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生クリーム(ホイップクリーム)って、作り方は同じなのにお店や作る人によって味が違うのはなぜ?【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.35】

スイーツ、焼き菓子の世界って、実は知ってるようで知らないことが多いですよね? そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。今回は、「生クリーム」。生クリームって作り方は同じなのに、どうしてお店や作る人によって味が変わってしまうの? 教えて大澤シェフ!

同じようでいて、実は種類・配合が違う!

どうして生クリームは、素材は同じなのに、お店や作るパティシエによって、味が変わるのか? 同じ材料で同じ作り方をすれば、味、風味、やわらかさ、すべてが同じにならないと、むしろ変?

「それは、そのお店、またお菓子職人の独自のブレンドがあるんです」と大澤シェフ。

「ひと口に生クリームと言っても実は種類が豊富なんです。町のスーパーなどで売られている牛乳って、たくさんの種類がありますよね。生クリームも同じ。ベースになる牛乳の種類が多いのですから、生クリームも種類が多くなるのは当然で、それに加えて、お店独自の配合があるんです」

職人独自のブレンド方法が!

「種類にバリエーションがあるうえに、さらにお店によってブレンドの配合がまったく異なることから、より細分化されて、他店では味わえないお店独自の味に仕上がっているのが生クリームです。

また、同じお店であっても、作るケーキによってまた違うブレンドの生クリームを使うこともありますからね」と大澤シェフ。

では、生クリームに記されている「%」とはいったい何の数値なのでしょう。また植物性のクリーム(ホイップクリーム)に記されている「%」も何を意味しているんでしょうか。

「生クリームに記載されている『%』は、脂肪分の割合です。数値が大きいほど脂肪分が多い生クリームになります」と大澤シェフ。

それらは、低・中・高脂肪とわかれていて、用途によって使い分けられています。一般にコーヒーなどに使われる生クリームは脂肪分20~35%の低脂肪で、ケーキのデコレーションに使われるのは、脂肪分35~40%の中脂肪、さらに濃厚な味わいにしたいときに使われるのは40%以上の高脂肪とされています。

植物性のホイップクリームもさらにブレンド

「これらとは別に、市販されているクリームには、動物性と植物性の脂肪を組み合わせたコンパウンドタイプのクリーム(一般的にホイップクリームと呼ばれているもの)があります。パッケージに記載されている数値は、動物性脂肪と植物性脂肪の割合で、これも種類はさまざま。用途によって選ばれています」

大澤シェフによれば、動物性の脂肪分は、牛乳から生成するため時間が経つと黄色味がかってきてしまうといいます。一方の植物性の脂肪は真っ白で、時間経過しても変色しづらいことから、見た目を大切にしたい生ケーキなどで重宝されていると言います。

「動物性と植物性の脂肪を上手に使い分けて、お店ならではのおいしいお菓子にいかされています」

教えてくれたのは…

パティシエ:大澤智弥さん

専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu.専属パティシエ。

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