイズは大きいんですが、ぺろりと食べられちゃいます」と、内田さんは話します。リピーターの方が多いのも納得ですね!

現在の「EMU Bakehouse」は、週末をメインに店舗営業を行っているそうなので、週末のお茶の時間にゆっくり過ごしていただける空間を、個性豊かな美味しいスイーツとともに楽しんでいただけるのではないかと思います。
将来的には、お仕事前のひと時にもふらっと立ち寄れる存在にしていきたいとのこと。阿佐ヶ谷にとどまらず、日常の中に「EMU Bakehouse」が溶け込む日も、きっと訪れるはず。
2026年は店舗営業と催事出店をバランス良く展開していく予定とのことなので、今後も新たに生み出されるであろう内田さんのスイーツをお見逃しなく♡
About Shop
EMU Bakehouse
東京都杉並区阿佐谷北3-11-2 2F
営業時間:11:00~19:00
定休日:火~金(営業日の詳細は店舗Instagramをご確認ください)
Instagram:@emubakehouse

もか
ウフ。編集スタッフ
製菓学校卒業後、美味しいお店と商品を広めたいと思い、洋菓子販売と飲食店専門の広告代理店を経てウフ。編集部へ。チョコレート、ピスタチオスイーツが好き。
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