青森りんごの魅力を“丸ごと”体験できるユニークなスイーツブランド「あら、りんご。」が神戸にありました。
「あら、りんご。」とは、青森りんごの品種ごとに異なる甘み・酸味・食感を最大限に引き出したタルトタタンやアップルパイ、丸ごとりんご飴などを展開する青森りんご専門店。現在青森に4店舗展開していますが、生まれが意外にも神戸なんです。また、りんご農家を応援できる「オーナー制度」など、ユニークな仕組みも話題に。今回は、実際に味わって分かった“唯一無二のりんご体験”をご紹介します。
神戸・三ノ宮駅から坂を登って数分。トアロード沿いを歩いていると、ふと目に飛び込んでくるりんごのマーク。ここが、青森りんご専門店「あら、りんご。」の神戸トアロード店です。
「青森りんご専門店」ですが、1号店ができたのは、実は神戸。運営するのは神戸の会社「株式会社ワールド・ワン」。地方の魅力=“郷土”を発信することを使命に、20年以上にわたり全国の味を届けてきた企業で、兵庫のアンテナショップや、土佐清水・青森など各地をテーマにした居酒屋ブランドを展開しています。
地域の魅力を発信し続けてきた中で出会ったのが「青森りんご」の魅力。青森りんごの可能性を追求しようと、一つのブランドとして独立させ、2019年に立ち上がったのが「あら、りんご。」なんです。
日本一の生産量を誇る青森りんごは、昼夜の寒暖差で糖度が上がりやすいのだとか。また長年培われた栽培技術や高度な貯蔵法によって、採れたての香りや食感を半年〜1年近く保てるのが特徴。特に、ほぼ無酸素状態で酸化を防ぐ「CA貯蔵庫」によって、収穫直後のシャキシャキ感と甘みを閉じ込めたまま保存できるそう。年中、国産のりんごが買えるのは「保存」の技術があったからなんですね…!
「あら、りんご。」では青森のりんご生産者と直接契約し、旬のりんごをスイーツやドリンク、ジャムなどに変身させて提供。神戸トアロード店では、都市部で青森を知らない人にその魅力を届け、青森の店舗では新しい定番土産としての地位を目指しています。
さらに、生産者と消費者をつなぐ「オーナー制度」も実施。オーナーになると栽培の様子を伝えるメールマガジン、収穫期にはダンボールいっぱいのりんごが自宅に届きます。まるで自分が青森の畑の一部を持っているような感覚で、農家を応援できる仕組みです。
神戸の街中でふっと青森の風を感じられる場所。りんごの森が広がる景色を想像しながら、甘酸っぱい香りに包まれる…そんな時間がここにはあります。
「あら、りんご。」の魅力は、青森りんごのポテンシャルを最大限に引き出す多彩なメニュー展開です。その開発を担うパティシエは、現地を拠点に品種ごとの特性や調理法を研究し続けています。国内だけでも数百種類あるりんごの中から、スイーツに適した「紅玉」「ふじ」などを厳選。タルトタタン、アップルパイ、りんご飴など、それぞれの品種の“ベストな状態”を引き出したスイーツが並びます。
2階にはカフェスペースがあったので、自慢の青森りんごスイーツを実食しました!
お祭りで見かけるとワクワクする“あの”りんご飴も、こちらではひと味違います。大ぶりのりんごを店内で丁寧に飴掛けし、塩をまぶした「塩りんご飴」もラインアップ。甘じょっぱさがクセになる一品です。
さらに嬉しいのは、カットサービス。スタッフにお願いすれば、一口サイズにカットしてプラカップで提供してくれます。食べやすさはもちろん、ソフトクリームと合わせた「りんご飴ソフト」も必食。
青森県産りんごと北海道産生乳で作った濃厚ソフトクリームに、カリカリの飴とシャキシャキ果肉が絶妙にマッチします。品種は季節で変わるため、訪れるたびに違った味わいに出会えるのも魅力です。
紅玉とはつ恋ぐりん、2種の品種で用意されたタルトタタンは、りんごの新たな一面を感じられる一品。
じっくり加熱して水分を飛ばし、甘みと旨みを凝縮。紅玉は華やかな香りとキリッとした酸味、はつ恋ぐりんは爽やかな風味が楽しめます。同じスイーツでも、品種による香りや味、食感の違いがはっきり感じられるのは「あら、りんご。」ならでは。父の日は「グラニースミス」、母の日は「ピンクレディ」など、イベントに合わせた品種選びも遊び心たっぷりです。
クリスピータイプの「りんごパイ」(店舗限定)と、包み焼きタイプの「アップルパイ」(お取り寄せ可)の2種類を展開。アップルパイは品種ごとの食べ比べも楽しめます。取材時のアップルパイはサンふじ、王林でした。
甘みが強く酸味控えめな果肉にブルーベリージャムを合わせ、奥行きのある味わいに。パイ生地はしっかり焼き色がつき、果肉は角が残る絶妙な火入れ。
甘みは引き出しつつ、しゃきしゃきとしたりんごらしい食感を楽しめます!ベチャっと感ゼロで、下処理と焼成技術の高さが光っていました。
新たな定番ギフトとなりそうな、可愛い焼き菓子も。女性向けライフスタイル誌「CREA」贈りもの大賞2025の【47都道府県の手みやげ部門】で第一位に選ばれたという、今年注目のスイーツです。
りんごの形をしたオリジナル型で焼き上げ、中には角切りのりんごがごろごろ。「青森りんごのパウンドケーキ」は、しっとり生地とシャキシャキ食感のコントラストが楽しく、見た目の可愛さもたまりません。オンラインショップでも購入できるため、贈り物にぴったりです。
青森りんごの魅力をたっぷりと体験して感じたこと…。それは、りんごは「甘み」や「酸味」だけでなく、シャキシャキ・ホロホロといった食感の違いでも様々な表情を見せてくれるということでした。
りんご飴やタルトタタン、パウンドケーキまで幅広いラインアップは、まさに“りんごのフルコース”。今後はさらに「青森の景色」を感じられるような店作りをしていきたいとのこと。スイーツだけでなく体験を与えてくれそうなお店でした。神戸・青森を訪れたら、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
About Shop
あら、りんご。神戸トアロード店
兵庫県神戸市中央区下山手通3丁目10-1 Trsx, 1,2階
営業時間:10:00〜20:00
定休日:不定休
Instagram:@alaringo_cafe_kobe
あかざしょうこ
ウフ。編集スタッフ
関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。
注目記事