スイーツ、焼き菓子の世界って、実は知ってるようで知らないことが多いですよね? そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。今回は、植物油について。お菓子作りというとバターの印象が強いですよね。植物油も使うことってあるのでしょうか。
「もちろん植物油を使うことはあります。オリーブオイルやサラダ油、それに胡麻油を使うこともあります」と大澤シェフ。
胡麻油も! ちょっと意外ですね。
「バターに置き換えて植物油を使うこともありますし、バターを使ったものにさらに付け加える形で使うことも。使い方はさまざまです」
お菓子作りにはバターは欠かせないイメージがありますが、なかにはバターの代用として植物油を使うお菓子もあるそう。
「バターよりも食べたときの感じを軽くするために植物油を使うことがよくあります。バターは動物性なのでコクが出ます。それがバターのよさでもあるんですが、逆にそのコクが要らないお菓子もたくさんあるんです。そういうときに植物油を使います。それと、バターの香りをつけたくないという場合にも」
「いちばん大きな違いとして、植物油は液体で、バターは固体なこと。植物油は温めても冷えても液体のまま保てます。バターだと冷えてカチカチに固まってしまうこともありますが、植物油を使えば冷えても固まらずに、柔らかな状態を保つことができるんです」
「パンも、バターだけ使っているイメージがあると思いますが、植物油でもパンはできるんです。植物油を使ったパンは、食感や風味が変わってきます。とくに、やわらかくふわっとしたパンを作りたいといったときは植物油を使うことが多いのです。
それに、オリーブの香りをつけたいときはオリーブオイルを使うし、パン作りに植物油は意外にメジャーなんですよ」
チョコレート作りに胡麻油を使うことがよくあるのだとか。
「一般的に胡麻油は香りが立つ植物油として認知されていますが、お菓子作りに使うのは『太白胡麻油』です。胡麻油の特徴的な香りがしないため素材の味を邪魔することなく使うことができます。
特にチョコレートと合わせると、固さを調整したり、口溶けをよくしたりすることができるんです」
胡麻油を焼き菓子作りに使うこともちょっと意外なのに、チョコレートと組み合わせて使うことは珍しいことはではなくお菓子の世界では当たり前のよう。
まだまだ知らないことがたくさんある「お菓子の世界」です。
パティシエ:大澤智弥さん
専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu.専属パティシエ。
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ウフ。編集部スタッフ
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