スイーツ、焼き菓子の世界って、実は知ってるようで知らないことが多いですよね? そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。今回は、パティスリーで作られ、売られている生菓子、焼き菓子にも保存料が使われているものなのかどうか。大澤シェフに聞いてみました。
いわゆる街のケーキ屋さんで売られている生菓子、焼き菓子でも、スーパーやコンビニで売られているようなスイーツと同じように保存料って使われているものなのでしょうか。シンプルな疑問を大澤シェフに聞いてみました。
「保存料はほとんど使いません。メーカーなど、工場で大量に作って、スーパーやコンビニなど多くの店舗に届けるような商品であれば、使っているものもあるでしょうけど、街のケーキ屋さんで、作って売っている生菓子や焼き菓子には使うことはないと思います」と大澤シェフ。
「それに食品保存料は、一般の人でも入手することは可能であっても、使い方や使う量など、細かな制約もあるので、だれもが気軽に使えるものではないと思います」
そもそも保存料とは、食品添加物のひとつ。食品添加物の中に保存料、甘味料、着色料、香料などが含まれます。その中で保存料は、食品の腐敗や変色を抑制し、保存性を高めるために使用するもので、日本で売られている食品保存料に限らず、食品添加物は全て厚生労働省が指定したものだけに限られています。ただし、厚労省では例外的に指定された以外で「既存添加物」「天然香料」があります。
「添加物というと危ないもの」という漠然としたイメージがあるかもしれませんが、国内で指定され、販売されている添加物は先のように厚生労働省が指定したものだけ。
「添加物の中には天然由来のものもたくさんあって、特に香料には、天然ものが多い。よく知られているものではバニラエッセンスがそうです」
ほかにもお菓子作りの中では、香料や自然由来の色素を使った添加物などを使用することがあると言います。ベーキングパウダーや乳化剤など、一般的にも馴染みのあるものです。
「味を誤魔化すとか、追加するなどではなく、あくまでも何かを引き立たせたいとか、形を整えたいという使い方をします。
また、フィナンシェやマドレーヌの個包装された焼き菓子によく入っている、板状の紙や小袋は、脱酸素剤、乾燥剤です。脱酸素剤は袋の中の酸素を抜く働きがあって、腐敗する原因になる袋内の酸素を吸収して抜いてくれ、日持ちさせるようにしています」
添加物というと、気になる人もいるかもしれないですね。でも、一口に添加物と言ってもいろいろな種類があり、用途もさまざま。街のケーキ屋さんが使う添加物も特別なものとかではなく、家庭で調理したり、お菓子を作ったりするときに使うものと一緒。
「家庭で作るときに、保存料は使わないですよね。街のケーキ屋さんも同じです」と大澤シェフ。
パティシエ:大澤智弥さん
専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu.専属パティシエ。
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ウフ。編集部スタッフ
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