ufu(ウフ)スイーツがないと始まらない。
新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは? 
横須賀 横浜 

京急線・金沢文庫駅から徒歩10分、箱のようなシンプルな白い建物に小さな暖簾が目印。店内に入るとこだわりの雑貨と大きなショーケースが置かれています。まるでギャラリーのような雰囲気。実はここ、和菓子屋さんなんです。

今回紹介する「たんの和菓子店」は、和菓子職人丹野耕太・ひかり夫妻が営むお店。横須賀の老舗和菓子店を含め25年以上の経験を積んだ二人が作るバラエティー豊かな上生菓子と、オリジナルの和菓子詰め合わせ「〇・△・□(まる・さんかく・しかく)」が大人気です。

いま“和菓子屋の新しい形”と業界人からも注目を集めている「たんの和菓子店」。そんな和菓子界の変化を垣間見ることができる「たんの和菓子店」の魅力に迫ります。

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

伝統的なのにどこかモダン! “禅の世界”を表現した和菓子「〇・△・□(まる・さんかく・しかく)」

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

「たんの和菓子店」とはどういうお店なのか?

その答えは看板商品でもある「○・△・□(まる・さんかく・しかく)」を知ればわかるかも。

シンプルでもちもちとした食感が老若男女に愛されるどら焼きは「〇」。
アーモンドの粉砕を絡め、フランス産の岩塩で塩味を加えた落雁は「△」。
国産にこだわり、しっかりと煮詰めた餡子と、ふわりと軽い食感のもなか皮が特徴の「□」。

生菓子、干菓子、半生菓子、のそれぞれを代表する和菓子を○、△、□と表現しているところがまさに「たんの和菓子店」らしいユニークさ。

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

作り方も和菓子の伝統的な製法に新しい感性を加えているのだとか。例えば、「△」では伝統的な落雁の製法を使いつつ、フランス産の塩味を使用し、食べると焼き菓子のような雰囲気の味に。包装デザインもどの世代に贈っても喜ばれるような、シンプルながらモダンな印象です。

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

ひかりさん「このお菓子は、元々交流のある禅宗の住職と一緒に考えました。
修行僧の暮らしは、炊事・掃除・畑仕事が基本です。そんなシンプルな生活と私たちの和菓子に親和性を感じたのがきっかけです」

パティスリーのような店内にズラリとならぶ和の上生菓子。そのコントラストが新しい!

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

スタイリッシュなグレーの壁、無造作に置かれたフランスやヨーロッパのアンティーク……。店内は一見パティスリーのような雰囲気ですが、ショーケースには、彩りもあざやかな上生菓子がズラリと並んでいます。

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

しかも、こちらの上菓子は季節と色合いを見ながら年間約200種類も作っているそう。これは和菓子店の中でもかなり豊富。美味しく、美しく、丁寧に作られた和菓子を求め、常連客として多くの茶道家も訪れるほどです。

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 
※季節によってラインナップは変更します。

実は店主の丹野耕太さんは、この道25年のベテラン。
横須賀の老舗和菓子屋「和菓子司いづみや」で修業を重ねたのちに独立。

取材時は秋でしたが、いただいた上生菓子はそれぞれ、練りきりの「紅葉」、求肥で味噌餡を包んだ「龍田姫(たつたひめ)」、白あんで作った食感が上品なういろうの「柿」と、まさに一皿で秋を堪能できるものばかりでした。

和菓子店というと、敷居が高いイメージがありますが、ふらりと入りやすい洋菓子店のような雰囲気と、本格的な和菓子のラインナップ。このバランスが新鮮に感じます。

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

ひかりさん「うちの強みは職人としての技術力と、フットワークの軽さ。
“たんの”という屋号を掲げる柱は2つです。

1つは“伝統的な和菓子を身近に感じてもらうこと”。2つ目は“自分たちの感性を取り込んだ季節の和菓子を作ること”です。美味しいものを作ったら多くの人に食べてもらいたいですからね。お店を継いだ同業者の人からは、いろいろなことに挑戦できる環境を羨ましがられるほどです(笑)」

実は1号店がある⁉ たんの和菓子店が誕生するまで

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 
新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 
新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

和菓子の伝統を守りながらも、新しいことにチャレンジを続けるお二人。実は「たんの和菓子店」が生まれる前に、営んでいた和菓子店があるんです。

ひかりさん「元々、ここからほど近いところに『さかくら』という和菓子屋がありました。しかし、高齢のために暖簾を畳むという話を聞いて。ご夫婦に話をしたところ、和菓子の製造に使用される機械も一緒に譲ってくれたんです」

しかし、授かったものはお店や機械だけではないといいます。地元に即した商いの知恵も沢山教えてもらい、財と心、両面で恩恵を受けました。上生菓子を豊富に揃えるようになったのも、そんなご夫婦の知恵のおかげなのだとか。

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

ひかりさん「特に上生菓子を作る時はこの本を参考にしています。日本語は自然に対する感性が高い。その美しさを、堅苦しさは省きつつ、日本の伝統菓子である和菓子を通して、しっかりと伝え続けたいと思っています」

アパレルや老舗カフェとのコラボも。新しい試みが広がっている!

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

耕太さん「この2年間で僕らのやっていることを面白がってくれる人が増えてきました。そんな方々と新しい挑戦をする機会も増えて、いま凄くワクワクしています。

鎌倉の糀専門店『sawvi』とコラボ和菓子を作ったり、アパレルブランド『Haruhito Factory』をユニフォームとして採用したりとさまざま。新しい和菓子の在り方を、お客様も楽しんでくれて、とても嬉しいです」

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

最近では、鎌倉の老舗カフェ「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」と和菓子に合うブレンドコーヒーを開発。見た目も味もこだわり抜いた味は、和菓子ならではのコクにぴったりです。

コーヒーのお供として和菓子を楽しむスタイルは“伝統的な和菓子を身近に感じてもらうこと”を柱にした「たんの和菓子店」らしいアイディア。ビジュアルにもこだわった、オリジナルブレンドコーヒーに今から期待が膨らみます。

確かな技術に、新しい感性を加えて作る“ネオ・和菓子”の世界はまだまだ続く!

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 
店内には世界各国の雑貨と共に和菓子の木型も。
新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 
耕太さんの大切なコレクション。アメリカの黒人アーティスト、マーヴィンゲイのヒットアルバムや、スヌープ・ドッグの料理本などなど

耕太さんが影響を受けたものとして、大量のレコードと書籍の数々を見せてくれました。

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

耕太さん「和菓子も然り、何かを“創る”ときにはその源が大切。それが和菓子とは限りません。こうした音楽や書籍が僕にとっては栄養源。いま、どんなクリエーションがされているのか常に外の世界にアンテナを張っていたいんです」

新しい価値観を生んだ!「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?横須賀 横浜 

好きなものをとことん突き詰める丹野耕太さんと、笑顔を忘れずテキパキとこなす丹野ひかりさん。そんな二人が築き上げた「たんの和菓子店」には人を引き付ける魅力があります。

確かな技術と新しい感性が融合してできる「たんの和菓子店」の味。これからますます盛り上がりを見せる“ネオ・和菓子”の原点を、皆さんも一度味わいに行ってはいかがでしょうか。

About Shop
たんの和菓子店
神奈川県横浜市金沢区釜利谷東2丁目10−1
営業時間:10:00~17:00
定休日:月、火