JR環状線「福島」駅からほんの数分歩いただけなのに、ふだんの喧騒が遠ざかっていくような静かな住宅街。鳥の声が聞こえる公園のそば、真っ白な外壁とアンティークの扉が見えてきます。
今回の取材先はここ、「fouet°(フエ)」。一歩足を踏み入れると、時の流れまでゆるやかに変わっていくような空間が広がっています。日常の延長にありながら、旅の途中に立ち寄ったような特別感に胸が高鳴りました!本当は秘密にしたい…そんな穴場カフェを紹介します。
大阪・福島の住宅街にぽつんと現れる、白い壁にグリーンが映える建物――ここが「fouet°(フエ)」。公園のそばにあり、まるで南フランスの田舎にあるカフェのような、やさしい空気が流れています。
外観はちょっと「何のお店?」と思うような佇まいですが、扉を開けると白を基調とした広々とした店内。味のある漆喰の壁や古材のぬくもり、さりげなく飾られたドライフラワーにキュンとします…!
陽だまりのようなやわらかい光が差し込む空間は、時間を忘れてのんびりできる特別な場所。子育て世帯が多い福島エリアでは、こんなに広くてゆったりできるカフェは貴重かも。
元々はアンティークインテリアショップ併設の「ア・テール」という名前で、前オーナー時代からのレシピを引き継ぎながら歴代の店長がブラッシュアップ。今も変わらず地元で愛されているカフェです。
店名「fouet°」はフランス語で「泡だて器」の意味で、°(ディグリー)は生クリームを泡立ててツノが立つ様子を表しているそう。朝9時から営業していて、モーニングやランチを目当てに訪れる常連さんも多数。ギャラリー展示も開かれるなど、文化的な香りも漂う素敵なカフェです。
こちらが今、スイーツ好きの間で話題になっている季節のパフェ。シャインマスカットとナガノパープルを使った贅沢なぶどうのパフェです!
グラスの底には、シャインマスカットと相性ぴったりの白ワインのソース。白ぶどう×白ワインの爽やかな香りに、クローブをほんのり加えて上質な余韻をプラスしています。
中層にはキャラメリゼしたパイとカモミールのジュレ、濃厚レモンミルクアイスにザクザクのチュイール、ふわふわのシフォン。トップの生クリームにはライム果皮を混ぜ、花冠をイメージした可愛らしい仕上がりに。見た目よりずっとたっぷりフルーツが食べられて、幸福感も満点です…!
ランチタイムには、ベーグルとキッシュが一度に楽しめるオリジナルプレートがおすすめ。
ベーグルはバター・卵・ミルク不使用で、毎朝茹でてから焼き上げています。気温や湿度に合わせて発酵を調整しているそうで、やわらかすぎず、かたすぎず絶妙な食感に感動。
キッシュはごろっと大きめにカットした6種の野菜が入り、サクサクの手作りパイ生地が野菜の甘みを引き立てます。
店長の三宅さんは「いつも来てくださるお客様の顔を思い浮かべてメニューを考えています」とにっこり。大切な友人をおうちでもてなすように手作りしているそうで、その想いが料理にも、やさしい接客にも表れている気がしました。
一口ごとに幸せを感じるパフェも、心をほぐしてくれる空間も、どれも丁寧でやさしい「fouet°」。その奥には「お客様一人ひとりを思い浮かべながら作る」という店長・三宅さんの想いがありました。
どこに座っても光と花に包まれる店内は、初めて訪れても不思議とほっとできる場所。ベーグルやキッシュで満たされたあと、季節のパフェを味わいながらのんびり過ごせば、きっとあなたのお気に入りのカフェのひとつになるはずです。
About Shop
fouet°(フエ)
大阪府大阪市福島区福島7-10-9 1F
営業時間:09:00〜17:00(L.O16:00)
定休日:火曜日、水曜日
Instagram:@cafe.fouet
あかざしょうこ
ウフ。編集スタッフ
関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。
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