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大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ

数多くの喫茶店や古書店が軒を連ね、どこか懐かしい空気が流れる東京・神保町。そんな街に2026年6月、新たな「菓子喫茶モンブラン」が誕生した。ルーツとなるのは、大分県豊後高田市で60年以上にわたり愛されてきた「和洋菓子モンブラン」。そこで長年作られてきたお菓子や家族の思いを受け継ぎ、東優里さんと娘の夏歌さんが親子でお店を立ち上げた。

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ

店内では昭和の時代に親しまれた「たぬきケーキ」をはじめ、プリンアラモードやクリームソーダなど、どこか懐かしさを感じるメニューが楽しめる。今回はそんな「菓子喫茶モンブラン」を訪れ、神保町にお店を構えた理由と、家族で受け継いできた味の物語を伺った。

古書と喫茶の街。神保町に誕生した「菓子喫茶モンブラン」

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ

神保町駅から徒歩4分ほどの場所にある「菓子喫茶モンブラン」。1階ではケーキや焼き菓子などをテイクアウトで販売し、2階と3階には喫茶スペースを構える。母・優里さんが「たぬきケーキ」をはじめとするケーキ作りを担当。娘・夏歌さんはプリンアラモードなど、喫茶で提供するメニューを中心に手がけている。親子それぞれの役割を担いながら、「モンブラン」の味を届けている。

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ

店内に足を踏み入れると、赤を基調としたソファやチェア、花柄のカーペット、色とりどりの丸いペンダントライトが目を引く。窓辺にはレースカーテンが掛けられ、どこか昔ながらの喫茶店を思わせる温かな雰囲気。たぬきケーキやプリンアラモードといった懐かしいお菓子とともに、ゆっくりと喫茶の時間を楽しめる。

35年前から馴染みのある街。神保町を選んだ理由

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ
娘の夏歌さん(左)、母の優里さん(右)

店主・東優里さんにとって、神保町は学生時代から馴染み深い場所。約35年前、飯田橋に暮らし、水道橋の予備校へ通っていた頃から、たびたび足を運んだという。

「大学時代に、必要な本を求めて古書店を巡っていました。インターネットがなかった時代、探している本なら神保町に行けば見つかるかもしれないと思って……。時を経て再び神保町を訪れると、若い世代が増えるなど街の景色は変化していましたが、古書店や昔ながらの喫茶店が残り、どこか落ち着いた空気が流れていることは変わりませんでした。そこで、喫茶店をやるなら神保町にしようと決めました」

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現在のお店を見つけた当初はシャッターが閉まり、建物の側面には自動販売機が並んでいたという。それでも角地に建つ物件を眺めながら、「シャッターを開けたら、きっとかわいくなる」と直感。その約1カ月後、偶然にも空き物件として募集が始まり、長年親しんできた神保町で「菓子喫茶モンブラン」を開くこととなった。

大分で60年以上続く「モンブラン」の味と思いを神保町へ

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ

「皆さんにとって、“実家みたいなお店”になれたらと思っています」

その原点にあるのが、大分県豊後高田市で60年以上続く、優里さんの実家「和洋菓子モンブラン」。昭和41年の創業以来、お客さんとの“心のふれあい”を大切にしながら、地域で親しまれてきた。

「父からずっと言われていたのが、“正直に商売をしなさい”ということ。お客様を大切にして、美味しいお菓子を作り続ける。それをずっと守ってきました」

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ
大分県の郷土料理「やせうま」も堪能できるのがポイント

現在も大分のお店は家族によって営業を続けている。神保町店はその支店として“東京進出”したのではなく、優里さんたちが新たに立ち上げたお店だ。

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ

「実家のお店をここにも作りたい」という思いから、店名やロゴ、味とともに、その精神も受け継いだ。さらに、優里さんが母から聞いたのが、創業者である父がかつて“東京に店を出したい”という夢を抱いていたこと。大分で長年守られてきた味と家族の思いをつなぎながら、神保町で新たな「モンブラン」の歴史を紡いでいる。

父から娘へ。受け継がれる「たぬきケーキ」

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ
たぬきケーキ ¥770

ひときわ目を引くのが、愛らしい表情をした「たぬきケーキ」。昭和40年代頃には全国各地の洋菓子店で作られていたという、バタークリームを使った昔懐かしいケーキだ。「和洋菓子モンブラン」でも優里さんの父が作っていたが、病気をきっかけに製造を終了。その後、コロナ禍に復活するとSNSなどで反響を呼び、多くの人がお店を訪れたという。

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ラムシロップを染み込ませたスポンジをバタークリームで包み、チョコレートでコーティング。一匹ずつ手作業で仕上げるため、それぞれ異なる表情も魅力。バタークリームのコクとチョコレートの甘さ、ラムの香りが重なる、どこか懐かしい味わいを楽しめる。かわいらしい姿だけではなく、家族の歴史まで詰まった「モンブラン」を象徴する一品。

プリンの下にスポンジ?「菓子喫茶モンブラン」ならではのプリンアラモード

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ
プリンアラモード ¥1,650

昔ながらの横長の器に、プリンと色鮮やかなフルーツを盛り付けた「プリンアラモード」。今ではなかなか見かけないこの器は、優里さんと夏歌さんが食器店を巡りながら少しずつ集めたもの。そして、プリンの下には、コアントローを加えたシロップを染み込ませたスポンジが隠れている。

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ

「スポンジと一緒に食べることで、いろいろな味が混ざり合って奥行きが出るんです。最後まで飽きずに食べられると思っています」

プリンは、昔ながらの味わいを残しつつ、硬すぎず柔らかすぎない絶妙な口当たりに。プリン、クリーム、フルーツ、スポンジを一緒に味わうことで完成する、同店ならではの一皿。

鮮やかな緑が映える、昔ながらの「クリームソーダ」

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ
クリームソーダ ¥1,000

たぬきケーキやプリンアラモードと一緒に楽しみたいのが、喫茶店の定番「クリームソーダ」。鮮やかなソーダにアイスクリームを浮かべた、どこか懐かしさを感じさせるビジュアル。昔ながらのお菓子を味わいながらクリームソーダを傾ければ、神保町にいながら、少しだけ時間を遡ったような気分に。

大分で60年以上愛された味を東京へ。「菓子喫茶モンブラン」(神保町)で出会う、懐かしのたぬきケーキ
1階では焼き菓子も販売している

大分で60年以上にわたり守られてきた味と、家族が大切にしてきた“心のふれあい”。その思いは、場所を神保町へ移しても変わらない。父が作っていた「たぬきケーキ」を優里さんが受け継ぎ、娘の夏歌さんとともに新たな形で届けていく。神保町で新たな歴史を刻み始めた「菓子喫茶モンブラン」。どこか懐かしいお菓子と空間に触れながら、“実家”に帰ったようなひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。

About Shop
菓子喫茶モンブラン
東京都千代田区神田神保町1丁目12−11−1
営業時間:8:00~18:00(水・木・金)、9:00~18:00(土・日・祝)
定休日:月・火
公式Instagram:@montblanc.jimbocho

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Takuma

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すべてが“本物志向”のスイーツ好き編集者。都内のパティスリーやホテルのカフェを中心に巡り、話題のお店はいち早くチェック。スイーツが好きすぎて、気づけばスイーツメディアの編集部に!
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Photo & Writing / Takuma