ネスレ日本が運営する「ネスカフェ 三宮」が2025年4月、まるで海外の農園にトリップしたかのようなコンセプトカフェとしてリニューアルオープン。そこには、ただコーヒーを味わうだけでなく、未来のコーヒーを守るという“サステナブルな選択”を、日常の一杯の中で感じられる空間がありました。
「なぜ農園をテーマに?」その答えを知った時、私たちの“飲む意識”が少し変わるかもしれません。
神戸・三宮駅から徒歩数分。駅前のにぎやかさを抜けてすぐの場所に、まさかの“コーヒー農園”が現れます。…と言っても、もちろん本物の農園ではなく、そこはネスレ日本が展開する体験型カフェ「ネスカフェ 三宮」。
2025年4月にリニューアルオープンしたばかりの店内は、「コーヒー農園で過ごすひととき」をテーマにデザインされていて、驚くほどの没入感。深い緑に包まれた空間には霧がふわっと立ち込め、耳をすませば森や川のせせらぎが聞こえてきます。まるで都会の真ん中で“瞬間ワープ”したかのような非日常が、ここにはあります。
1階の注文カウンターでは、5種のブラックのホットコーヒーの試飲が可能。香りや味わいを比べて、お気に入りの1杯を選んでから注文するスタイルは、まるでコーヒー農園を旅して豆を選ぶような気分に。
壁一面の緑は、コーヒー畑を空から見た風景をイメージしているそうで、デザインの細部からも”農園感”があふれています。
2階に上がると、そこは“コーヒー農園の中のカフェ”。植栽には本物のコーヒーの木が使われていて、日本ではなかなか見られないコーヒーの葉の艶やかさに思わず見とれてしまいました。静かにPC作業をしたり、読書をしたり…自然音に包まれたこの空間は、何かに集中したいときの“自分時間”にもぴったりです。
ちなみに、お天気がいい日はテラス席もおすすめ。日差しの中でコーヒーを片手にボーッとする時間…忙しい毎日に、こんな贅沢な余白があるといいなと思いました。
コーヒーショップでありながら“コーヒー農園”をテーマにしたのは、ただの世界観づくりではありません。その背景には、ネスレ日本が描くコーヒーの未来と、サステナビリティへの強い思いがありました。
「2050年には、コーヒー栽培に適した土地が半分になるかもしれない」——そんな予測をご存知でしょうか?世界的にコーヒー需要が高まる一方で、気候変動の影響で、世界中のコーヒー農家は、存続の危機に直面しようとしています。それでも私たち消費者の「おいしいコーヒーが飲みたい」は、これからも変わらないはず。
ネスレは「ネスカフェ プラン2030」を通じて、再生農業を推進、温室効果ガス排出量削減、コーヒー生産者の生活向上支援などに取り組み、未来の一杯のコーヒーに繋げているそうです。
さらにネスレは、“日本のコーヒー栽培”にも挑戦中。現在、沖縄県で「ネスカフェ 沖縄コーヒープロジェクト」が進行しています。
耕作放棄地といった地域課題を背景に、ネスレは県・大学・地域農家と協力。苗の提供からノウハウの共有までを支援し、「沖縄育ちのコーヒー豆」をブランド化することで、雇用と活性化を目指しています。
ネスレは「使い捨て」するのではなく、資源を「再活用する」部分にも目をむけています。「ネスカフェ ゴールドブレンド」の詰め替えパックなどをアップサイクルしています。「ネスカフェ 三宮」ではコースターやスタッフのスカーフにアップサイクル素材を使用。細部にまで“サステナブル”な未来を目指す意志が込められています。
おいしいコーヒーを選ぶ、という日常の一瞬が、「サステナブルな未来へつながる選択」になる。そんな風に、自分の“推しブランド”にサステナブルな未来を目指す意志があると、なんだか嬉しくなりますよね。ネスレが描くコーヒー農園空間は、単なる「映える演出」ではなく、企業として長年取り組んできた姿勢そのものなのです。
とはいえ、カフェである以上はメニューも楽しまないと!ということで、気になるメニューを、いくつかご紹介します。コーヒー農園気分を味わえる「ネスカフェ 三宮」でいただけるのは、どれも「コーヒーを主役にした体験」や「サステナブルな未来へつながる選択」が感じられる一品ばかりでした。
まず注目は、“香るミルク”のジェラート。コーヒー豆と一緒に加熱して香り付けした牛乳から作ったという、ちょっと手の込んだオリジナルのミルクジェラートは、コクがありながら後味スッキリ。濃厚なチョコレートジェラートと一緒に、サクサクのワッフルコーンがのって登場します。
一口食べると、口いっぱいに広がる「香ばしさ」と「まろやかさ」のバランスが絶妙で、想像以上に満足感アリ◎
SNSで話題になりそうな、カラフルで可愛いノンアルコールドリンクも要チェック。(モクテルは20歳以上の方の飲用を想定しているそうです)
・ミントコーヒー
・ラズベリー抹茶
・マンゴーコーヒー(※撮影時はこちら)
中でもマンゴーコーヒーは、完熟フルーツの甘さにしっかりとしたコーヒーのコクが混ざって不思議な美味しさ。ガラスの器に美しい層ができていて、思わず「これ飲めるの?」って聞きたくなるアート感。味もビジュアルも、きっと誰かとシェアしたくなります。
最後にご紹介するのは、ちょっぴり意外性のある“ネスカフェ入りカレー”。隠し味にコーヒーを加えたという海老カレーは、見た目以上に本格派。プリプリのエビがごろごろ入っていて、口に入れた瞬間、海老の旨みがジュワ〜ッと広がります。
スパイシーではなく、コクとまろやかさに振り切った味わいは、「辛いカレーが苦手…」という人にも嬉しい。香ばしいオニオンチップのアクセントと、さっぱり後味のザワークラウト付きで、最後まで飽きずに楽しめます。
どのメニューにも、「コーヒーの可能性ってここまで広がるのか!」と驚かされました。特にスイーツやカレーは、ただ美味しいだけじゃなくて、ちゃんと“ネスカフェならでは”の工夫が感じられるんです。この一杯、このひと皿が、未来のコーヒーにつながっているかもと思うと、味わいも違ってきますよね。
「ネスカフェ 三宮」のリニューアルには、味や空間づくりだけではない、“コーヒーの未来”を見据えたブランドの意志が詰まっていました。
「ネスカフェ プラン2030」では、再生農業による豆の栽培や温室効果ガス削減など、世界的に加速する気候変動に対応するためのアクションを強化。また、日本のコーヒー産地を目指す「ネスカフェ 沖縄コーヒープロジェクト」、さらにはパッケージのアップサイクルを通じた循環型社会への貢献など、一杯のコーヒーに詰まった「選択」が、地球の明日につながっていることを教えてくれます。
このカフェは、ただのおしゃれ空間でも、リッチなスイーツカフェでもありません。“おいしい”を選ぶことで、サステナブルな未来へつながる。そんな気づきが、ここにはたくさん詰まっています。
コーヒーを通じて世界を変える。そんな壮大なビジョンも、静かなBGMと本物のコーヒーの木に囲まれて過ごすうちに、少しずつ心に染み込んでいくかもしれません。
About Shop
ネスカフェ 三宮
兵庫県神戸市中央区御幸通7丁目1-15
営業時間:平日09:00〜20:00、土日祝10:00〜20:00
定休日:なし
あかざしょうこ
ウフ。編集スタッフ
関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。
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