懐かしいのに新しい――そんな気持ちにさせてくれる「喫茶175（イチナナゴー）」。堺東駅から歩いて10分ほどの住宅街に、純喫茶の空気感とフランス菓子の本格派をかけ合わせたお店が誕生しました。名作映画のサウンドトラックが流れるレトロな空間でいただけるのは、ぷるぷる食感のフランやザクザク香ばしいシュークリーム。肩の力を抜いてコーヒー片手に、丁寧に作られた“ちゃんと美味しい”スイーツを楽しめます。
堺東駅から歩いて10分ほど。静かな住宅街の中に「喫茶175（イチナナゴー」はあります。元はMUCという喫茶チェーンの店舗だったそうで、コの字カウンターやレトロな椅子がそのまま残り、思わず「エモい！」と言いたくなる昭和の純喫茶感。なのに店内は綺麗に整えられていて、初めて訪れるのにどこか懐かしい不思議な心地よさがあります。
BGMには名作映画のサウンドトラックが流れ、懐かしさに浸りながらコーヒーをすするひとときは格別。カウンターには小さなショーケースがあり、そこにはフランス菓子が並びます。純喫茶にフランス菓子？と一瞬驚きますが、これが「喫茶175」ならではの魅力でした。
店主の岩田さんは、フランス・リヨン留学をきっかけにフランス菓子の世界にのめり込み、帰国後は有名パティスリーから純喫茶まで幅広く経験を重ねてきた人。好きなものをかけ合わせて生まれたのがこのお店だそうです。店名はご自身と奥様の身長「175cm」から。カウンターの中で菓子作りやコーヒーを淹れる姿が近くで見られるので、一人でもグループでも気軽に通いたくなる空間でした。
ショーケースには4種類のケーキがありました。定番はフランとシュークリームです。
「フラン（Flan）」はフランスで古くから親しまれる伝統菓子。カスタードを流し込み焼き上げるシンプルなスタイルですが、岩田さんのフランはひと味違います。
小麦粉を使わずコーンスターチのみで仕上げているから、ぷるっぷる！でも形はきちんとキープ。絶妙な配合と焼成で生まれる食感です。さらにレモンの果皮を加えているので、カスタードの重さを感じさせず、爽やかに楽しめました。
もうひとつの看板は、クッキーシュー。前日に焼いた生地をオーブンの中で一晩乾燥させることで、翌日には驚くほどザクザクに！そこに、軽やかな生クリームとトンカ豆の香りを移したカスタードを合わせたダブルクリーム。
外はカリッ、中はとろり、芳醇な香りがふわっと広がり、思わず笑顔になる味わいです。2日に1回通う常連さんがいるのも納得。
さらに喫茶店らしく、モーニングやランチメニューも。自家製のフォカッチャサンドやナポリタン、トーストもあり、フランス菓子と純喫茶メニューの両方が楽しめるのが「喫茶175」の面白さでした。
派手な装飾や映えを狙った仕掛けはなく、あるのは誠実に作られたフランス菓子と、落ち着いた純喫茶の雰囲気。それが「喫茶175」の魅力でした。
定番のフランやシュークリームに加え、季節ごとに変わるタルトや、懐かしさあふれるモーニング＆ランチ。どれも「このまま長く続いてほしい」と思わせてくれる優しい味わいでした。
すでに常連さんも通い始めているというこのお店。堺東の住宅街にひっそりと佇む“隠れ家”で、あなただけのお気に入りスイーツを見つけてみてはいかがでしょうか。
About Shop
喫茶175
大阪府堺市堺区五月町1-28
営業時間：08:00〜18:00
定休日：不定休
Instagram：＠175_cafe
あかざしょうこ
ウフ。編集スタッフ
関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。
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